① 姿勢のチェック
猫背や反り腰、悪姿勢の原因は下半身にあり。なぜかといえば脊柱の骨の配列を決めるのは骨盤のポジションだから。そこでまずは姿勢からチェックしてみよう。
また中臀筋に左右差があると骨盤や肩が左右どちらかに傾くことも。脚の各関節が適正な位置にあり、全体のレッグラインがまっすぐ伸びているかどうかもチェックのこと。
4点つき直立(脚の前後の筋バランス)
壁を背にして立ち、後頭部、肩、お尻、踵を壁につける。このとき腰と壁の間に掌1枚分のスペースができる。
結果
- 掌1枚分のスペースができる→4点
- 掌が入るスペースができない→0点
- 掌2枚分のスペースができる→0点
ハムストリングスが硬いと骨盤が後傾しやすくなり、重心バランスをとろうとするため猫背になりやすい。逆に大腿四頭筋のテンションが強いと骨盤が引っ張られて反り腰になりやすい。前者は掌が入るスペースがなく、後者はスペースが開きすぎ。
ミラーチェック(中臀筋の左右差)
直立姿勢で鏡を見たとき、肩、骨盤のラインが水平になる。
結果
- 水平になる→3点
- 水平にならない→0点
鏡の前に立って自分の姿を見たとき、左右の肩の高さや腰骨の高さが異なっていたら、上がっている方の中臀筋が弱い可能性がある。誰かにスマホで立ち姿勢を撮ってもらってチェックするとより分かりやすい。
気をつけの姿勢(脚の関節バランス)
まっすぐ立ったとき、くるぶし、ふくらはぎ、膝、太腿の一番太い部分がくっつく。
結果
- くっつく→3点
- くっつかない→0点
爪先を正面に向けて気をつけ姿勢をとったとき、左右の膝がくっつかなければO脚、くるぶしがくっつかなければX脚。どちらも脚の外側と内側の筋力のアンバランスが原因。太腿がくっつかなければ筋力不足だ。
② 筋力のチェック
脚やお尻の筋肉をきっちり使えているかどうかが最も如実に分かるのがこのテスト。ロコモティブ・シンドロームのテストとしても紹介されている片脚立ち上がりは大臀筋と大腿四頭筋、肘膝タッチは中臀筋、片脚グルートブリッジではハムストリングスと大臀筋の筋力レベルが分かる。
すべてクリアできればあなたの脚と尻はかなりハイレベル。
片脚立ち上がり(大臀筋・大腿四頭筋)
座った姿勢から片脚で立ち上がり、肩と腰を垂直にした姿勢を3秒間キープ。
レベル① 脚を組んで立ち上がる
結果
- 両脚ともできた→2点
- 片脚だけできた→1点
- できなかった→0点
レベル② 片脚で立ち上がる
結果
- 両脚ともできた→2点
- 片脚だけできた→1点
- できなかった→0点
レベル③ 床から立ち上がる
結果
- 両脚ともできた→2点
- 片脚だけできた→1点
- できなかった→0点
脚を組んで行うと軸脚の膝が伸びやすいので最も簡単。椅子から立てれば日常生活を問題なく送れるレベル。床から30cmの台から立てればジョグ、20cmならラン、10cmならジャンプが可能な筋力ということ。床から立てれば完璧。
肘膝タッチ(中臀筋)
片脚立ちで膝を上げ、同じ側の肘をくっつけて3秒間キープ。
結果
- 両脚ともできた→2点
- 片脚だけできた→1点
- できなかった→0点
上体をまっすぐにキープしたまま左右の肩の高さを変えずに3秒キープできれば中臀筋がしっかり働いているということ。どちらかできなかったら中臀筋のパワーに左右差があるので、骨盤が傾いている可能性あり。
片脚グルートブリッジ(ハムストリングス・大臀筋)
両手を上に上げて片脚でグルートブリッジの姿勢をとり、30秒キープ。
結果
- 両脚ともできた→2点
- 片脚だけできた→1点
- できなかった→0点
カラダを反らさない、お尻を落とさない、肩から伸ばした脚の踵までが一直線になるように行うのがポイント。左右の膝の高さを合わせることも忘れずに。30秒キープできなかったり、ハムが攣ったら筋力不足だ。
③ 柔軟性のチェック
脚と尻の筋力ばかりが強くてもダメ。同時に柔軟性も備えていることが機能的にも見た目的にも有利になる。
たとえばハムストリングスが硬ければお尻が垂れるし、大臀筋が硬ければ歩幅は小さくなるし、下腿三頭筋が硬ければ下半身全体の血流が悪くなる。
10点満点を取れなかったらストレッチ習慣として、できなかった種目を毎日行うべし。
四股のポーズ(ハムストリングス・内転筋)
四股のポーズで脚の間に四角形を作れる。
結果
- 作れる→2点
- 作れない→0点
きれいな四角を描くためには、脛が床と垂直で太腿が床と平行になることが条件。ここまで腰を落とすためにはハムストリングスと内転筋の柔軟性が必要。腰を落とせてもお尻が丸まったり膝が内側に入ったらNG。
片膝ハグ(大臀筋)
仰向けで膝を両手で引き寄せたとき、太腿が胸につく。
結果
- つく→2点
- つかない→0点
膝を両手で抱え上げたとき、反対側の脚をまっすぐ伸ばすことがポイント。太腿が胸にくっつけばひとまずの柔軟性を備えているということ。さらに膝が胸にくっつけばそれがベストだ。勢いをつけず、ゆっくり引き寄せよう。
ウォールスクワット(ハムストリングス・下腿三頭筋)
壁の前に立ち、タオルを持って壁に触らずフルスクワットできる。
結果
- できる→2点
- できない→0点
壁から1歩離れた場所に立って、フルスクワットを行う。しゃがんだ際に太腿が床と平行よりちょっと斜めのラインになるのが目安。ちなみに、胸椎、腰椎の柔軟性が低下しているとタオルが壁に触れてしまう。
ヒールタッチ(大腿四頭筋)
うつ伏せ姿勢になり片足の踵を上げたとき、お尻につく。
結果
- つく→2点
- つかない→0点
片足を同じ側の手で持ってお尻に近づけ、踵がお尻についたらクリア。膝は開かず、上体をまっすぐに保ったまま行うこと。踵とお尻の距離があまりにも離れていたら毎日ストレッチを。
ウォールタッチ(下腿三頭筋)
壁から拳1個分離れた場所で片膝立ちになり、膝を前に出すと壁にくっつく。
結果
- くっつく→2点
- くっつかない→0点
握った拳を縦方向に床に置き、爪先の位置を決める。片膝立ちの姿勢から膝を前に出して壁にくっついたらクリア。このとき膝を出す側の踵は床につけたままで行うこと。
④ 脂肪&筋ボリュームのチェック
見た目にダイレクトに影響するのが脂肪や筋肉のボリューム。脂肪が多すぎればもっさりした印象になり、筋肉が少なすぎれば貧弱に見える。というわけでシンプルに指で脚をつまんだり、メジャーで下半身各部の周径を測ってチェック。
筋ボリュームに関してはすべて身長との兼ね合い。クリア範囲の数値ならバランスのいい体型に見えるはず。
太腿つまみ(太腿の真ん中を指で縦方向につまむ)
結果
- 1cm未満つまめる→2点
- 1cm以上つまめる→0点
つまむ場所は脚の付け根から膝までの真ん中あたり。親指と人差し指で縦方向につまみ、厚みが1cm以上なら体脂肪がつきすぎているということ。1cm未満ならクリアで、これを前提条件とすれば次項の筋ボリュームでクリア範囲以上の数値が出てもそれは脂肪ではなく筋肉。よしとする。
尻&脚の周径を測る(±5mmの範囲内ならクリア)
周径サイズの目安は〈ワコール〉のゴールデンカノンを参考にした。女性が美しく見えるサイズバランスだが男性にも応用は可能。お尻と太腿は立ち姿勢、ふくらはぎと足首は椅子に座って計測を。
ふくらはぎの一番太い部分の周径が身長(cm)×0.2ある。
- ある→2点
- ない→0点
足首の周径が身長(cm)×0.12ある。
- ある→2点
- ない→0点
太腿の真ん中の部分の周径が身長(cm)×0.3ある。
- ある→2点
- ない→0点
お尻のトップの周径が身長(cm)×0.54ある。
- ある→2点
- ない→0点
セルフチェックの結果は?
さて、ここまで4つのジャンルのチェック結果はいかがだっただろうか。姿勢、筋力、柔軟性、ボリューム、それぞれの満点は10点。何点取れたかを割り出して上のスケールに当てはめてみよう。今の自分の脚と尻の強み、または弱点が見えてくるはずだ。
何事も“見える化”することが次のアクションのモチベーションとなる。カッコいい脚と尻を目指し、脚尻トレを実践してみてほしい。