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カラダ作りの知識を深める「ストレングス学園」。基本種目の理論から実践まで詳細に学ぶシリーズ、今回は上半身トレの定番「プッシュアップ」について。ターゲットになる主な筋肉は? プッシュアップにおける肩甲骨の望ましい動きは?
ストレングストレーニングでは、ターゲットの筋肉とその目的を明確にすることで正しい効果を得られる。キング・オブ・上半身トレとも評され、上半身の「押す」力を強化するプッシュアップで主に鍛えられるのは、答え①の大胸筋。
同じ部位はベンチプレスでも強化できるが、これがカラダの末端(=手足)が固定されないOKC(オープンキネティックチェーン)種目なのに対し、自体重を使ったCKC(クローズドキネティックチェーン)種目のプッシュアップは体幹部ごとカラダを支える必要があり、より強度が高いといえる。
その意味においても、プッシュアップで最も陥りやすいミスが腰が落ちてしまうこと。予防のためには腹にしっかり力を入れ、頭から体幹、踵までを一直線にキープすることが重要だ。
上がるときも腰を痛めないよう、へそが後からついてくるようなグニャッとした動きにならないように注意したい。
難しいようなら膝を床につけて負荷を軽くしたポジションからスタートすることが、結局は大胸筋を効率よく鍛えるための近道になる。
プッシュアップのフォームで迷う人が多いものに、腕と手の位置が挙げられるだろう。ここでは肩まわりと大胸筋との連動性に着目し、意識すべきポイントを解説していこう。
まず大胸筋に正しく刺激を入れるためには、両手は肩幅よりやや広めに開いて床につくのがスタート時の基本。そのうえで着目したいのが、手をやや外に開くことによる相乗効果だ。
このポジションから脇と肘をしっかり開いてカラダを下ろしていくと、肩甲骨に下制(=引き下げる動き)の作用が加わる。そして肩甲骨が下制するときには大胸筋が連動して働くため、鍛えるべき筋肉がしっかり使われるというわけだ。
一方で、このとき手を前に向けて脇を締め、肘を閉じて行うと刺激は上腕三頭筋に入りやすくなり、大胸筋への効果は減少することも補足しておこう。よって問いの答えは③。
下ろすときは胸を床になるべく近づけるのが理想だが、当然、負荷はそのぶん大きくなる。15~20回×3セットで限界になる程度を目安に無理なく続けられる範囲のポジションをまず見つけたうえで、徐々に負荷を上げていくといいだろう。
取材・文/オカモトノブコ イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)
初出『Tarzan』No.855・2023年4月20日発売