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カラダ作りに関する知識を深める連載「ストレングス学園」。前回に引き続き、筋トレ効果を正しく得るのに必要なトレーニングプログラムの基本原理を学んでいこう。
どれだけ良いトレーニングプログラムでも、継続的な効果を得るにはいずれ変化させる必要がある。これを「バリエーションの原理」と言い、継続を旨とするストレングストレーニングには欠かせない要素のひとつだ。
初心者の場合、トレーニングが適切なら最初は必ず相応の結果が得られるため、バリエーションは少なくて構わない。だが経験を積むと、単調なプログラムの反復だけではやがて進歩は停滞する。そればかりか筋力や神経筋活動が低下し、疲労が蓄積する「オーバートレーニング症候群」に陥る可能性さえあるのだ。
カラダを新たな刺激にさらすトレーニング変数には、強度やボリューム、種目、頻度、インターバル時間、動作速度などが挙げられる。加えてバリエーションを活かす最良の方法とされるのが、トレーニング変数を論理的・段階的に調整する「ピリオダイゼーションの原則」だ。
一般には競技パフォーマンス向上のためにアメリカで開発された手法が用いられ、トレーニングを、低負荷・高回数で行う「筋肥大期」、中程度の負荷・回数の「筋力アップ期」、瞬発的なパワー系の種目を高強度・少量で行う「筋力/パワー期」、生理的・心理的回復のために低強度かつ少量で行う「積極的休養期」のサイクルに分ける。
一般のトレーニーにも応用できるプログラムなので、ぜひ参考にしよう。よって問いの答えは②ピリオダイゼーションの原則。
科学的かつ効果的なプログラムの構成には、「漸進(ぜんしん)性の原理」も不可欠だ。トレーニングを継続すると負荷にカラダが慣れ、“以前より楽にこなせる”ときが必ずやってくる。
いかに優れたプログラムでも、修正を加えることなく無期限に繰り返すだけでは継続的な効果は得られないのだ。
こうした適応に対し、トレーニングの強度を継続的に変えるために用いるべきが「漸進性の原理」だ。
漸進とは“順に少しずつ進歩する”を意味し、簡単に言えば“難度を少しずつ上げていく”ということ。漸進性の原理は、前項で解説したバリエーションの原理とも大きく関わり、カラダに新しい刺激を加えるトレーニング変数のひとつとなる。
漸進性のために最も多く用いられる方法は、負荷やボリューム、頻度を上げること。これは前回で解説した「過負荷の原理」にも通じるものだ。
そのため、カラダの適応状態に応じてトレーニングの強度を上げることは「漸進的過負荷」と呼ばれる。よって答えは②過負荷の原理。
取材・文/オカモトノブコ イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)
初出『Tarzan』No.853・2023年3月23日発売