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筋トレメニューを組む時に意識したい4つの原理(前編)

筋トレメニューを組む時に意識したい4つの原理(前編)

カラダ作りに関する知識を深める連載「ストレングス学園」。今回から全2回にわたって、トレーニングの成果を効率よく得るための基本原理について解説していこう。

ストレングストレーニングを効果的かつ安全に行い、その目標を達成するには、トレーニング変数について検討や調整を加えながらプログラムをデザインする必要がある。同じトレーニングばかり続けていてはカラダに慣れが生じ、筋肉の発達が停滞してしまうのも大きな理由のひとつだ。

効果的なトレーニングプログラムを左右する要素には「特異性」「過負荷」「バリエーション」「漸進性」という4つの基本原理がある。

今回は前者2つ(特異性と過負荷)について解説していこう。

問1. 次のうち、トレーニングプログラムの特異性に該当しないのは?

  1. 特定の筋群
  2. 動作速度
  3. 運動強度
  4. 運動パターン

まず、プログラムの全ての基本となるのが「特異性」の原理。これは特定の目的を達成するため、特定の方法でトレーニングを行うことを指す。

そのためには、目的に即してどの筋群を狙うか、パワー系か持久系かなどのエネルギー機構動作速度筋骨格の運動パターン、また短縮性(コンセントリック)か伸張性(エキセントリック)かといった筋活動の様式を選ばなければならない。よって答えは③運動強度。

ちなみに、これは次項の過負荷で必要な要素となる。

トレーニングの特異性を適用するもうひとつに、特定の運動パターンをターゲットとする方法がある。ストレングストレーニングの動作とその運動パターンが類似していれば、その分だけ目的とする活動へ応用できる可能性が高まるからだ。

トレーニングの成果を効率よく得るための基本原理 ストレングス学園

下肢の複数の関節を連動させつつ、しゃがんで立ち上がるバックスクワット。ジャンプ力を高めたい場合に、その動作に類似した動きを含むトレーニングとなる。

問2. トレーニング強度の設定で、まず最初の前提となるのはどれか

  1. バリエーション
  2. 過負荷
  3. 漸進性

トレーニングの目的を達成するための特異性が定まったら、次に必要かつ重要な要素となるのが、適切な強度の設定である。4つの基本原理においては「過負荷」の原理がこれにあたり、問いの答えは②となる。

過負荷とは、自分が過去に経験したよりも高いトレーニングストレスや強度のこと。「オーバーロードの原理」とも呼ばれ、簡単に言えば“いつもと同じ負荷ではダメ”ということ。

この原理に従わないと、そのトレーニングプログラムで達成できる効果は十分と言えなくなる。

過負荷を適用する、つまりトレーニング強度を高めるためには一般的に、次のような方法がある。ウェイトの重量を上げる反復回数やセット数を増やすセット間の休息を短くする、週当たりのトレーニング頻度を増やすといったことだ。

このように過負荷はトレーニングプログラムに不可欠な要素だが、重要なポイントは、これを系統立てて適用すること。また、次回のテーマでもある「漸進性」と「バリエーション」の原理に従うことにもある。

トレーニングの新しい刺激に適応するためには、それなりに時間も必要だ。そのため、過負荷の原理は漸進的に、つまり順を追ってだんだんとカラダに適用させる必要がある。具体的な考え方は次回、さらに詳しく解説していこう。

取材・文/オカモトノブコ イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)

初出『Tarzan』No.852・2023年3月9日発売

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