たるみ、左右差、疲れ目…。顔まわりの悩みに「テニスボール整筋」
フェイスラインや目元のたるみ、ほうれい線、食いしばり、疲れ目など顔の悩みには、骨格の歪みの原因となる硬く縮んだ筋肉をほぐす「テニスボール整筋」がおすすめ。元凶となる筋肉をほぐし、蓄積した余分な水分や老廃物の排出も促そう。効果はすぐ出るとは限らないので、合うと感じたケア法は最低1か月は続けてみよう。
取材・文/オカモトノブコ 撮影/山城健朗 スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/村田真弓 監修/村木宏衣 イラストレーション/野村憲司、今牧良治、武久真奈(以上トキア企画)
初出『Tarzan』No.853・2023年3月23日発売
村木宏衣さん
教えてくれた人
むらき・ひろい/エイジングデザイナー。サロン〈Amazing♡beauty〉主宰。エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックを経て独自の「村木式整筋」を確立。セルフケア法を紹介する『整筋・顔体大全』(日経BP)など著書も多数。
お悩み① 顔のたるみ
ターゲットは、頰骨からつながって口角を引き上げる大頰骨筋・小頰骨筋。フェイスラインのたるみに加えて、口元のほうれい線や、目元のたるみ=通称「ゴルゴライン」も同時にケアできる。
1. 耳下のリンパをまず流しておく
耳下の窪みには、リンパが集まる耳下腺リンパ節がある。耳たぶ後ろの出っ張り(乳様突起)キワにボールを押し当て、クルクル5回×3セット。
2. 頰骨に沿って筋肉をほぐす
耳たぶの前から、頰骨沿いにボールを押し当ててクルクル小さく回し、位置をずらしながら大頰骨筋・小頰骨筋をほぐす。各5回×3セット。
3. ボールを当てて口をあぐあぐ
2.と同じ位置にボールを当てて、圧をかけたまま「あ」と口を開け「ぐ」と口をすぼめるように閉じて筋肉を動かす。位置をずらしながら、口の開閉を各6セット繰り返そう。
お悩み② 顔の左右差
頰骨と下顎の骨をつなぎ、嚙む力を生む咬筋。多くの人が無意識のうちにやっている「食いしばり」で硬く緊張し、これが顔を歪ませる原因に。ボールで左右両側をケアし、バランスを整える。
1. 最初に耳下のリンパを流す
耳たぶ後ろの出っ張り(乳様突起)キワにボールを押し当て、クルクル5回×3セット。まずは耳下に集まるリンパの流れを改善する。
2. 咬筋に沿って筋肉をほぐす
食いしばると、頰の下で硬くなるのが咬筋。ボールを筋肉に引っかけるように後方へ押し当て、外向きでクルクル小さく円を描く。位置をずらしながら各5回×3セット。
3. ボールを当てて口をあぐあぐ
2.と同じ位置で筋肉に引っかけるようにボールを後ろ方向へ押し当て、「あ」と口を開けて「ぐ」と口をすぼめて閉じる。位置をずらして、口の開閉を各6セット繰り返す。
お悩み③ 首が短い
まずは無意識の食いしばりグセで硬直しやすい首の太い筋肉=胸鎖乳突筋をほぐすのが先決。さらに鎖骨の下で硬く縮み、肩をすくませる元凶の鎖骨下筋をほぐせば、首がスッと伸びて楽になる。
1. 胸鎖乳突筋を横からほぐす
横を向くと斜めに浮き上がる胸鎖乳突筋に真横からボールで圧をかけ、手のひらで小さくクルクル回してほぐす。筋肉に沿って耳下から鎖骨まで、各部位を5回×3セット。
2. ボールを握って鎖骨下筋をほぐす
肋骨上部から鎖骨の真下を並走する鎖骨下筋がターゲット。鎖骨の下にボールを押し当て、クルクル回して各部位5回×3セット。ここではボールを握って行うと力が入りやすい。
お悩み④ 疲れ目
頭蓋骨と頸椎をつなぐ後頭下筋群は、眼球と連動して首や頭の動きを制御する微小な筋肉。目を酷使すると凝り固まりやすいため、圧をかけながら縦横に動かし、まんべんなくほぐせばスッキリ。
ボールを当てて頭を上下左右に
頭と首の境目にある窪みに片側ずつボールを当てて両手を組み、押し付けながら首を小さく縦に「ウンウン」、横に「イヤイヤ」と振り、各4回×2セット繰り返す。
頸椎まわりの筋肉
頸椎周りの筋肉はいく中にも重なっているが、顎を上げたり、首を傾けたり回したりすると、狙った筋肉にアプローチしやすい。