問1. トランクカールで主として動かすのは、背骨のどの部分?
- 頸椎
- 胸椎
- 腰椎
腹筋を強化する自体重トレの定番として名高いトランクカール。スポーツテストなどでも行われる上体起こし(=シットアップ)と見た目は近いが、実際は似て非なる種目である。
大きく異なるのは、上体の起こし具合。後者は股関節の腸腰筋も動員させて腰が浮くまで上体を起こすのに対し、トランクカールは背中を床につけた状態から、肩甲骨までを起こせばいい。
動きの目的となるのは、その名を直訳した通り“胴体を丸める”こと。これによって腹直筋が強く収縮し、シックスパックに割れた腹が育てられるというわけだ。
動きのポイントとして重要なのは、へそやみぞおちを覗き込むように胸椎から上体を丸めていくこと。腰椎がこれに続くが、前述の通り腰を浮かす必要はないため、動きの主となるものではない。
また反動を使うのは論外だが、よくある間違いが、手に力を入れて巻き上げるように起き上がること。スタートポジションで頭を浮かせても差し支えなく、頸椎が動きに影響することはない。よって答えは②胸椎。
目的は頭部ではなく上体を丸めること、とまずは肝に銘じておきたい。
問2. トランクカールにおける呼吸のタイミングで正しいものは?
トランクカールの実践においては、呼吸との連動も重要なポイントだ。
大きな理由に、トランクカールの動作で主となる胸椎の屈曲・伸展が、呼吸によって働く横隔膜の動きに深く関与することがある。以下、トレーニングの順序とともに解説しよう。
まず、仰向けで膝を90度くらいに曲げた姿勢から、へそやみぞおちを覗き込むように胸椎を丸めていく。ここで意識すべきは、吐く息でリードするように上体をゆっくり上げていくこと。呼吸に合わせて横隔膜や肋骨間の筋肉が収縮することで、胸椎のよりスムーズな動きが引き出されるのだ。
その際に効果を発揮するのが、口を小さく開けて行う「口すぼめ呼吸」。細く長く吐くこの呼吸法によって、トランクカールの初動で特に多く発生するカラダの力みも回避できる。
戻るときは鼻で息を吸いながら、背骨をひとつずつ床につけるように上体をゆっくり下ろす。頭が床から少し浮いたスタートのポジションに戻ったら、15~20回ほど繰り返そう。
問いの答えは②となり、胸椎・横隔膜・肋骨の連動によって、普段の呼吸も深く楽になっていくはずだ。
トランクカールは先述の通り、実践中の力みが特に発生しがちな種目だ。首を緊張させて痛めるケースも少なからずある。これを回避するポイントは、10割でなく6~7割の力加減で行うように意識すること。
途中でキツくなったら上体を無理に上げる必要はなく、ここでも呼吸に意識を向けることがフォームの改善につながる。腹直筋に入る刺激を“効いている”バロメーターと考えよう。