できなくて当たり前!? 体操選手でもキツい究極の懸垂3種目
ただでさえ正しいフォームで回数をこなすのが難しい懸垂。だが、世の中にはさらに異次元のスーパー・ケンスイが存在する。今回は体操選手として全国大会で3位の経験を持ち、マルチパフォーマーとして活躍する足立大樹さんに究極の懸垂技3つを実践してもらった。これができれば公園懸垂のスター間違いなし。
取材・文/鈴木一朗 撮影/小川朋央 編集/堀越和幸 監修/清水忍(IPF代表) 撮影協力/ReBoot辰巳 https://reboot-gym.com/
初出『Tarzan』No.846・2022年11月24日発売
究極の懸垂3種目
正しいフォームで懸垂10回ができる人は背面の筋肉はバッチリ鍛えられているし、後ろ姿にも自信を持っていい。
が、上には上の技もあることぐらいは、知っておいても悪くない。もちろん、チャレンジ精神旺盛な人なら、試してもらってもかまわない。ここでは、究極の懸垂を3つ紹介したい。
ひとつがワイパー。カラダを引き上げると同時に脚を前方へと伸ばし、それを左右に傾ける。次にアーチャープルアップ。ほぼ片腕懸垂。最後がフロントレバー。カラダを一直線にして、床と平行になるまで引き上げる。
実践してもらったのは、マルチパフォーマーとして活躍中の足立大樹さん。体操選手として2011年の全日本ジュニア選手権種目別吊り輪で3位に輝いた。
彼なら楽勝でできると、お願いしたのだが「いや、これは体操選手でもキツいですよ」と、苦笑。素人はできなくて当たり前。
でも、もしできたらアナタは公園懸垂でスターになれる!
実演してくれた人
足立大樹さん/あだち・ひろき 得意種目は吊り輪。フランスのダニー・ロドリゲスが開発した吊り輪技ロドリゲスを日本人で唯一得意技にしていた。2018年よりアクロバットミュージカル『サムライ・ロック・オーケストラ』に出演している。
究極の懸垂① ワイパー
手幅を決め、鉄棒のバーを握る。肘を曲げてカラダを引き上げ、同時に脚を股関節から曲げて、前方へとまっすぐに伸ばす。体幹をひねり、脚が床と平行になるよう、ゆっくりと倒す。元に戻したら、今度は逆側へと倒す。
究極の懸垂② アーチャープルアップ
手幅を決めてバーを握る。左右どちらかの腕に体重を乗せ、肘を曲げてカラダを引き上げる。もう一方の肘は、ほとんど曲げない。引き上がったら、今度は曲げた肘を伸ばし、逆側の肘を折って、折った側へと体重を移す。
究極の懸垂③ フロントレバー
手幅を決めてバーを握る。力を抜いてぶら下がった状態から、肩を支点にして、カラダを一直線に保ったまま、床と平行になるまで前方に上げる。このスゴ技は背面だけでなく、全身の筋肉が強くないとできない。