座りすぎで機能低下した股関節をケア
立って行う動きにほぼ必ず関わっているのが、脚の付け根の股関節。その動きを制御する筋肉は、下半身の背面に集まる。
だが、運動不足で坐っている時間が長いと、こうした筋肉が弱く硬くなり、大切な股関節が機能不全に陥る。スポーツやトレーニングはもちろん、日常生活にも悪影響が及ぶ。筋肉だけでなく、股関節周囲の靱帯などもケアしよう。
紹介するトレーニングのやり方
- エクササイズは順番通りすべて行う。
- どこを鍛えているかを確認して意識する。
- 所定の回数がようやくこなせるスピードでゆっくり行う。
① 4の字スクワット
回数:左右各10回×3セット
ターゲット:大臀筋、中臀筋、深層外旋六筋
両手を腰に添えてまっすぐ立つ。片脚の膝を曲げ、数字の4を作るように、足首の外側を軸脚の膝の上につける。背すじを伸ばして胸を張る。
お尻を後ろに引きながら、股関節から上体を前に倒してしゃがみ、踵で床を強く押して戻る。左右を変えて同様に行う。
背中を丸めないで上体を倒すと股関節が使える。上体が起きたままでは、膝の単なる屈伸運動になってしまう。
② 卍スクワット
回数:左右各10回×1〜2セット
ターゲット:股関節の動的ストレッチ
床に坐り、左膝の外側と右膝の内側をそれぞれ床につけて倒す。「卍」を作るように、両膝を90度曲げる。両手を胸の前で組み、背すじを伸ばして胸を張る。
上体を床と垂直に保って膝立ちになり、ゆっくり元に戻る。左右を変えて同様に行う。
両膝を深く曲げすぎると、膝のストレスになり、トレーニング効果もダウンする。
③ Rランジ
回数:左右各30秒キープ×1〜2セット
ターゲット:股関節の靱帯のストレッチ
両足を揃えて立つ。左足を斜め後ろに引いて股関節を伸展。さらに、膝を内側に向けるように、股関節を内向きに内旋させる。
左手を腰(大転子)に当てて右側に押し込みながら、両膝を曲げて深くしゃがみ、30秒保つ。右腕は体側で下げる。左右を変えて同様に行う。
④ レッグ・エクステンション
回数:10回×1〜2セット
ターゲット:ハムストリングスのストレッチ
仰向けになり、両膝を揃えて膝を軽く曲げ、股関節を曲げて太腿を床と垂直にする。お尻の穴を床に向けるように、骨盤を前傾させて、太腿の付け根に棒(細身の伸縮ポールなど)を置く。
両腕は体側で「ハ」の字に開いて上体を安定させる。棒を動かさないように骨盤の前傾を保ったままで、膝を伸ばしてハムストリングスをストレッチする。
骨盤の前傾が崩れて後継すると、ハムが十分に伸びにくい。棒がお腹の方へ転がったら、骨盤が後傾した悪いサイン。