壁さえあればどこでもできる、お腹を絞る「ゆる運動」
お腹まわり(=浮き輪ゾーン)を絞ると聞いてパッと思いつくのがフッキン運動。でもこれ、未経験者にとっては意外と高ハードル。そこで提案したいのが“ゆる運動”。フッキンほどキツくなく、下腹、脇腹、下背部と鍛え分けができる動きを8つ用意した。今回は浮き輪ゾーンをまんべんなく刺激できる壁を使った“ゆる運動”を紹介。
取材・文/黒田創 撮影/小川朋央 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾 監修/神戸貴宏
初出『Tarzan』No.829・2022年3月10日発売
部位を意識すれば「ゆる運動」でもOK
「それほどハードなトレーニングじゃなくても、浮き輪ゾーンの筋肉を鍛え、緩やかに浮き輪ゾーンを解消していくことは十分可能です」そう話すのはトレーナーの神戸貴宏さんだ。
浮き輪ゾーンの贅肉とは?
浮き輪ゾーンとは、ヘソと左右の腰骨との間を中心に、腰まわりを贅肉が帯状にグルリと一周する部分(写真上の色で示した部分)。内部には内臓脂肪が溜まり、外側を皮下脂肪が腰まわりを一周するように囲み、溜まった体脂肪が、浮き輪をハメているように見えることから名付けた。
「浮き輪対策で鍛えたい場所は明確で、おおまかにはおへその下側にあたる“下腹”に、“左右の脇腹”、それから背中の下側の“下背”と呼ばれる部位の3つです。
具体的に見ると、下腹は腹横筋の下部線維という部位や腹直筋の下部が相当します。脇腹は腹斜筋という筋肉が相当します。そして下背は、脊柱起立筋の中で最も大きな最長筋と呼ばれる筋肉と、腰方形筋と呼ばれる筋肉がそれにあたります。
これらは日常動作においてはあまり使われる機会がなく、ゆえに浮き輪ゾーンができやすくなってしまう。逆に言えば、ちょっと部位を意識して動いてみるだけで簡単に刺激できるというわけです」(神戸さん)
そこで提案するのが「ゆる運動」。家にあるものを使った、ごく簡単な8種類の中から、今回は壁さえあればできる「ウォールクライマー」を紹介する。
浮き輪マークで示した部位を意識しつつ、ポイントを押さて、今日からさっそく始めよう。
壁を使って浮き輪ゾーン全体を絞る
壁を使った膝上げ運動、ウォールクライマー。壁に手をつくことで姿勢を楽にし、脚の動きに集中できるのがポイント。
「上半身の姿勢を崩すことなく、上げた膝をさまざまな方向に動かすことで下腹、脇腹、下背をまんべんなく刺激できます。膝はしっかり腰の高さに上げ、内側から外側に開くときは、背骨から膝を動かすつもりでやってみましょう。そうするとしっかり浮き輪ゾーンの筋肉に効かせることができます」(神戸さん)
ウォールクライマー(左右10回)
ココに効く!:下腹・脇腹・下背
やり方:
- 壁を正面にして立ち、壁に手をつき腕を伸ばす(※キツければ肘を曲げてもOK)。
- 踵を軽く上げる。
- 左膝を右上に高く上げ、
- そのまま左に大きく開き、足を下ろしてフィニッシュ
- 10回連続でやったら逆脚も同様に。
膝の動きで姿勢が崩れないようガンバ!