大豆イソフラボンがダイエットにいい理由
食事を減らせば痩せる!は大正解だけれど、それだとツラいのも事実。贅肉の浮き輪(=お腹まわりの脂肪)を取るには、普段の食事に栄養・機能をプラスする「足す食事」を取り入れたい。今回は、脱・贅肉浮き輪に効く栄養素・イソフラボンを解説。
取材・文/井上健二 撮影/大嶋千尋 スタイリスト/西森萌 監修・料理作製/河村玲子
初出『Tarzan』No.830・2022年3月24日発売
浮き輪ゾーンの贅肉とは?
浮き輪ゾーンとは、ヘソと左右の腰骨との間を中心に、腰まわりを贅肉が帯状にグルリと一周する部分(写真上の色で示した部分)。内部には内臓脂肪が溜まり、外側を皮下脂肪が腰まわりを一周するように囲み、溜まった体脂肪が、浮き輪をハメているように見えることから名付けた。
ダイエットというと、これまではカロリーや食事量を減らす「引く食事」が主流だった。でも、カロリーや食事量を減らす食生活は窮屈だし、辛くて長続きしない。
そこで脱・浮き輪のためにぜひ取り入れたいのは、贅肉を落とすために欠かせないものをプラスする「足す食事」(詳しくはこちらの記事:本気で痩せたいなら食事にタンパク質をプラスすべき理由)。
今回は足したい9つの栄養素と機能性成分の中から、イソフラボンについて解説。
イソフラボンはインスリン感受性を高める
大豆や、豆腐・納豆などの大豆食品に含まれる機能性の高い成分に、イソフラボンがある。別名、植物性エストロゲン。女性ホルモンのエストロゲンに似た性質があり、閉経後にエストロゲン分泌量が減る女性の健康管理に役立つ。
そう聞いても男性はピンと来ないかもしれないが、イソフラボンには新たな御利益も発見されている。それがインスリン感受性の改善。こちらは女性はもちろん、男性にとってもダイエットに大いにプラス。
インスリンは、膵臓から分泌されるホルモン。血糖値を下げる働きがある。太った人では、このインスリンの効き目≒感受性が落ちる「インスリン抵抗性」が起こっており、それが肥満&浮き輪体質から抜け出せない理由の一つになっている。
インスリン感受性を高めて脱・肥満ループ
なぜインスリンの効き目が悪いと、太りやすいのか。
インスリンは血糖値を下げると同時に、脂肪細胞での体脂肪の分解にブレーキをかけ、体脂肪の合成を促進する。このため、肥満ホルモンという不名誉なあだ名も付いている。
インスリンの効き目が悪いと、血糖値を下げるために、カラダはインスリンを余計に出そうとする。質の低下を量でカバーする作戦に出るのだ。すると、インスリンの肥満ホルモンとしての振る舞いが仇となり、太りやすくなるというワケ。
イソフラボンでインスリン感受性が上がり、インスリンが適量でよく効くようになれば、肥満が抑えられる。この他、イソフラボンには、いわゆる悪玉コレステロールを減らし、血中の脂質代謝を正常に近づける作用もある。
イソフラボンの有効性は、腸内細菌によってアップすることが知られている。大豆や大豆食品には食物繊維が含まれており、腸内細菌を元気にしてくれるから、一石二鳥だ。