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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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足の健康のため、足が支えるカラダの健康のためにも、足にフィットし、日常の立つ・歩くといった動作に適したシューズを選ぶことが大切。合わない靴を履くとどうなるの? 自分の足に合う靴の選び方とは?
アシックススポーツ工学研究所の市川将さんによれば「日本人の多くは、自分の足にフィットしたシューズを選べていない」という。
靴は基本的に毎日身につけるもの。フィットしているかどうかは、カラダのパフォーマンスに大きく影響するにもかかわらず、正しい選び方を学ぶ機会はほとんどない。そもそも、自分の足長や足囲を計測したことがないという人も多いのではないだろうか。
正確なサイズが分からず、どのような状態を「足に合っている」といえるのかを理解していなければ、本当にフィットするシューズを選ぶのは難しい。実際に足を計測し、プロに靴を選んでもらうと、フィットしていると思い込んでいた靴が、実はそうではなかったというのはよくあることなのだ。
当たり前だが、足の形は千差万別。たとえ長さが同じだったとしても、足幅・甲の高さ・アーチの形状は異なる。まずは、自分の足を知ることがフィットする靴選びの第一歩といえる。
幅広の足だと思っていた人が、足囲を計測したら標準値だったなんてことはよくある話。足は、運動や日常生活の積み重ねによって、加齢とともに変形する。5年前にフィットした靴が、今も自分の足に合うとは限らない。健康診断を行うように、定期的に足のサイズを計測することがベターだろう。
靴が足に合っているかどうかの判断基準は、感覚によるところも大きい。最低限チェックするポイントとして、「踵と甲がホールドされている」「爪先に1㎝弱の余裕がある」といった基本はあるが、ショップに足を運び、専門のスタッフに一度確認をしてもらおう。
足に合うシューズを選ぶことができれば、パフォーマンスアップや、カラダに起こるトラブルの解消も見込める。より歩きたいという気持ちも芽生えるはずだ。
自分のサイズを知り、足に靴が合っている状態を理解することが重要。ウォーキングや日常生活で履く靴と、競技用シューズが異なることも確認しておこう。
“走る”“歩く”という動作は、似ているようで異なる。速度によるが、ランニングは着地時に体重の2〜3倍の負荷がかかる。一方で、ウォーキングの場合は体重の1.2〜1.5倍程度。それゆえランニングシューズの方が、クッション性の重要度が増す。
フレキシビリティが求められるのは、ウォーキングシューズ。ランニングの場合は、着地衝撃を推進力に変えながら弾むように進むが、ウォーキングでは前足部を屈曲させてしっかりと蹴り出す必要があるからだ。
適したサイズの目安は、足長のプラス約1cm。靴を履いたときに指先に1cm弱の余裕があるのが望ましい。歩く動作の際に、指をしっかりと動かして使うためのスペースが必要となる。
踵と甲はしっかりホールドされて、足が前にずれたりしないものが望ましい。脱ぎ履きがしやすかったとしても、踵と甲が緩いものは選ばないように。
もちろん足幅に対してキツすぎるシューズもよくない。ボールジョイントと呼ばれる足の屈曲部(MP関節)が正しく動かせなくなってしまうからだ。
体型が変化するように、足の形やサイズも加齢とともに変わっていくもので、男女ともに足幅は広がる傾向にある。まずは、現在の自分の足を正確に把握することが大切だ。サイズ計測をしてくれるショップを訪れるのがベストだが、最近ではアプリなどを利用してサイズを確認することも可能だ。
サッカーやフットサルの経験者は、ボールを操る感覚を求めるため、キツめのサイズを好む傾向があるよう。主観はあてにしすぎないことも大切。
足にフィットしていない靴は、さまざまなトラブルの原因に。足の小指が変形する内反小趾や、親指が変形する外反拇趾はその代表例。
特に小指は合わない靴を履くと容易に変形してしまうので注意が必要だ。足の指が曲がったままになってしまうハンマートウも、サイズ選びの間違いで起こるもの。
これらのトラブルは足に痛みをもたらすだけではない。足指が上手く使えなくなることで、カラダのバランスを崩すことにも繫がる。不良姿勢、膝痛・腰痛、骨盤の歪み、O脚・X脚、捻挫癖などのトラブルが、足の変形に起因していることもあるので注意しよう。
また、シューズの屈曲溝や、サポートパーツなどは、着用者が適切なサイズを選ぶ前提で位置が決められている。サイズ選びが間違っていたら、シューズが持っている機能が正しく発揮されないということも覚えておこう。
取材・文/神津文人 イラストレーション/Hi there 取材協力/市川将(アシックススポーツ工学研究所)
初出『Tarzan』No.828・2022年2月24日発売