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さまざま病気のリスクとなる「食後高血糖」を回避するために、血糖値コントロールの基本的なルールを会得しよう。キーワードは北里研究所病院の山田悟先生が提唱する「ロカボ®」。緩やかな糖質制限で健康的に続けられる食事法だ。今回は8つのルールのうちの⑥、「隠れ糖質」について。
主食の糖質は20〜40gの範囲にしっかり収めているのに、なぜか血糖値の改善が見られない。その理由はひょっとして、日々の食卓に潜む「隠れ糖質」を見逃しているせいかもしれない。
腸内環境のためと思って積極的に食べていたあの食材、手軽に摂れるタンパク質だと信じて常備していたあの食材、健康によかれと思って口にしていたあの食材、食感や風味を増す脇役として重宝していたあの食材にも実はバカにならない量の糖質が含まれていた、なんてこともある。
塵も積もれば山。ロカボ食の成果を存分に得るためには、最低限の知識が不可欠。隠れた糖質を見破る選択眼を養おう。
芋やカボチャは野菜だと思っている人、案外少なくない。野菜の中にはトマトやニンジンなど比較的糖質が多く含まれているものもあるが、こちらはトマトジュースやニンジンスープなど単品でたっぷり口にしない限りはそれほど極端に避けなくてもよし。ただ、芋やカボチャは主食としてカウントすべし。
豚肉100gに含まれている糖質は0.3g以下。これに対してウィンナーソーセージ100gには糖質が約3g含まれている。その理由は加工肉に砂糖やブドウ糖が配合されているから。同じ理由で魚肉ソーセージ100gには糖質が10g以上含まれている。加工肉や練り物は手軽で便利な一方、要注意食品だ。
豆はヘルシー。だけどタンパク質補給源の大豆以外の豆、レンズ豆やひよこ豆などは糖質の宝庫。はちみつもヘルシー。だけどこちらも大さじ1杯におよそ18gの糖質が含まれている。パンにたらりとかけたら、それでもうアウト。雑穀や春雨もヘルシーなイメージが強いが、どちらも糖質を含む立派な主食。
ごはん少なめのミニオムライスにケチャップをたっぷり。これはかなり危険。ケチャップ大さじ1には約4gの糖質が含まれている。中濃ソースはさらに多くて、約5.5gの糖質が。調子に乗って何にでもかけすぎると、その分糖質が上乗せされるので注意。中華のあんかけのあんも糖質食品の片栗粉。油断禁物。
取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗 スタイリング・栄養監修/田村つぼみ 取材協力/山田悟(北里大学北里研究所病院糖尿病センター長)
初出『Tarzan』No.822・2021年11月11日発売