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口から入る食べ物はすべて薬になる。これが東洋医学の「薬食同源」という考え方。その知恵を生かした薬膳料理で、カラダを温め血行を促進させよう。
パン・ウェイさん/北京生まれ。「季節と身体」をテーマに四季に沿った食生活を提案。主宰する中国家庭料理、薬膳料理、中国茶の教室には全国から健康に関心の深い人々が集まる。www.pan-chan.com
口から入る食べ物はすべて薬になる。これが東洋医学の「薬食同源」という考え方。その知恵を生かした薬膳料理は自律神経を調えるのに最適の食事法。まずは、カラダを温め血液の循環を促すことが大事、と薬膳料理研究家のパン・ウェイさん。
「中国では昔から、病気になりたくなかったら、お肉、魚、卵、豆類を食べなさいと言われていました。今の栄養学でいうタンパク質食材です。小腸から吸収されたタンパク質が免疫力を高め、肝臓を元気にするという意味だったと考えられます」(パン・ウェイさん)
小腸と肝臓を元気にするタンパク質食材は辛味や酸味のある調味料、香りの強い薬味でいただく。
「辛味や酸味は体温を上げて新陳代謝を高めます。香りは脳に働きかけて神経をリラックスさせます。また、脳と腸は相関していますので、食物繊維や発酵食品、便の滑りをよくする油脂も必須です」(パン・ウェイさん)
パンさんおすすめの肉、魚、豆腐、いつもの食材で簡単にできる薬膳料理3種。美味しく食べて調えよう。
焼き肉用の牛肉150gをニンニク、生姜、ネギという辛味と香りを効かせた薬味と和え、ごはんにオン。さらに薬味ダレを追いがけしていただく。付け合わせには発酵食品のキムチをどっさり。脳もお腹も大満足の一品だ。
じっくりコトコト煮込んだ豆腐、に見えるけれど調理時間はわずか10分。オイスターソースが豆腐のすみずみに染み渡ったひと皿の完成。香り高いネギとピリリと辛い生姜のダブル薬味が体温を上げて代謝をアップ。
血をきれいにする青魚の働きで脳をリフレッシュ。さらに酢の酸味にはリンパの働きを促し、解毒を助ける働きがあるので、自律神経のバランス調整にひと役買う。とどめに豪快に盛った大葉の香り効果で、脳はすっかりリラックス。
薬膳の基本的な考え方のひとつが、「一日の食事で五色を食べる」というもの。5色とは、緑、赤、黄、白、黒のことで、万物を5つの要素に分ける「五行思想」に基づいている。1日の食事でこの5色をカバーすることで、栄養面での充足はもちろん、カラダや心の健康維持に繫がるという考え方だ。
色別の代表的な食材は左に示した通り。たとえば、朝に卵と野菜サラダを食べたら、昼は牛肉の炒め物、夜は白身魚と海藻類の副菜。これで1日5色をカバーすることができる。
外食や中食が多いという人も、色に着目してメニューを組み立てれば自律神経のバランス調整に役立つはず。
緑/ホウレンソウ、小松菜、キュウリ、枝豆、ブロッコリーなど
赤/赤身肉、マグロ、鮭、ニンジン、トマト、唐辛子など
黄/卵黄、カボチャ、大豆、トウモロコシ、生姜など
白/白米、白身魚、鶏肉、イカ、玉ネギ、ニンニクなど
黒/海苔、昆布、椎茸、ナスの皮、ゴボウ、黒ゴマなど
取材・文/石飛カノ 撮影/谷尚樹 編集/阿部優子
初出『Tarzan』No.821・2021年10月7日発売