走るのが辛いなら歩けばいい! 4週間で仕上げる「ウォーキングトレ」
いきなり走るのはハードルが高いなら、歩くことからスタート。体幹の筋肉を総動員するとラクに歩けるようになり、あら不思議、4週間後には自然と走りだしているというマジックが。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 トレーニング監修/神戸貴宏(BodyDesignStudioASK)
初出『Tarzan』No.820・2021年10月7日発売
体幹を総動員するとラクに歩ける
走りたいのに、思うように走れない。そういうタイプは急がば回れ。焦らずウォーキングから始めよう。意識すべきは、ズバリ体幹の捻りだ。
「体幹を貫く体軸を中心に、骨盤と肩甲骨を捻り、捻りを推進力に変えて歩けるようになると、脚に負担をかけないスムーズな走りへと移行できます」(神戸貴宏トレーナー)
今回は4週間メニュー。毎週2種の体幹トレをウォームアップ時に行ってからウォーク。1週ごとにレベルアップし4週目にジョギングへつなげる。その先にランが待っている。
1週目|下半身の動きを整える
1週間目のメニュー(週1〜2回)
- ヒップジョイント・ローテーション
- ワイドランジ・ウォーク
- ウォーキング3km
ランの主役となるのは下半身。まずはその動きを整えながら歩き始めよう。ポイントは、骨盤と股関節。
骨盤が動かないと、股関節の屈曲(脚を上げる動き)と伸展(脚を後ろに伸ばす動き)だけになりがち。だが体軸を中心に骨盤を捻ると、脚の根元の股関節を外向きに回す外旋、内向きに回す内旋が使える。
それで参加する筋肉が増えてストライドも伸び、ラクに動けるように。歩くときのペースは時速5km前後で1回3kmを目安にして。
2週目|上半身の動きを整える
2週間目のメニュー(週2〜3回)
- IV+WOアームスイング
- クロール・アームスイング
- ウォーキング4km
次に目を向けたいのは、上半身。デスクワーク続きで猫背だと、肩甲骨が固まり腕振りが小さくなる。
だが、走るときは、腕を前に振ると肩甲骨が背骨から離れる外転が起こり、腕の骨(上腕骨)が外向きに捻られる外旋が生じる。同時に、反対の腕を後ろに引くと、肩甲骨が背骨に近づく内転が起こり、上腕骨が内向きに捻られる内旋が生じる。
この連続で体幹を鋭くツイストする動きを覚えると、走力が培われる。歩く距離も頻度もマシマシで。
3週目|下半身と上半身を連携させる
3週間目のメニュー(週2〜3回)
- サイドクロス・ウォーク
- インライン・バックウォーク
- ウォーキング6km(最終日は半分以上を速歩にする)
1週目は下半身、2週目は上半身にフォーカスしたが、本来ランは下半身と上半身をリンクさせる運動。両者の連携が、3週目のテーマだ。
サイドクロス・ウォークは上半身、インライン・バックウォークは下半身を活性化。ことに後者は、体軸のツイストで、前方への推進力をブーストする内転筋群と腸腰筋に効く。
動きが効率化するので、足はどんどん速まる。最終日は計3km以上の速歩(通常の歩行が時速5km前後なら時速6km程度)を交えたい。
4週目|ウォーキングからジョグへ
4週間目のメニュー(週3日)
- 腹筋ツイスト・ウォーク
- ヒール・ウォーク
-
1日目|ウォーキング2km+ジョグ1km
2日目|ウォーキング1km+ジョグ2km
最終日|ジョグ3km
最終週は、体幹ツイスト・ウォークで体軸の捻りを利かしてペースアップ。3週目最後の速歩をさらに速めると、時速7〜8kmを境に自然にジョグへと移行できる。この速度を境に、走った方がラクになるからだ。
ジョグも遅いうちは、踵着地になりやすい。歩行からジョグへ無理なくスイッチするために、ヒール・ウォークを。速度が上がると徐々に、足裏全体での着地へ移行する。
3kmジョグができたら、その後は1週に1kmずつ距離を延ばそう。