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走るのが辛いなら歩けばいい! 4週間で仕上げる「ウォーキングトレ」

いきなり走るのはハードルが高いなら、歩くことからスタート。体幹の筋肉を総動員するとラクに歩けるようになり、あら不思議、4週間後には自然と走りだしているというマジックが。

体幹を総動員するとラクに歩ける

走りたいのに、思うように走れない。そういうタイプは急がば回れ。焦らずウォーキングから始めよう。意識すべきは、ズバリ体幹の捻りだ。

「体幹を貫く体軸を中心に、骨盤肩甲骨を捻り、捻りを推進力に変えて歩けるようになると、脚に負担をかけないスムーズな走りへと移行できます」(神戸貴宏トレーナー)

今回は4週間メニュー。毎週2種の体幹トレをウォームアップ時に行ってからウォーク。1週ごとにレベルアップし4週目にジョギングへつなげる。その先にランが待っている。

1週目|下半身の動きを整える

1週間目のメニュー(週1〜2回)
  1. ヒップジョイント・ローテーション
  2. ワイドランジ・ウォーク
  3. ウォーキング3km

ランの主役となるのは下半身。まずはその動きを整えながら歩き始めよう。ポイントは、骨盤股関節

骨盤が動かないと、股関節の屈曲(脚を上げる動き)と伸展(脚を後ろに伸ばす動き)だけになりがち。だが体軸を中心に骨盤を捻ると、脚の根元の股関節を外向きに回す外旋、内向きに回す内旋が使える。

それで参加する筋肉が増えてストライドも伸び、ラクに動けるように。歩くときのペースは時速5km前後1回3kmを目安にして。

ヒップジョイント・ローテーション(右へ10歩、左へ10歩)

ヒップジョイント・ローテーション

  1. 両足を腰幅に開いて立つ。
  2. 両手を腰に添え、胸を張る。
  3. 左右の爪先を外側に向ける(股関節の外旋)。
  4. 右方向へ移動しながら、左右の爪先を内側に向ける(股関節の内旋)。
  5. 一本のライン上を移動し、前にも後ろにもズレない。

ワイドランジ・ウォーク(左右各10歩)

ワイドランジ・ウォーク

  1. 両足を腰幅に開いて立ち、左右の爪先を正面に向ける。
  2. 両手を腰に添え、胸を張り、上体を床と垂直にキープ。
  3. 左足を大股1歩分前に踏み出す(左脚の股関節が外転・外旋)。
  4. ヘソ(骨盤)と胸を右側に向ける。
  5. 右脚の股関節は外転・内旋。
  6. 同じように右足を大股1歩分前に踏み出す。

2週目|上半身の動きを整える

2週間目のメニュー(週2〜3回)
  1. IV+WOアームスイング
  2. クロール・アームスイング
  3. ウォーキング4km

次に目を向けたいのは、上半身。デスクワーク続きで猫背だと、肩甲骨が固まり腕振りが小さくなる。

だが、走るときは、腕を前に振ると肩甲骨が背骨から離れる外転が起こり、腕の骨(上腕骨)が外向きに捻られる外旋が生じる。同時に、反対の腕を後ろに引くと、肩甲骨が背骨に近づく内転が起こり、上腕骨が内向きに捻られる内旋が生じる。

この連続で体幹を鋭くツイストする動きを覚えると、走力が培われる。歩く距離も頻度もマシマシで。

IV+WOアームスイング(10回)

IV+WOアームスイング

  1. 両足を腰幅に開いて立ち、左右の爪先を正面に向ける。
  2. 胸の前で「I」を作るように左右の肘と前腕をくっつける(肩甲骨の外転)。
  3. 肘をくっつけたまま、「V」を作るように左右の前腕を開く(上腕骨の外旋)。
  4. 「W」を作るように肘を曲げて後ろに引き、左右の肩甲骨を寄せる(肩甲骨の内転)。
  5. 肩甲骨を寄せたままで肘の高さを保ち、「O」を作るように手を下げる(上腕骨の内旋)。
クロール・アームスイング(左右各10回)

クロール・アームスイング(左右各10回)

  1. 両足を腰幅に開いて立ち、左右の爪先を正面に向ける。
  2. クロールで水をキャッチするように、右腕を前に伸ばして肩を出す(肩甲骨の外転、上腕骨の外旋)。
  3. クロールで水を後ろにかくように、左の肘と肩を後ろに引く(肩甲骨の内転、上腕骨の内旋)。
  4. 左右を変えて交互に行う。

3週目|下半身と上半身を連携させる

3週間目のメニュー(週2〜3回)
  1. サイドクロス・ウォーク
  2. インライン・バックウォーク
  3. ウォーキング6km(最終日は半分以上を速歩にする)

1週目は下半身、2週目は上半身にフォーカスしたが、本来ランは下半身と上半身をリンクさせる運動。両者の連携が、3週目のテーマだ。

サイドクロス・ウォークは上半身、インライン・バックウォークは下半身を活性化。ことに後者は、体軸のツイストで、前方への推進力をブーストする内転筋群と腸腰筋に効く。

動きが効率化するので、足はどんどん速まる。最終日は計3km以上の速歩(通常の歩行が時速5km前後なら時速6km程度)を交えたい。

サイドクロス・ウォーク(左右交互に各10歩)

サイドクロス・ウォーク(左右交互に各10歩)

  1. 両足を腰幅に開いて立ち、左右の爪先を正面に向ける。
  2. 両腕を床と平行に左右に広げ、手のひらを正面に向ける。
  3. 右脚とクロスするように、左脚を前に出す(左脚は外旋、右脚は内旋)。
  4. 左右の爪先は正面に向けたままにする。
  5. 胸を正面に向け、両腕をまっすぐ保つ(左の肩甲骨は内転、右の肩甲骨は外転)。
  6. 右脚を右側へ出してスタート姿勢になり、右脚とクロスするように左脚を後ろに出す(左脚は内旋、右脚は外旋)。
  7. この繰り返しで右へ10歩歩いたら、左脚とクロスするように右脚を動かして左へ10歩。
インライン・バックウォーク(左右交互に各10歩)

インライン・バックウォーク(左右交互に各10歩)

  1. 両足を腰幅に開いて立ち、左右の爪先を正面に向ける。
  2. 両腕を床と平行に左右に広げ、手のひらを正面に向ける。
  3. 左足を大股1歩分後ろに踏み出す(左脚の股関節は外転・外旋)。
  4. ヘソ(骨盤)を左側に向ける。
  5. 右脚の股関節は外転・内旋。
  6. 両足の爪先を正面に向ける。
  7. 同じように右足を大股1歩分後ろに踏み出す。

4週目|ウォーキングからジョグへ

4週間目のメニュー(週3日)
  1. 腹筋ツイスト・ウォーク
  2. ヒール・ウォーク
  3. 1日目|ウォーキング2km+ジョグ1km
    2日目|ウォーキング1km+ジョグ2km
    最終日|ジョグ3km

最終週は、体幹ツイスト・ウォークで体軸の捻りを利かしてペースアップ。3週目最後の速歩をさらに速めると、時速7〜8kmを境に自然にジョグへと移行できる。この速度を境に、走った方がラクになるからだ。

ジョグも遅いうちは、踵着地になりやすい。歩行からジョグへ無理なくスイッチするために、ヒール・ウォークを。速度が上がると徐々に、足裏全体での着地へ移行する。

3kmジョグができたら、その後は1週に1kmずつ距離を延ばそう。

腹筋ツイスト・ウォーク(左右交互に各10歩)

腹筋ツイスト・ウォーク(左右交互に各10歩)

  1. 両足を腰幅に開いて立ち、左右の爪先を正面に向ける。
  2. 右足を1歩前に出す。
  3. 右腕を後ろに引き、左腕を前に振る。
  4. 胸を正面に向けたまま、内・外腹斜筋をツイストさせて、ヘソ(骨盤)を左側へ向ける(右脚の股関節は外転・外旋)。
  5. 左足の爪先を正面に向ける(右脚の股関節は外転・内旋)。
  6. 歩くときのように次は左足を前に出し、左右交互に続ける。
ヒール・ウォーク(左右交互に各10歩)

ヒール・ウォーク(左右交互に各10歩)

  1. 両足を腰幅に開いて立ち、左右の爪先を正面に向ける。
  2. 背すじを伸ばして胸を張る。
  3. 左足を1歩前に出し、踵で着地。足首を90度曲げる。
  4. 左腕を後ろに引き、右腕を前に振る。
  5. 右足は爪先立ちになる。
  6. 足首を90度曲げたまま、左足に荷重して前方へ倒れるように移動。
  7. 腕を振りながら、倒れる前に右足を1歩前に出す。この繰り返しで歩く。

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 トレーニング監修/神戸貴宏(BodyDesignStudioASK)

初出『Tarzan』No.820・2021年10月7日発売

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