8つの動きでチェックしよう! あなたの“股関節力”
自分ではなかなかジャッジをしづらい「股関節の機能」を8つの動作でチェック! あなたの股関節は、正しい可動域でしっかりと動いてくれますか?
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修/澤木一貴(SAWAKI GYM)
初出『Tarzan』No.814・2021年7月8日発売
8つの動きで股関節をチェック!
例えば、どれほどの減量が必要かは、体重や体脂肪率が教えてくれる。では、股関節の良し悪しは、どうやってジャッジすればいいのか。
股関節がどれだけ大切だとしても、普通に生活していると、その存在を意識する機会はない。だから、自分の股関節がちゃんと働いているかを、自覚することは難しいのだ。そこで、あなたの股関節の現状を確かめる8つのチェックを用意してみた。
股関節は、複数の動きを組み合わせる統合動作で働く。屈曲や伸展といった動き一つひとつをバラバラに調べるのではなく、下記のチェックのように複合的な動きをやってみて、股関節を評価するのが正解なのだ。
こちらの記事で「6つの股関節の動き」を確認しつつ、自分の弱点を把握しておこう。
監修トレーナー・澤木一貴さんが動画で解説!
チェック① 継ぎ足歩行|ブレずに一本の線上を歩く。
爪先と反対の踵を接触させながら歩くのが、継ぎ足歩行。バランス機能の評価や向上によく用いられる。さらに、一本のライン上をスムーズに歩くためには、股関節の内転と内旋が支障なく行えることが必須の条件。
- 床にテープなどで一本のラインを引く。
- ライン上に片足をまっすぐ置き、その爪先に反対の足の踵をつける。
- 同様にバランスを崩さないように保ちながら10歩歩く。
- 両手は腰に当てる。
こうなったらNG!
チェック② 閉眼その場足踏み|目を閉じてもポジションを変えない。
脳が得る情報の8割は視覚によるもの。目を閉じて視覚情報をシャットアウトすると、カラダの声が聞こえるようになる。閉眼でその場で足踏みしてみて、立ち位置がズレてしまう場合、股関節が衰えている証拠。
- 床に十字を描くようにテープなどを貼る。
- 十字をまたぐようにまっすぐ立ち、両目を閉じる。
- 最初の位置からズレないように意識し、両腕を振り、膝を高く上げながらその場で10歩歩く。
こうなったらNG!
チェック③ スモウスクワット|脛と太腿で長方形を作って保つ。
スクワットは、股関節をもっともダイナミックに駆動するエクササイズの一つ。股関節がサビついているかどうかを判断する試金石でもある。四股を踏むような姿勢が保てないなら、股関節の外転と外旋が不十分だ。
- 両足を大きく開いてしゃがむ。
- 脛を床と垂直、太腿を床と平行にし、脛と太腿で長方形を作る。
- 上体を床と垂直に起こして、両手を膝に置く。
- 姿勢を崩さずにそのまま10秒キープする。
こうなったらNG!
チェック④ シングルレッグ・スクワット|ハーフスクワットが片脚でできるか。
再びスクワットで股関節の働きをチェック。片脚で行うシングルレッグ・スクワットでは、両脚で行うスモウスクワットよりも、左右差が明らかになりやすい。股関節の伸展と外旋がきちんとできるかをテスト。
- 片脚立ちになり、軸脚の膝が90度曲がるまでその場でしゃがむ。
- 背すじを伸ばして胸を張る。
- 両腕を前に伸ばしてバランスを取り、10秒キープする。
- 左右を変えて同様に行う。
こうなったらNG!
チェック⑤ ワイパー運動|外向きにも内向きにも偏りなく動かす。
脚を股関節から外向きに回す外旋をしたり、内向きに回す内旋をしたりしてみる。どちらも45度の可動域があるのが正常。一般的に、男性は外旋の方が強くなる傾向があるが、内旋も同じくらいの可動域が欲しい。
- 床に坐り、両脚を肩幅でまっすぐ前に伸ばす。
- 両手を後ろについて上体をやや後傾させる。
- ワイパーを動かすように、踵を支点に爪先を内側に45度閉じる。
- 続いて外側に45度開く。
こうなったらNG!
チェック⑥ ニープレート・サークル|反対の爪先で膝のお皿をなぞれるか。
これも片脚で行うチェックであり、左右の股関節を個別に評価できる。NG例(左)で膝のお皿の内側にしかタッチできないタイプは、股関節の内転と内旋の機能が低下し、それがガニ股(O脚)を招いている恐れも。
- 片脚立ちになり、踵に荷重する。
- 反対の足の爪先で、軸脚の膝のお皿を時計回りで3周、反時計回りで3周なぞる。
- 両手は腰に添えて、背すじを伸ばして行う。
- 左右を変えて同様に行う。
こうなったらNG!
チェック⑦ トンボバランス|片脚で姿勢をコントロール。
別名T字バランス。片脚ずつ評価することにより、股関節の現状をより確実に捉えることができる。評価のポイントは、上体と後ろ脚の角度、そして軸脚の膝をどれだけ深く曲げずに正しいポーズが保てるかである。
- 片脚立ちになり、踵に荷重。
- 両腕を横に広げて親指を天井に向ける。
- 反対の脚を後ろに伸ばしながら、上体を前傾。
- 上体と後ろ脚を床と平行に保って10秒キープ。
- 左右を変えて同様に行う。
こうなったらNG!
チェック⑧ ライイング・ニータッチ|横向きで膝を床に近づける。
すでに触れたように、股関節の評価は立った姿勢ではなく、重力の影響をなるべく受けにくい姿勢で行うのが正解。最後は横向きになり、股関節の内転、内旋、屈曲がしっかり行えているかどうかを確かめよう。
- 横向きに寝て、両膝を90度曲げる。
- 下の膝を前に出し、上の膝を後ろに引く。
- 下の手で頭を支え、上の手を床について姿勢を支える。
- 上の膝で床にタッチする。
- 左右を変えて同様に行う。
こうなったらNG!
正しくできない場合、股関節の動きのどこかに何らかの制限がある証拠。該当するNGカットを確認して、「①ほぐす ②ひらく ③まわす」という修正エクササイズにトライしてほしい。