動作のパフォーマンスに直結する“まわす”。
股関節は脚を動かす、上体をひねるなど、多様な動作の支点となる。「ほぐすエクササイズ」と「ひらくエクササイズ」の後は、「まわす」で整えたい。
「股関節は立体的な“まわす”動きができる臼状関節です。臼状の骨頭部分が滑らかに動くことが屈曲・伸展・外転・内転・外旋・内旋という動作をするための条件となります」
一度に2つ以上の動作を行うのも特徴。歩行中は前脚側の股関節が屈曲し、後ろ脚側の股関節は伸展する。複数の動作を滞りなく行うには、広い可動域で回せることが鍵となる。
「回す動作を行うには股関節周辺の筋肉を機能的に動かせるようになることが重要です。ほぐして開くだけでは、股関節のパフォーマンスを高めるには不十分です」
6つのエクササイズはいずれも動的ストレッチをベースにしたもの。
「股関節の機能性をさらに高めることが目的です。普段の姿勢や動き方の影響をモロに受ける股関節は、ケアせずにいると“生きているだけで動きが鈍る”と言っても過言ではありません。逆に言えば、動かすことでモビリティは必ず高まる。生活の質向上や運動パフォーマンスアップのためにも習慣にしてください」
“まわす”6つのエクササイズ。
① スタンディングサーカムダクション(内回し・外回しともに左右各3回)
関係する股関節の動き:屈曲・伸展・外転・内転・外旋・内旋
- 両手を腰に当てて片脚を浮かせる。
- 大きな軌道を意識して股関節を内回し。
- 3回連続で回したら、逆回しも同様に。
② ライイングサーカムダクション(前回し・後ろ回しともに左右各3回)
関係する股関節の動き:屈曲・伸展・外転・内転・外旋・内旋
- 横向きに寝て下側の手で頭を支え、上側の手は前につく。
- 股関節を支点に、上げた脚を伸ばしたまま大きく前回し。
- 3回連続で回したら、後ろ回しも同様に。
③ シッティングヒップローテンション(10往復)
関係する股関節の動き:外旋・内旋
- 両膝を立てて座り、脚は広く開く。
- 両手は後ろについて上体を支える。
- 両方のお尻を床につけたまま行える範囲で、股関節をひねりながら膝を左右交互に倒す。
④ プローンヒップローテーション(10回)
関係する股関節の動き:外旋・内旋
- うつ伏せになり顎の下で両手を重ねる。
- 両膝を揃えた状態で膝下を垂直に引き上げる。
- 下腹部全体を床につけたまま可能な範囲で足を開閉。
- 内腿〜膝を内側にギュッと締めて行う。
⑤ ニーリングヒップローテーション(内回し・外回しともに左右各3回)
関係する股関節の動き:屈曲・外転・内転・外旋・内旋
- 四つん這いになって、片脚の膝に体重を乗せ切る。
- 支点となる膝の真上に股関節を乗せてロッキングしたら、内回しと外回しを行う。
- 小さい軌道になってもいいので、きれいな円で回すこと。
⑥ ヒップモビリティ(外回し・内回しともに左右各3回)
関係する股関節の動き:屈曲・外転・内転・外旋・内旋
- 左足と右手を床につき、右脚は後方に伸ばす。
- 左手は左膝の下に通し床に。
- 前足の爪先と膝を正面に向けたまま、股関節を開いた状態で上体ごと外側に大きく回す。
- 3回連続で回したら逆回しも同様に。