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【上級者向け】目指せ“ドラゴンフラッグ”! 4週間腹筋チャレンジ①

アスリートのように圧倒的に機能する腹筋を目指す「4週間腹筋チャレンジ」ゴールに辿り着くことができれば、どんな場面でも安定する強い体幹が手に入れているはず。ドラゴンフラッグ達成に向けて取り組もう!

最短4週間の腹筋プログラム。

腹を割っただけでは飽き足らず、更なるパフォーマンスアップを図ってアスリートのような腹を手に入れたい。そんなトレーニーに向けた最短4週間の腹筋レベルアッププログラムを、日本人初のメジャーリーグ球団のヘッドストレングス&コンディショニングコーチとなった経歴を持ち、数多くのアスリートをサポートしてきた友岡和彦さんに作ってもらった!

教えてくれた人
友岡和彦さん
友岡和彦(ともおか・かずひこ)/1971年生まれ。クリードパフォーマンス取締役・パフォーマンスディレクター。1999年から10シーズン、MLB3球団でストレングス&コンディショニングコーチを務めた。

目指すのは単純な筋肥大ではなく、スポーツの競技力向上に繫がる実用的な腹。そのためには、アイソメトリックコンセントリックエキセントリックの3種類のトレーニングをバランスよく行う必要がある。そうすることで、カラダがどのような状態にあっても力を発揮することが可能になるのだ。

「コンセントリックとエキセントリックは表裏一体ですが、コンセントリック種目では腹筋を短縮させる場面、エキセントリック種目では腹筋を伸張させる場面をより意識してトレーニングをしてください」

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【安定】アイソメトリック

アイソメトリック
筋肉が長さを変えずに力を発揮する状態。プランクをイメージするとわかりやすい。姿勢の維持など、安定性を高める効果がある。

【縮】コンセントリック

コンセントリック
筋肉が短くなりながら力を発揮するのがコンセントリック。シットアップの際の腹直筋がこの状態。縮む局面を強く意識して行おう。

【伸】エキセントリック

エキセントリック
筋肉が伸びながら力を発揮。エキセントリックに分類している種目に関しては腹筋群が伸びる局面に重点を置いて取り組もう。

4週間腹筋チャレンジに挑むにあたり、注意点が1つ。それは腹圧を高めた状態で各エクササイズに取り組むこと。

改めて説明すると、腹圧とは腹腔内圧の略称。腹腔とは横隔膜の下側で、消化器などが集まっている部分。その内部にかかる圧力が腹圧だ。腹腔を膨らんだ風船のようにしておけば、動作が安定するだけでなく、腰椎に余計な負荷がかかることがない。

腹圧の高め方
鼻から息を吸い腹腔を広げる。お腹を前に出すだけでなく、脇腹、背中側にも広げるイメージで。その状態を維持してトレーニングをする。

反対に腹圧が高まっていない腹腔は、水を抜いて潰したペットボトルをイメージするとわかりやすい。実際にその状態でペットボトルを何度も曲げたり伸ばしたりしてみると特定の部位に過度に負担がかかるのがわかるはずだ。

腹筋運動をすると腰が痛くなりやすいという人は特に注意して、腹圧を高めることを意識しよう。

プログラムの進め方。

2セットを週3回。

トレーニングは週3回。アイソメトリック、コンセントリック、エキセントリックの順で進めて、2セット行う。1週間ごとに種目が変わり強度が上がっていく。

エキセントリック種目は腹圧が抜けて、腰が反ってしまうことがあるので要注意。腹圧が抜けた状態での腹筋運動は、腰を痛める原因になる。常に腹圧を意識して取り組もう。

最短4週間で終わる。

4週間腹筋チャレンジは最短で4週間で終了するプログラム。週3回トレーニングを行ったら、週ごとに設定されているテストにチャレンジ。テスト種目を正しいフォームで規定の回数行えたら、翌週のメニューへと進む。

テストがクリアできなかった場合は、もう1週間同じメニューに取り組もう。卒業テストはドラゴンフラッグだ!

ドラゴンフラッグ
ドラゴンフラッグ

1週間目のトレーニング。

最初の週は、腹圧を高めながらカラダを動かすことに慣れること、アイソメトリック、コンセントリック、エキセントリックの違いを体感することが目標。じっくり取り組もう。

  1. デッド バグ(アイソメトリック)
  2. ハンドウォーク オン ニーズ(アイソメトリック)
  3. スロー バイシクル クランチ(コンセントリック)
  4. ハイプランク ニー トゥ エルボー(コンセントリック)
  5. リバースクランチ(エキセントリック)

アイソメトリック種目。

① デッド バグ(往復20回×2セット)

デッド バグ
  1. 肩や首をリラックスさせ、仰向けに寝て両手両足を上げる。
  2. 股関節と膝は90度程度に屈曲。
  3. 丸太を抱えるようなイメージで肘は軽く曲げる。
  4. 右手と左足を同時に下げて床に近づけて戻る。逆も同様に。
  5. 手足を伸ばす時、腰を反らせない。

② ハンドウォーク オン ニーズ(8回×2セット)

ハンドウォーク オン ニーズ
  1. 両手と両膝を床につく。肘はまっすぐに保ち、手は肩の真下に。
  2. 骨盤を少し後傾させ、視線は床に。
  3. 交互に手を少しずつ前に出し、胸を床に近づける。
  4. 十分に近づけ5秒キープして、逆再生するように元に戻る。
  5. 腰が反らないように注意する。

コンセントリック種目。

③ スロー バイシクル クランチ(20回×2セット)

スロー バイシクル クランチ
  1. 床に寝て両手を頭の後ろで組む。
  2. 上体を起こし両足は床から離す。
  3. 上体を左方向に捻りながら、左脚を曲げ、右肘と左膝を近づける。
  4. 今度は上体を右方向に捻りながら、左肘と右膝を近づける。
  5. 反動を使わずにゆっくりと繰り返す。

④ ハイプランク ニー トゥ エルボー(12回×2セット)

ハイプランク ニー トゥ エルボー
  1. 両手と両足の爪先を床につけ、カラダを丸める。
  2. 膝は床につけない。頭は両腕の間に入れ、視線は床に。
  3. 右脚を伸ばしながら、左膝を右肘に近づける。このときの手は肩の下。
  4. 戻ったら、今度は右膝を左肘に近づける。
  5. リズミカルに繰り返す。

エキセントリック種目。

⑤ リバースクランチ(10回×2セット)

リバースクランチ
  1. 背骨を一本一本浮かせていくように腰をゆっくりと持ち上げる。
  2. 背骨を一本一本つけるように背中を丸めながら下ろしていく。
  3. 足を振り上げることなく、膝は曲げた状態を維持。
  4. 頭をベンチから浮かさないようにする。

1週目のテスト種目。

ストレート レッグレイズ(10回でクリア)

ストレート レッグレイズ
  1. ベンチに寝て、両手で頭の下の部分を摑む。
  2. 膝を伸ばしたまま、両脚を持ち上げ、脚が床に対して90度程度になるまで上がったら元に戻る。
  3. 床でやる時は、柱やテーブルの脚を摑んで行う。
  4. 脚を下げる際に、ベンチから腰が浮かないのがポイント。

テスト種目を正しいフォームで規定の回数行えたら、翌週のメニューへと進む。テストがクリアできなかった場合は、もう1週間同じメニューに取り組もう。

取材・文/神津文人 撮影/山城健朗 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/中村兼也 イラストレーション/内山弘隆

初出『Tarzan』No.809・2021年4月22日発売

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