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【HIIT上級編】筋力・瞬発力・持久力が試される最上級の4分間
HIITとは「20秒間の高強度運動→10秒間の休憩」を8セット繰り返すトレーニングメソッド。トータル4分間と短い時間ながら、心肺機能の向上や脂肪燃焼の効果が期待できる。今回はこのHIITの上級者向けプログラムを紹介！
今回のHIITプログラムは、初級編・中級編・上級編と体力別に3つのクラスを用意。自分の体力レベルが分からないという人は、まずは下記の記事で自分がどのレベルに相当するかをテストしてみよう。
自分は「上級編」にはまだ早い、という方は「初級編」「中級編」にトライを。
それでは、以下、上級編のメニューを紹介しよう。
全身を総動員する最上級メニュー。
ぶっちゃけ、体力には自信あり。筋トレが好きだし、実際トレーニング習慣もある。スクワット120回テストだって、余裕で2分以内にクリアできる。ならば、上級編に挑んでほしい。
「ローインパクトのメニュー」は跳躍で追い込む4種目。動きはシンプルながらも間違いなく高負荷である。目標回数も厳しめだが、難しくてもとにかく20秒やり切ることが大切だ。
「ハイインパクトのメニュー」は全身の連動と爆発的動作が連発する最上級の8種目。写真からもハードさが伝わってくるが、体力と筋力に自信があればガンガン挑むべし。徹底的に追い込むことであなたのパフォーマンスはさらにアップし、カラダは変わっていく。体調のいい日に、水分補給をしっかりしながらやること。
また家でもできなくもないが、集合住宅の場合は外の方が全力で取り組める。
上級編のメニュー例：
下の表は、たとえば週3回行う場合のメニュー例。3週目まではローインパクトのプログラムを週3回行い、体力のレベルアップが目に見えて表れる4週目からはハイインパクトのプログラムを徐々に取り入れていく。
上級編｜ローインパクトのメニュー。
トレーニングのやり方
- 「トレーニング20秒→休憩10秒」で4つのエクササイズを2周する。
- 1〜4の順に行い、2周で1セット。
1｜サイドランジ・ウィズ・サイドタッチダウン（目標20回・10往復）
- 脚を大きく開いて立ち、両手を胸に。
- 膝と爪先は常に同じ方向を向く。
- 左膝を曲げながら左に体重を移動。
- 膝が90度になったら右手を下ろす。
- 可能ならば床にタッチしよう。
- 元の姿勢に戻したら反対側も同様に。
- テンポよく20秒。
休憩（10秒）
2｜Tプッシュアップ（目標20回・10往復）
- プッシュアップの姿勢をとり、
- 肘を曲げて胸を床ギリギリまで近づける。
- 元の姿勢に戻るとき、勢いをつけて左手を床から離して真上に伸ばし、
- 同時にカラダを左に大きく開く。
- そのままプッシュアップの姿勢に戻る。
- 反対側も同様に。
休憩（10秒）
3｜ワンレッグ・スケータースクワット（目標10回・5往復）
- 左脚で片脚立ちをし、腰を落として右脚と左腕を後ろに引く。
- 次に素早くカラダを起こし、右膝を
- 前に突き上げ、左腕を振り上げる。膝はしっかり曲げ、高く上げること。
- 直立姿勢になり、反対側も同様に行う。
- バランスを保ったまま行うとなおよし。
休憩（10秒）
4｜スイープ（目標10回）
- プッシュアップの姿勢をとり、カラダを素早く左に捻る。
- 同時に右脚を左側へ大きく振り上げ、左手は右肩にタッチ。
- 最初の姿勢に戻ったら反対側も同様に。
- カラダを捻るとき尻が下がらないよう意識すること。
休憩（10秒）
上級編｜ハイインパクトのメニュー。
ここからのメニューに挑もうとしている貴方はHIIT最上級者。ここまで育んできた筋力と瞬発力、持久力を十二分に発揮していただきたい。ゆえにエクササイズは今までの倍の8種目。これを順に1周して4分完結。正直、超ヘビーだが挑戦のしがいがあるだろう。
各メニューは一瞬で全身のパワーを総動員しないとこなせないものばかり。1回に1秒が難しいものもあるので、それぞれの目標回数を行おう。
どんなにキツくても、フォームを崩さず行うこと。全然歯が立たずに涙する者もいると思うが、その場合はもう一度前のレベルに戻り、鍛錬を重ねてから挑戦してほしい。これは言わば最上級の4分間。思い切り楽しもう。
トレーニングのやり方
- 「トレーニング20秒→休憩10秒」で8つのエクササイズを1周する。
- 1〜8の順に行い、1周で1セット。
1｜ランニングマンニー（目標20回・10往復）
- 立ち姿勢から左足を後ろに蹴り出し、
- 同時に組んだ両手を振り上げて胸を張る。
- 手を左下に振り下ろすと同時に左膝を勢いよく前に蹴り上げる。
- 左足を床についたらすかさず逆側で同様の動きを行う。
- これをテンポよく20秒間繰り返す。
休憩（10秒）
2｜チェストストライク・プッシュアップ（目標10回）
- プッシュアップの姿勢をとり、肘を曲げて胸を床ギリギリまで近づける。
- そこから勢いよくカラダを押し上げ、両手を床から離し、そのまま胸にタッチ。
- 両手を床につき、同じ動作を繰り返す。
- 肩から尻、くるぶしまでのラインが常に一直線になるよう意識しよう。
- テンポよく20秒。
休憩（10秒）
3｜スクワットジャンプ・ヒールタップ（目標10回）
- 足を肩幅に開いて立つ。
- 尻を後ろに引きながら膝を深く曲げ、腕を後ろに振り下ろす。
- 膝を伸ばし、尻を引き上げると同時に、腕を前に振り上げて勢いよくジャンプ。
- 空中のできるだけ高い位置で、左右の踵同士をタッチして着地。
休憩（10秒）
4｜バーピー・ウィズ・ジャンプ180（目標10回・5往復）
- プッシュアップの姿勢をとり、両足で床を蹴り着地すると同時に立ち上がる。
- その勢いで両手を上げて高くジャンプ。空中で180度回転して着地する。
- すかさずプッシュアップの姿勢をとり、同様の動き。空中で180度逆回転する。
- これを交互に行う。
休憩（10秒）
5｜ラテラルジャンプ・ウィズ・タックジャンプ（目標10回・5往復）
- 直立姿勢から、アイススケートのイメージで右に1歩踏み出して元に戻る。
- その場で真上にタックジャンプ。
- 着地したら左に1歩踏み出して元に戻り、
- またその場でジャンプ。
- 腕を伸ばし、膝を曲げてジャンプ。
- 背すじはなるべく伸ばしたまま行う。
休憩（10秒）
6｜クロック・プッシュアップ（目標10回・5往復）
- プッシュアップの姿勢をとる。
- 肘を曲げ、胸を床ギリギリまで近づける。
- 次に両手で床を思い切り押し、全身を浮かせてクルッと90度横に回転して着地。
- 続けて逆回転で同じ動きを行う。
- 着地時に肘の曲げ伸ばしをクッションに使うといい。
休憩（10秒）
7｜パイクジャンプ（目標10回）
- 足を肩幅に開いて立つ。
- その場で腕をスイングしながら勢いよくジャンプ。
- 腰を曲げ、両脚を前に高く上げて手で爪先をタッチ。
- 膝のクッションを使い軟らかく着地。
- 空中では膝を伸ばし、脚が水平になるよう意識。
休憩（10秒）
8｜ドンキー・プランク（目標10回）
- プッシュアップの姿勢をとる。
- 手で床を押しながらジャンプ。
- 両膝を抱え込むように胸元に引き寄せる。
- 勢いよく後ろに蹴り出して全身を伸ばす。
- このときカラダが一直線になるよう意識。
- 軟らかく着地する。
- これを繰り返す。
休憩（10秒）
こちらもチェック！ HIIT前のウォーミングアップ。
時は来た。早速、HIITに挑戦だ。でもその前に、必ず行ってほしいのがこちらのウォームアッププログラム。日常生活レベルの身体状況では、いきなりの高強度運動に対応できない。心肺や主要な筋肉を温めてアイドリング状態にもっていく。そこではじめてHIITの効果を最大限に享受できるのだ。
HIIT前のウォーミングアップのやり方
- 4種目を30秒ずつ2周行う。
- 1〜4の順に2周で1セット
1｜大腿四頭筋
- 両足を肩幅に開いて立つ。
- 太腿を引き上げて両手で膝を抱え込む。
- 同時に軸足の踵を床から浮かせ、全身を真上に伸ばす。
- 膝蹴りの要領。リズミカルに左右交互に繰り返し。
2｜ハムストリングス
- 太腿の前を刺激したら次は腿裏。
- 片脚の膝を曲げて踵でお尻にタッチ。
- 膝はできるだけ前に出さず、素早い動きで踵を引き上げるのがポイント。
- 左右交互に繰り返し。
3｜肩甲骨まわり
- 両足を肩幅に開いて立ち、左右の肘を胸の前でくっつける。
- 肘が離れないよう注意しながら上に持ち上げる。
- 鼻の高さまで肘が上がれば理想的。
- 肘を下げ、肩甲骨を寄せて胸を開く。
4｜股関節まわり
- プッシュアップの姿勢をとる。
- 片足を大きく前に出し、手の真横の位置で床につく。
- 元の姿勢に戻って今度は逆足。
- この繰り返し。背中は丸めずまっすぐ伸ばして行うこと。
どのレベルのHIITに挑むにしろ、これは共通の約束事。1〜4の種目を各30秒×2セット行って準備完了。では各自HIITの世界へ行ってらっしゃい！
取材・文／石飛カノ 撮影／山城健朗 スタイリスト／ヤマウチショウゴ ヘア&メイク／村田真弓 トレーニング監修／白戸拓也
初出『Tarzan』No.807・2021年3月25日発売
