春の食材で代謝を上げる「ゆるゆる薬膳」のススメ

「薬膳」と聞くと、精進料理や小難しい健康食材を思い浮かべてしまう人も多いかもしれないが、今回提案するのは手軽な養生法。漢方の専門家が、加齢や代謝に関わりの深いところをケアできる身近な食材を教えてくれた。

取材・文/松岡真子 イラストレーション/德永明子

初出『Tarzan』No.806・2021年3月11日発売

「“薬膳”とは何も希少な生薬を摂ることではありません。季節、体調、体質に応じた養生法で、実は身近な食材で気軽に取り入れられるのです。東洋医学では心身、季節、色などを5つに分類。人のカラダも5つに分けて役割を考えます。

なかでも加齢が出やすい“腎”の系統と、代謝やストレスに関わりの深い“肝”の系統は、冬から春にかけてケアしてあげると巡りの好循環が生まれます」(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)

まさに、春は代謝をアップして若返りを狙える絶好の時季だ。

アンチエイジングの要の“腎”は黒い食材やミネラルを摂ることで養う。春本番を迎えたら、解毒作用の高い野菜や赤身の魚などで、“肝”を養う。今回は“腎”と“肝”にいい4つの食材と簡単に取り入れられるドリンクを紹介します」


代謝を上げる4つの食材。

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① 黒ゴマ

黒ゴマ

腎を養う。ポリフェノール、アントシアニン、セサミン、ビタミンEなど抗酸化成分の塊。漢方的に「黒」は抗加齢の象徴。

② カツオ

カツオ

低脂質で高タンパク。ビタミンB群、Dと、DHA、EPAも豊富。亜鉛やカリウムも摂取でき、“くすり”にもなりうる魚だ。

③ 菜花

菜の花

肝に効果的で解毒作用が高い。巡りの要・血(けつ)を補う。抗菌成分のイソチオシアネートや食物繊維とカリウムも含有。

④ アサリ

アサリ

鉄、葉酸、ビタミンB群ら血流を促すスター揃い。カリウム、カルシウム、タウリンと亜鉛も含む。腎の働きをサポート。

代謝を上げる飲み物&レシピ2選。

① チャイ

スパイスの調合で生まれる温活の代表選手。クローブとフェンネルシードは腎と肝を養う。スパイシーな香りによってリラックス効果もあり。

チャイ
【材料】
  • 牛乳…100mL
  • 紅茶(ティーバッグでOK)…100mL
  • 生薬
    • 生姜パウダー
    • シナモン…少量
    • クローブ…1個
    • オールスパイス…1個
    • フェンネルシード…5〜10粒
【作り方】
  1. 生薬と紅茶を10〜15分ほど煮出す。
  2. 牛乳を混ぜれば完成! ホットワインにも応用可。

② クコの実コーヒー

一押しのスーパーフード。腎と肝を養い、目の疲れにもいい。ビタミンB群とCを豊富に含み、肌ツヤUP。浸して飲むことで甘みが増す。

クコの実コーヒー
【材料】
  • ブラックコーヒー…適量
  • クコの実…7〜8粒
【作り方】

ブラックコーヒーにクコの実を浸して数分待つと完成。

教えてくれた人

鹿島絵里さん/薬剤師・博士(薬学)。東銀座にある漢方薬店〈kampo’s〉に勤務。漢方や薬膳の専門の知識を分かりやすく提案。「Tarzan Web」にてブログ「漢方でつくるヘルシーボディ」を執筆中。