代謝をぐんと上げる4つのキーワード。
① 筋力アップ
「基礎代謝を上げるには筋量を増やす必要があります。重要なのがしっかりタンパク質を摂ることです」(管理栄養士の浅野まみこさん)。食後に体内に吸収された栄養素が分解され、一部は体熱となって消費される。この代謝を食事誘発性熱産生(DIT)という。「タンパク質の代謝におけるDITは他の栄養素に比べ高いです」。
② 水分チャージ
体内で起こる全ての生化学反応に欠かせない水。栄養素を全身に運搬し、不要物を排出する働きを滞りなく行うには、普段からこまめに水分補給する必要がある。その水分には、飲料水だけでなく食物に含まれる水分も含まれる。「仮に1日に水分を2.5L摂取するとすれば、そのうち1Lほど食べ物から摂れると理想的です」。
③ 腸を整える
食事で摂取した栄養を十分に消化吸収するうえで、消化器官の中でも腸は重要な役割を果たす。腸内環境を良好に保つことが栄養の吸収効率を高め、代謝を向上させる。「腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やす水溶性食物繊維や、善玉菌そのものを豊富に含んだ発酵食品を日々摂取する習慣をつくることで、腸が健やかに整います」。
④ 血行を促す
体温が低い状態では血行が滞り代謝が低下してしまう。カラダを冷やさないよう、温かい食事を心がけることが重要だ。「また唐辛子のカプサイシンや生姜のショウガオール、ネギの硫化アリルなど、香味野菜やスパイスを取り入れるのも有効。毛細血管を拡張させることで血流を増やし体温を高めて発汗を促します」。
4つの条件を網羅した最強鍋はコレ! 完全代謝アップ飯。
“筋力アップ”を狙うべく、鉄分豊富な牛肉と生卵をIN。そこに腸に有用な菌を直接送り込む「補菌食材」の納豆とカマンベールチーズ、有用な菌のエサとなる「育菌食材」の舞茸を追加。唐辛子や生姜、ニンニクの織りなす三重奏と食材の旨みが溶け込んだスープに舌鼓を打ちながら、血行を促進。香味野菜として加えたニラやネギなどは味わいはもちろん、微量栄養素のちょい足しに。代謝を高める食材だけが集った“完全食”とも呼べる鍋、ここに君臨!
材料(作りやすい分量)
- 納豆…1パック
- カマンべールチーズ…1個
- 舞茸…1パック
- 牛肉…100g
- 絹豆腐…1パック
- ネギ…1本
- 卵…1個
- ニラ…2〜3本
- 好みの野菜…適量
- ゴマ油…小さじ1
- 水…400mL
- A
- ニンニク・生姜…各1かけ
- 韓国粉唐辛子・コチュジャン…各大さじ1
- 醬油・鶏ガラスープの素…各小さじ1
作り方
- ネギは斜め千切りにする。ニンニク、生姜はすりおろす。
- 鍋を火にかけてゴマ油で牛肉をさっと炒め、水とネギを加える。
- 混ぜ合わせた[A]を加えよく混ぜる。
- 豆腐を加えてひと煮立ちさせたら、野菜、チーズ、納豆、卵、舞茸を加え、3cm幅に切ったニラを散らす。
代謝アップには食べ方も工夫すべし。
「タンパク質を食事の最初に摂ることで、糖代謝を助けるほか、食欲抑制が期待できるインクレチンをスムーズに分泌させる“タンパクファースト”がおすすめ。また野菜を食べた後に汁物を摂ると体内の食物繊維が膨らみ満足感を得られます」
香味野菜のトッピングにより、代謝に必要不可欠なビタミンやミネラルをプラスできる。
「味が濃い料理は嚥下反射が起きやすい。よく嚙み、消化吸収促進には薄味がベストです」
【食べ方のルール】
- タンパク質から食事を開始。
- 汁物を摂るなら野菜の後に。
- どんな料理にも香味野菜をON。
- 味付けは結局、薄めに尽きる。