トレーニングとセットで使う。
肩こりや腰痛の症状を和らげたり未然に防ぐには、それらの要因の一つである悪姿勢を改善して、いいポジションに保つうえで必要な筋肉を鍛えるべし。そのサポート役を担うのが、ストレッチクッションだ。
「特に台形型のものは筋肉を活性化させる運動をする時に便利。慢性的な運動不足で筋肉が足りなかったり、ストレッチがめんどくさいという人におすすめです」と、トレーナーの星野由香さんのお墨付き。シンプルなデザインだが、肩こりや腰痛に効く設計が随所に施されている。
「緩やかに傾斜した面の構造がポイント。肩こりや腰痛を抱える人は脊柱をうまく使えず、柔軟性に乏しいケースが多いですが、この傾斜が脊柱の動きをサポートし、ストレッチに限らず筋肉を活性化させるためのトレーニングの精度を高めます」
クッション内蔵のバネによる、運動中にかけた圧に対する跳ね返りは、筋肉の収縮を促す役割を担う。
仰向けで背中の下に置いて寝るだけで胸が開きやすくなり肩甲骨まわりのこわばりは解ける。さらにお尻の下に置いて座れば骨盤が垂直に立つため、悪姿勢に悩む人なら腰まわりがラクになる。それらの基本的な使い方に弱化した筋肉のトレーニングをプラスすれば、肩こりや腰痛の根本原因にアプローチできる。
「肩こり」への使い方。
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ステップ① 僧帽筋下部
肩先から胸椎に向けて下方向に走る僧帽筋の下部線維。その力が弱まれば、その分僧帽筋上部が硬直して肩こりを招く。僧帽筋下部を強化することで僧帽筋のバランスを調整。
- クッションにうつ伏せになり、片手を上げて外旋させて反対の手は床につく。
- 上げた手の方向に頭を傾け、目線を上に向ける。
- 上げた手を後方に向かってできる限り引く。
- 元の位置に戻す。
- 逆側も同様に。
ステップ② 大円筋
両脇の下の背中側に位置する大円筋。猫背による巻き肩に起因する肩こりは、ここの筋力が低下している可能性が高い。大円筋の筋力を強化して、肩を正しい位置にリセット。
- 胸から下にクッションを置く。
- 脚を肩幅程度に開き、目線は前方に向け肋骨以下を浮かせる。
- 両腕を軽く開き、腹筋の収縮を感じながら肋骨に肘を押し付けるように腕を閉じる。
- お尻の高さを一定に。
ステップ③ 内腹斜筋
横腹に位置する腹斜筋群の一つで、背骨に連動した肋骨に結合。この筋肉を鍛えると下部肋骨が動きやすくなるため、楽に呼吸ができるようになる。
- クッションに横向きに寝て、両手を頭の後ろに。
- 下側の脚を伸ばしたまま上側の脚と足首を直角に曲げる。
- 脚の位置を保ったまま顔から上体をひねり上げる。
- 元の姿勢に戻す。
- 逆側も同様に。
「腰痛」への使い方。
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ステップ① 足底腱膜とハム
踵から足指の付け根にかけて張られた足底腱膜をほぐして正しく活用し、腰への負担を軽減。腿裏の筋肉であるハムストリングスの強化によって骨盤の位置を正常化。
- クッションより斜め前に片足を出す。
- 逆側の脚の膝をクッションに乗せる。
- 両手を腰に置く。
- 後方の足を上げて足指を最大限開く。
- そこから後方の膝を曲げつつ、足指を丸める。
- この姿勢が難しければ、うつ伏せに寝て同様の脚の動きを行うのでもOK。
- 逆側も同様に。
ステップ② 大腰筋
背骨と大腿骨を繫ぎ、腿を引き上げて屈曲させる時の要となるインナーマッスル。筋力が弱まり股関節の可動域が下がると、腰に負担がかかる。強化することで腰痛予防にも。
- 横向きに寝て、肩甲骨の下側にクッションを置く。
- 両手を頭の後ろに組んでおく。
- 上側の脚を伸ばして下側の膝を曲げる。
- そこから脚だけで屈曲するのでなく、腹部をできる限り短縮。
- 同時に、股関節を外旋させて背骨を屈曲させる。
- 逆側も同様に。
ステップ③ 腹直筋
腹部正面、肋骨から恥骨にかけて広がる腹直筋の筋力が弱まると、その分背中の筋肉が過緊張状態になり、腰へのストレスが大きくなる。前後の筋力バランスを整えよう。
- 仰向けに寝て、クッションに肩甲骨を乗せる。
- 顔を上げて後頭部で手を組んだら、お尻を浮かせる。
- 足首は手前に曲げておく。
- 股関節の屈曲で坐骨と骨盤を後屈させる。
- 腹直筋をとことん短縮させた状態をキープ。
- 逆側も同様に行う。
「動作におけるサブの筋肉の動きや目線の位置を正確に実践すれば、ターゲットの筋肉に刺激が入って症状緩和に繫がります。各エクササイズで3〜5秒キープしたら5秒休憩を目安にやってみてください」