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絞ると盛るを両立。体脂肪率20〜25%の人のための、黄金率トレーニング

イマドキのカッコいい体型「菱形体型(=黄金率ボディ)」をめざし、体脂肪率別に、5つのフェイズに区切って紹介する本連載。今回は、ちょっぴり痩せてきた体脂肪率20〜25%の人向けのトレーニング。

こちらもチェック→ 黄金率トレーニングとは?

体脂肪率20〜25%の人のためのトレーニングメニュー
  1. 絞る(有酸素運動):速歩→ラン(1日30〜40分×週4回)
  2. 盛る(筋トレ):筋トレサーキット(1回8〜10分×週3回)

1カ月で速歩からランへ移行。

ちょっぴり痩せてきたら、今度は1か月で「少し筋肉ついたね」と言われる体型へ脱皮する。

トレーニングの軸足は、依然として有酸素運動。太った人でも、速歩を1か月も続けるとカラダが軽くなり、運動に慣れて歩くペースがどんどん速くなる。

そうなったら、そろそろランへ移行する潮時。同じ時間なら、歩くより走った方が体脂肪はおよそ2倍も燃えやすい。ずっと走り続けるのは辛いだろうから、初めは疲れたら速歩に切り替えて、ラン→速歩→ラン…というやり方でいい。

30〜40分間、走り通せるように。

速歩を段階的にスピードアップすると、助走を終えた飛行機が離陸するようにランへ移行する。時速7kmを超えると、歩くより走る方がバネも使えてラクに移動できるため、無意識にそうなるのだ。

頻度は1日おきに週4回。1週目は速歩とランの繰り返しで計30分、2週目も同じく速歩+ランで計40分。3〜4週目は多少遅くていいから、最初から最後まで歩かずに走り通そう。3週目は30分、4週目は40分を目標にしてほしい。

ランニング
ランは基本的に速歩の延長線。大きな違いはスピードアップした結果、着地が踵からではなく、足裏全体になること。膝ではなく股関節中心の動きを心掛けて。

自覚的に「ややきつい」ペースを上限に走ればいいが、心拍数が測れるスマートウォッチやランニングウォッチがあると、より効率的にカラダは絞れてくる。最大心拍数の50〜60%の心拍数を守って走ると、体脂肪はいちばん燃えやすいのだ。下の公式でランの最適の心拍数を割り出そう。

最適の心拍数を求める公式

最大心拍数はその人の心拍数の限界値で、「220−年齢」という公式で求める。安静時心拍数は、起床時にベッドに坐って測る。体脂肪燃焼に最適なのは、最大心拍数の50〜60%だから、公式では0.5〜0.6をかける。30歳で安静時心拍数70なら、(220−30−70)×0.5〜0.6+70=毎分130〜142拍を守って走るといい。

心拍数≒脈拍だから、手首の内側に人差し指、中指、薬指の3指を当てて脈拍を測ると、近似値がわかる。通常は15秒測り、4倍する。

定番種目を、休みなく。

筋トレは、フェイズ1(体脂肪率25%以上の人のための黄金率トレ)でマスターした3大筋トレのバリエーションを4種目。これを休みなくサーキットスタイルで行い、筋肉を鍛えながら体脂肪も燃やそう。

有酸素と筋トレをセットで行う日は、筋トレ→有酸素の順に行うと、カラダがより絞れやすい。食生活の見直しも忘れずに。余計な糖質のカットに挑んでほしい。

サーキットで時短&体脂肪燃焼。

筋トレは普通1種目ずつ3セットほど行うが、サーキットスタイルでは複数の筋トレを1セットずつ連続して行う。セット間のインターバルが省けるから時短になるし、カラダを動かし続けるので、有酸素運動と同じように、その間にエネルギー源として体脂肪の燃焼も望める

1セットずつ終えたら、20〜30秒だけ休み、次のサイクルへ。これを3サイクルやれば、全種目が3セットずつこなせる。

頻度は1〜2日おきに週3回。4種目の筋トレを3セットずつやるのには20分以上かかるが、サーキットなら8〜10分でさくっと終わる。短時間で済ませられると、日常生活にも組み入れやすい。重点種目はステーショナリー・ランジ。次フェイズで行う強度高めの有酸素に耐える足腰を作ろう。

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ステーショナリー・ランジ(左右各10回×3サイクル)

ステーショナリー・ランジ
  1. 両足を大股1歩分前後に開いて立ち、前後の膝が90度曲がるまでしゃがむ。
  2. 上体を前傾させて、前足に体重の6〜7割をしっかりかける。
  3. 後ろ脚の膝を床すれすれまで下げ、爪先立ちになる。
  4. 前脚の膝は爪先より前に出さない。
  5. 左右の肩甲骨を寄せて胸を張り、両手を腰に添える。
  6. 前脚に荷重しながら、両膝を伸ばして立ち上がり、元に戻る。

※左右を変えて同様に行う。

レッグリフト・プッシュアップ(10回×3サイクル)

レッグリフト・プッシュアップ
  1. 両足の爪先を椅子の座面に乗せ、両手を床についてうつ伏せになる。
  2. 両手は肩のラインで肩幅より広めにつく。
  3. 手の指を開いて、指先を外側に向ける。
  4. 両脚を揃えてまっすぐ伸ばす。
  5. 頭から踵まで一直線に保ち、腰を落とさない。
  6. 肘を曲げて胸を床すれすれまで近づける。
  7. 両手で床を強く押して元に戻る。

ワイドスタンス・スクワット(15回×3サイクル)

ワイドスタンス・スクワット
  1. 両足を肩幅の2倍程度に開いてまっすぐ立つ。
  2. 爪先をできるだけ外側に向ける。
  3. 両手を頭の後ろに添える。
  4. 左右の肩甲骨を寄せ、胸を張る。
  5. お尻を後ろに引きながら、太腿が床と平行になるまでしゃがむ。
  6. 爪先と同じ方向へ、両膝をできるだけ外側へ開く。
  7. 股関節から曲げ、それにつれて膝も曲げる。
  8. 両足で床を強く押して元に戻る。

ニー・トゥー・チェスト(15回×3サイクル)

ニー・トゥー・チェスト
  1. 床に坐り、両手を後ろについて上体を後傾させる。
  2. 左右の肩甲骨を寄せ、胸を張る。
  3. 両脚を揃えて伸ばし、膝を軽く曲げ、床から浮かせる。
  4. 両膝を胸に近づけ、元に戻る。
  5. 上体のポジションを動かさない。
  6. 踵が床につかないようにする。

糖質コントロール方法も知っておく。

糖質コントロールの3つの方法

日本人は摂取カロリーの50〜60%を糖質から摂っている。太り気味の人は、糖質を摂りすぎていることが多いから、糖質との付き合い方も再考しよう。減らし方は次の3つだ。

真っ先にカットしたいのは、糖質のエンプティカロリー。エンプティカロリーとは、カロリーがない(エンプティ)という意味ではない。カロリーはあるのに、栄養がエンプティという意味。糖質関連では、ビールや日本酒などの醸造酒、ポテチや各種スイーツなどのお菓子がある。

次に控えたいのはラーメン+ご飯、うどん+ミニ天丼といったダブル糖質。いずれもカロリー過多確定だ。最後は、主食の大盛りおかわりを金輪際やめること。丼飯や麺類の替え玉などもだ。

糖質の摂りすぎはぜひセーブしたいものだが、極端な糖質制限に走るのは考えもの。糖質は筋トレなどのトレーニングのエネルギー源となる。また、糖質を摂ると分泌されるインスリンというホルモンには、筋肉の合成を助ける働きもあるからだ。

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/イオクサツキ 取材協力/清水忍(IPF)

初出『Tarzan』No.801・2020年12月17日発売

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