絞ると盛るを両立。体脂肪率20〜25%の人のための、黄金率トレーニング
イマドキのカッコいい体型「菱形体型(=黄金率ボディ)」をめざし、体脂肪率別に、5つのフェイズに区切って紹介する本連載。今回は、ちょっぴり痩せてきた体脂肪率20〜25%の人向けのトレーニング。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/イオクサツキ 取材協力/清水忍(IPF)
初出『Tarzan』No.801・2020年12月17日発売
目次
体脂肪率20〜25%の人のためのトレーニングメニュー
- 絞る(有酸素運動):速歩→ラン(1日30〜40分×週4回)
- 盛る(筋トレ):筋トレサーキット(1回8〜10分×週3回)
1カ月で速歩からランへ移行。
ちょっぴり痩せてきたら、今度は1か月で「少し筋肉ついたね」と言われる体型へ脱皮する。
トレーニングの軸足は、依然として有酸素運動。太った人でも、速歩を1か月も続けるとカラダが軽くなり、運動に慣れて歩くペースがどんどん速くなる。
そうなったら、そろそろランへ移行する潮時。同じ時間なら、歩くより走った方が体脂肪はおよそ2倍も燃えやすい。ずっと走り続けるのは辛いだろうから、初めは疲れたら速歩に切り替えて、ラン→速歩→ラン…というやり方でいい。
30〜40分間、走り通せるように。
速歩を段階的にスピードアップすると、助走を終えた飛行機が離陸するようにランへ移行する。時速7kmを超えると、歩くより走る方がバネも使えてラクに移動できるため、無意識にそうなるのだ。
頻度は1日おきに週4回。1週目は速歩とランの繰り返しで計30分、2週目も同じく速歩+ランで計40分。3〜4週目は多少遅くていいから、最初から最後まで歩かずに走り通そう。3週目は30分、4週目は40分を目標にしてほしい。
自覚的に「ややきつい」ペースを上限に走ればいいが、心拍数が測れるスマートウォッチやランニングウォッチがあると、より効率的にカラダは絞れてくる。最大心拍数の50〜60%の心拍数を守って走ると、体脂肪はいちばん燃えやすいのだ。下の公式でランの最適の心拍数を割り出そう。
最大心拍数はその人の心拍数の限界値で、「220−年齢」という公式で求める。安静時心拍数は、起床時にベッドに坐って測る。体脂肪燃焼に最適なのは、最大心拍数の50〜60%だから、公式では0.5〜0.6をかける。30歳で安静時心拍数70なら、(220−30−70)×0.5〜0.6+70=毎分130〜142拍を守って走るといい。
心拍数≒脈拍だから、手首の内側に人差し指、中指、薬指の3指を当てて脈拍を測ると、近似値がわかる。通常は15秒測り、4倍する。
定番種目を、休みなく。
筋トレは、フェイズ1(体脂肪率25%以上の人のための黄金率トレ)でマスターした3大筋トレのバリエーションを4種目。これを休みなくサーキットスタイルで行い、筋肉を鍛えながら体脂肪も燃やそう。
有酸素と筋トレをセットで行う日は、筋トレ→有酸素の順に行うと、カラダがより絞れやすい。食生活の見直しも忘れずに。余計な糖質のカットに挑んでほしい。
サーキットで時短&体脂肪燃焼。
筋トレは普通1種目ずつ3セットほど行うが、サーキットスタイルでは複数の筋トレを1セットずつ連続して行う。セット間のインターバルが省けるから時短になるし、カラダを動かし続けるので、有酸素運動と同じように、その間にエネルギー源として体脂肪の燃焼も望める。
1セットずつ終えたら、20〜30秒だけ休み、次のサイクルへ。これを3サイクルやれば、全種目が3セットずつこなせる。
頻度は1〜2日おきに週3回。4種目の筋トレを3セットずつやるのには20分以上かかるが、サーキットなら8〜10分でさくっと終わる。短時間で済ませられると、日常生活にも組み入れやすい。重点種目はステーショナリー・ランジ。次フェイズで行う強度高めの有酸素に耐える足腰を作ろう。
糖質コントロール方法も知っておく。
日本人は摂取カロリーの50〜60%を糖質から摂っている。太り気味の人は、糖質を摂りすぎていることが多いから、糖質との付き合い方も再考しよう。減らし方は次の3つだ。
真っ先にカットしたいのは、糖質のエンプティカロリー。エンプティカロリーとは、カロリーがない(エンプティ)という意味ではない。カロリーはあるのに、栄養がエンプティという意味。糖質関連では、ビールや日本酒などの醸造酒、ポテチや各種スイーツなどのお菓子がある。
次に控えたいのはラーメン+ご飯、うどん+ミニ天丼といったダブル糖質。いずれもカロリー過多確定だ。最後は、主食の大盛りやおかわりを金輪際やめること。丼飯や麺類の替え玉などもだ。
糖質の摂りすぎはぜひセーブしたいものだが、極端な糖質制限に走るのは考えもの。糖質は筋トレなどのトレーニングのエネルギー源となる。また、糖質を摂ると分泌されるインスリンというホルモンには、筋肉の合成を助ける働きもあるからだ。