CONDITIONING
2020.11.03

疲労を招く「冷え」を解消する1日の過ごし方

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俺の辞書に「冷え」はない、とうそぶいているあなた。抜け切れないその疲れ、冷えのせいかも?

体温が下がると疲れやすく免疫も落ちる。

寝ても取れない疲れがあるなら、一度は冷えを疑ってみるべき。冷え性=女性というイメージだが、最近は男性も冷えに悩んでいる。

「とくに手足が冷たいと悩む若い男性を診る機会が増えました」(冷えに詳しいイシハラクリニック副院長・石原新菜医師)

カラダは当然、平熱がベストコンディション。冷えがあると内臓などの働きが落ちるから、疲れやすくなるし、気になる免疫も下がる。 冷えの主因は、運動&筋力不足。筋肉は体脂肪を燃やして体温を保つヒーターのような存在でもある。

運動から遠ざかると筋肉が落ち、ヒーターの火力がダウン。体温が下がりやすい。コロナ禍で外出の機会が減ると、下半身を中心に筋肉が減りやすく、冷えやすい。スキニージーンズが似合う痩せ型の男性に、冷え性が多い理由がこれ。筋肉を増やそう。

自称暑がりに意外と多い「隠れ冷え性」にも注意!
隠れ冷え性に注意

暑がりで冷えと無縁そうなタイプでも、実は冷えている場合がある。いわば隠れ冷え性だ。隠れ冷え性のサインは、(1)汗が多い、(2)上半身が熱い、(3)手足が火照るという3つ。

「汗が多い=代謝がいいと思い込んでいる人もいますが、それは誤解。つねに濡れた服を着ているような状態ですから、当然冷えやすい」

体温は額、口、脇の下で測るので、上半身が熱いと、体温は高く出やすい。

「でも上半身に熱が集まっているため、下半身は冷えている。理想とされる頭寒足熱の真逆ですから、体調不良で疲れやすくなります」

そして手足が火照る人も、隠れ冷え性かも。

「末端から盛んに放熱していると、肝心の深部体温が下がってしまう恐れがあるのです」

日々の習慣に「温活」をプラスし、疲れを撃退!

朝〜午前の「温活」6つのティップス。

日中バタバタ忙しく働いている人でも、朝から午前中にかけては自分だけの時間が比較的取りやすいもの。新たな習慣をライフスタイルに取り入れるのに最適の時間帯だ。どれも簡単なものばかりなので、できそうなことから、一つずつトライしてみよう。

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① 朝食は和食にして味噌汁をプラス。

朝食には味噌汁をプラス

血流改善には代謝を上げるビタミンミネラルアミノ酸も欠かせない。旨味たっぷりで野菜や海藻が入った味噌汁はカラダを温めるうえに、ビタミン、ミネラル、アミノ酸が豊富。インスタントでもOK。和食の食材は血液をサラサラにして冷えを防ぐものが多い。

② 腹巻きを巻いて一日を過ごす。

腹巻きを巻いて過ごす

冷えを撃退するためのマストアイテムが、腹巻き。「お腹でじっくり温めた血液が全身を巡り続けると、体温は上がりやすくなります」。日中はアウターに響きにくい薄手でタイトめのものを巻き、寝るときは少し厚手でカラダを締め付けないタイプを巻くといい。

③ 目覚めたらベッドでストレッチをする。

目覚めたらベッドでストレッチ

朝はそもそも一日のうちでも、もっとも体温が低い。しかも寝起きはカラダが固まっているため、血管が圧迫されてしまい、血流が阻害されて冷えやすくなる。朝ベッドで軽くストレッチを行い、筋肉の柔軟性を高めると、血流がアップ。カラダが温まりやすくなる。

④ 熱めのシャワーを首すじ、肩甲骨の間などに当てる。

忙しい朝は熱めのシャワーを

浴槽入浴は温活の味方だが、忙しい朝はゆっくり入浴する時間はないかも。そこでやや熱めのシャワーを、首すじ肩甲骨の間脇の下などに当てる。「熱を作る褐色脂肪細胞が控えており、シャワーで刺激すると活性化しやすいのです」。

⑤ 5分でもいいから、朝ウォーキングをする。

5分でも朝ウォーキングを

血流を促してカラダを温めるなら、欠かせないのが有酸素運動。なかでも手軽なのは、やはりウォーキングかランニングだ。朝5分でもいいから、外を歩いたり、走ったりする習慣を。軽く汗ばむくらいまで行うのが理想。寒い季節は防寒をしっかりしてから行う。

⑥ 朝一番に、ちょい足し白湯でポカポカに。

白湯でポカポカに

睡眠中にコップ1杯程度の水分を失うため、朝は脱水気味。それも体温が低くなりやすい要因の一つだ。レンチンで作れる白湯で水分を補い、カラダも温める。白湯に、血流を促す作用がある生姜シナモン黒砂糖を好みに応じてちょい足しすると、より効果的。

午後の「温活」7つのティップス。

体温は一日中変動しており、午前中から午後にかけて緩やかに上がり、午後2時〜3時くらいにピークに達する。この自然のリズムを活用して、温活に励もう。腹式呼吸スクワットを仕事のブレイクタイムに行うと血行が促進されて体温が上がり、やる気もアップ。

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① スクワットを1日合計30回やってみる。

スクワットは1日30回

カラダを温める決定打は、筋トレで熱を作る筋肉を増やすこと。筋肉の3分の2は下半身に集中するから、下半身がまとめて鍛えられるスクワットが効率的だ。1日合計30回を目標に習慣化したい。息を吐きながらゆっくりしゃがみ、吸いながらゆっくり立とう。

② 消化の良いそばにはワカメと七味唐辛子を足す。

そばにはワカメと七味を足す

脂っこい料理は消化吸収のために血液が胃腸に集まりやすく、それ以外が冷えやすい。日中の冷えを避けるなら、ランチは消化の良いそばがお薦め。ワカメやネギをトッピングして血流改善に欠かせないミネラルも補う。温め効果絶大な七味唐辛子も多めに振ろう!

③ カフェラテよりもココアをチョイス。

カフェラテよりもココア

漢方では食べ物を、カラダを冷やす陰性食品とカラダを温める陽性食品に分けることがある。温活するなら、普段から陽性食品を選ぶべき。「牛乳もコーヒーも陰性食品ですが、ココアは陽性食品。ブレイクタイムの飲み物はカフェラテよりもココアを選ぶが正解」。

④ 間食にはプルーンや高カカオチョコがいい。

間食にはプルーンか高カカオチョコ

間食に欲しくなるスイーツにたっぷり入っている白砂糖は、カラダを冷やす陰性食品の代表格。「食間に何か欲しくなったら、北国で採れるプルーンリンゴサクランボブドウなどの陽性食品を」。白砂糖が少なくカカオ含有量が多いチョコも陽性食品だ。

⑤ ヨーグルトには蜂蜜を入れる。

ヨーグルトには蜂蜜を入れる

牛乳・乳製品はタンパク質やカルシウムの貴重な供給源だが、困ったことに牛乳はカラダを冷やす陰性食品。ならばヨーグルトはどうか。「ヨーグルトは陰性でも陽性でもなく、カラダを冷やしも温めもしませんが、そこに蜂蜜を加えると陽性食品になります」。

⑥ パンのお供はコンソメよりポタージュ。

パンのお供はポタージュ

ランチをパンでサッと済ませるなら、そのお供はコンソメよりポタージュで。コンソメとは澄んだスープの総称で、ポタージュはとろみがついたスープの総称。とろみがある方が冷めにくく、温活には向いている。水溶き片栗粉でとろみをつけた中華スープもいい。

⑦ 仕事の合間に腹式呼吸を10回。

仕事の合間に腹式呼吸

ストレスがあると血管を縮める交感神経が優位となり、冷えが起こりやすい。お腹を膨らませるように鼻から息を吸い、お腹を凹ますように口から吐く腹式呼吸をすると心身がリラックス。血管を開く副交感神経が優位となり、血流がアップして冷えが避けられる。

夕方〜夜の「温活」7つのティップス。

疲労回復に睡眠は不可欠だが、冷えがあると眠りにくい。ヒトは一度上がった体温が下がるときに寝入りやすいが、冷え性はこの体温の落差が演出しにくいからだ。夕方以降に体温を上げ、その後安眠へ誘おう。入浴は就寝時刻の1時間前までに終えるとちょうどいい。

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① “三首”を温める。

“三首”を温める

手首足首首すじを“三首”と総称する。三首は、心臓から出た血液を運ぶ動脈が体表の近くを通っており、外部からの影響を受けやすい。手首はリストウォーマー、足首はレッグウォーマー、首すじはマフラーやタートルネックでカバーして温めると冷えに効く。

② 手浴・足浴でもOK。

手浴・足浴でもOK

全身の血液は5L程度。限られた血液が、つねにカラダを循環している。浴槽入浴ができないときは、洗面器などにお湯を張り、手や足を浸けるだけでも、温まった血液を全身に巡らせることができる。バスタイム以外でも、冷えを感じるときに手軽にトライしたい。

③ お酒を飲むなら白ワインより赤ワイン。

ワインは白より赤

少量のお酒は血管を開いて血流を促し、カラダを温めてくれる。どうせ飲むなら、白ワインよりも赤ワイン。白ワインはカラダを冷やす陰性食品で、赤ワインは温める陽性食品だからだ。陰性のお酒にはビールウィスキー、陽性のお酒には日本酒や梅酒などがある。

④ 毎日浴槽入浴。バスソルトを入れる。

毎日浴槽入浴。バスソルトも使おう

自宅で浴槽入浴するなら、ぜひ活用したいのは自然塩によるバスソルト。自然塩には血行を促す効果が期待できる。加えて、バスソルトをシャワーなどで洗い流さずに出ると、自然塩が天然の皮膜を作って全身を覆うので、その後しばらく優れた保温作用を発揮する。

⑤ 緑茶よりも紅茶をチョイス。できたら生姜紅茶を飲む。

緑茶よりも紅茶。生姜紅茶は尚良し。

発酵食品はカラダを温める陽性食品。緑茶=ヘルシー飲料というイメージが強いけれど、緑茶よりも茶葉を発酵させている紅茶烏龍茶プーアル茶の方が陽性食品で温活に向く。「紅茶にすり下ろした生姜を入れた生姜紅茶はカラダを温める最強のホット飲料です」。

⑥ 週に2回はスーパー銭湯やサウナに行く。

スーパー銭湯やサウナを活用

単純な話、カラダを温めるなら、お風呂に入るのがいちばん。それも手足が思い切り伸ばせる大浴場を備えたスーパー銭湯や、芯からポカポカになれるサウナがベストチョイス。一種のトレーニングだと思って、残業のない平日1回+週末1回で週2回通ってみよう。

⑦ 「3・3・3入浴法」を試す。

3・3・3入浴法

温活のために石原先生が薦めるのが「3・3・3入浴法」。「約42度のお湯に3分浸かり、そこから出てカラダを洗って3分冷ますことを、計3回繰り返します」。お湯に浸かっている時間は、わずか9分だが、汗がしばらく止まらないほどポッカポカになる。

血の巡りをいかによくするか。

運動不足の弊害はもう一つある。筋肉は、心臓を助けて血液を巡らせるポンプでもある。深部で作った熱を末端まで運ぶのは血液だから、筋肉が減ると手足などの末端が冷えやすくなる。胃腸が弱い、皮膚が青白い、朝から元気がない…のは、血の巡りが悪いサインである。

ストレスがあると、自律神経のうち血管を縮める交感神経が優位になりやすい。血管が縮むと血流が滞り、冷えが生じやすくなるから要注意。

入浴はカラダを温め、血管を広げて血流を良くするから一石二鳥だ。 入浴以外でも日常生活の工夫で、冷えのV字回復による疲労のリセットは可能。名付けて“温活”。この記事で紹介してきた、石原先生のアドバイスを元に作った温活プランで、冷えを解消したい。

取材・文/井上健二 イラストレーション/森千章 取材協力/石原新菜(イシハラクリニック副院長)

初出『Tarzan』No.797・2020年10月8日発売

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