• 1日10分で代謝もストレス耐性も上がる! 週2で実践したいHSP入浴法とは?
CONDITIONING
2018.10.10

1日10分で代謝もストレス耐性も上がる! 週2で実践したいHSP入浴法とは?

20181006_bath_1

体内のタンパク質の合成や修復に関わるのがHSP。これを増やす入浴法を実践すれば、代謝が上がり疲労も回復して、いいことづくめ! 入社2年目の「ワカゾーくん」とベテラン社員の「ダンディ先輩」の会話から、その極意を学ぼう。

入浴にはシャワーでは得られない代謝アップ効果があるんだよ。

20181006_bath_6
左/ダンディ先輩。チョビヒゲとゼニアのスーツがトレードマークのベテラン社員。右/ワカゾーくん。イマイチ仕事の要領が摑み切れていない入社2年目ひよっこ社員。

ワカゾーくん は〜今日も疲れた。家に帰って風呂入って寝よっと。

ダンディ先輩 ほほう、感心感心。疲労回復にはやっぱり風呂が一番だよ。

ワカゾーくん あっ、今日もヒゲの手入れが完璧なダンディ先輩!

ダンディ先輩 ところでワカゾーくんはどんな入浴剤を使ってるんだい? ワタシの最近のお気に入りはサボンのバブルバスなんだが。

ワカゾーくん えっ? 入浴剤ですか。風呂入らないんで分かんないす。

ダンディ先輩 なんだって? たった今、家に帰って風呂入って寝よって言ってたじゃないか。

ワカゾーくん いやそうですけど、風呂に入るけど風呂には入らないんです。ああ日本語ってややこしいな。つまり浴槽には浸からないんです。

ダンディ先輩 ふーむ。シャワー派というわけか。それじゃ疲れは取れないな。ついでに代謝も落ちる一方だ。

ワカゾーくん ええっ! それはまたどういうわけで?


説明しよう。入浴にはシャワーでは得られないお得な作用がある。

ひとつは温熱効果。お湯でカラダが温められることで血行がよくなる。さまざまな臓器や組織が活発に活動するためには酸素や栄養が必要で、それらを運ぶのは血液だ。だから代謝が上がる。

さらに、体温が上がると酵素反応のスピードが上がる。温度が10度上がれば反応速度は2倍になるといわれているんだ。40度の湯に15分浸かると体温は約1.5度上がるが、同じ温度の湯をシャワーで浴びても0.5度程度しか上がらない。当然、前者の方が全身の酵素反応が促され、代謝がアップするわけだ。

20181006_bath_5

もうひとつは静水圧作用だ。水圧がかかることで血管が圧迫され、血流がさらによくなる。リンパ管も圧迫されるので老廃物の除去にも有効、むくみの緩和にも繫がる。これもまたある意味で代謝アップだな。

代謝アップに直接関わらないが、もうひとつおまけもあるぞ。浮力だ。湯の中では体重が陸上の9分の1から10分の1に感じられる。姿勢を維持する抗重力筋がリラックスできるし関節への負荷もリリースできるんだ。せっかく風呂に入るなら入浴しなきゃ損ってものだよ。

月曜日から疲れるのは体温の低さと関係あるのかな?

20181006_bath_4

ワカゾーくん それでなのかあ。僕、月曜の夕方頃から早くも週末の夜中並みに疲れちゃうんです。

ダンディ先輩 ワカゾーくん、この体温計でちょっと体温測ってみたまえ。

ワカゾーくん 突然ですねダンディ先輩。そして何でも持ってるんですね。ピピッ。

ダンディ先輩 ふーむ35.5度……やっぱりか。

ワカゾーくん はあ僕、極端に低体温なんです。朝一番なんて35度で。ときどき自分でも死人かよ!って思います。

ダンディ先輩 そんなことだからすぐ疲れてしまうんだよ。ワカゾーくん、キミは圧倒的にHSP不足だ!

ワカゾーくん (H)ホんとに、(S)スごい、えーとPだから、パんつ?

ダンディ先輩 ワタシはDAIGOじゃないんだぞ。HSPとはヒートショックプロテインのことだ。

ワカゾーくん ダンディ先輩、それは一体?


説明しよう。ヒートショックプロテイン、HSPは誰もがカラダの中に持っているある種のタンパク質だ。

細胞の中でタンパク質は時々刻々、すごいスピードで合成や分解を繰り返している。タンパク質は複雑に折り畳まれた構造をしているが、新しいタンパク質が合成されるときHSPはそのタンパク質が正しい構造になるよう誘導する。

そして、正常なタンパク質ができると、然るべき場所に誘導してここで機能するよう申し渡す。何らかのストレスによってタンパク質が壊れると、今度は壊れたタンパク質の修復に努める。あまりに壊れっぷりがひどいときは、速やかに分解されるよう促すのもHSPの仕事だ。

HSPはタンパク質の一連の代謝を見守る介添人のようなもの。その働きが十分に機能していれば、人はちょっとやそっとのストレスに負けず健康に生きられる。だが、低体温のワカゾーくんはHSPが健全に働いていない可能性が高いのだ。

20181006_727_02
HSPはタンパク質の合成、修復、分解に関わる。
HSPはある種のタンパク質が正しい折り畳み構造になるよう誘導、壊れたタンパク質を修復し、修復しきれないタンパク質を分解する。

HSPのピークは入浴2日後! この法則を利用したまえ!

20181006_bath_3

ワカゾーくん じゃあ僕が疲れやすいのもしょっちゅう風邪をひくのも上司に叱られてすぐ凹むのも、みんなHSPが働いていないせいなんですか!?

ダンディ先輩 その可能性は高いと思うね。

ワカゾーくん どどどうすればいいんですか? そのヒートショックパンツを増やすためには!?

ダンディ先輩 パンツじゃなくてプロテイン。キミ、意外と思い込み激しいな。心配しなくてもHSPは案外簡単に増やせるから大丈夫。

ワカゾーくん その方法教えてください!


では特別に教えてあげよう。HSPはストレスによって増加するという特性を持っている。暑さ寒さ、紫外線、物理的刺激、低酸素状態、精神的なストレスでも同様に増加する。でも、最も心身に負担をかけずに済むストレスが入浴による熱ストレスだ。

通常、細胞内のHSPはHSFという転写因子と結合しているが、熱ストレスによってHSPが傷害されたタンパク質を修復するため離れていく。すると残ったHSFが細胞の核内でHSPのDNAを転写し、HSPが増えるという仕組み。ちなみに、HSPには分子量が異なる多くの種類があるが、熱ストレスに最もよく反応するのはHSP70というHSPの代表格だ。

HSPは入浴によって体温が上昇することで増える。舌下温で38度くらいを目指すのが目安だ。1回の入浴で1.2〜1.5倍くらいに増え、平均的には入浴2日後をピークにその後はゆるゆる落ちていく。なので、もし大事なプレゼンやスポーツの試合などが控えているときは2日前に入浴するのがおすすめだ。

ただし、35度くらいの低体温の人が1週間続けてHSP入浴をした結果、体温が36.5度になったという報告もある。低体温の人は、まずそこから始めてみるのもおすすめだ。

20181006_727_01
HSPが増加するメカニズム
HSPは細胞内ではHSFという転写因子と結合している。転写因子とは遺伝情報をコピーする物質。熱ストレスでタンパク質が変性すると、その修復のためにHSPがHSFから離れる。で、HSFが核内でHSPの遺伝情報を転写し、HSPが増加。

十分に水分補給し、入浴後は10分保温。ビールはしばし我慢だ!

20181006_bath_1

ワカゾーくん 早速、帰って風呂に入ってHSPを増やすぞ!

ダンディ先輩 おいおい、待ちなさい。まだどうやって入浴したらいいか分かってないだろう。

ワカゾーくん えっ? バスタブにお湯を張って浸かればいいんじゃ?

ダンディ先輩 チッチッチッ、仕事同様、まだまだ詰めが甘いねワカゾーくん。ただ単に湯に浸かればいいというわけじゃないんだ。

ワカゾーくん うっ、何気にイヤミをぶっこんでくるんですね、ダンディ先輩。じゃあ教えてくださいよ、正しいHSP入浴法ってやつを。

ダンディ先輩 ふっ、ワカゾーくんも最近の若造のようにすぐ拗ねてしまうタイプなんだね。

ワカゾーくん すいません! 拗ねてません! どうか教えてください〜!


仕方ないので教えてあげよう。HSP入浴法の最大のポイントは湯温と時間、そして保温だ。

42度のお湯に10分、41度なら15分、40度なら20分浸かるというのが基本。この温度と時間で体温はおよそ38度に上昇する。効率を高めたいなら炭酸系の入浴剤を利用しよう。血管が拡張するので5分程度早く体温が上がる。その場合は41度で10分、40度で15分浸かればよし。ただし、42度の場合は5分では体温が上がり切らないので8分程度は浸かること。

できれば肩までしっかり浸かるのが理想だが、もしも辛く感じるときは、ときどき肩を湯から出したり、短時間であれば、途中、湯船から出てもいい。

汗が出にくい人は入浴前や入浴中にコップ1杯の常温の水を補給しよう。入浴後に水分補給をするときも、やはり常温で。入浴後は10分間、体温を37度程度に保温することもポイント。最も効率的なのはバスローブやバスタオルをかけて浴室で10分休憩することだ。

お湯の温度と時間
42度10分
41度15分
40度20分

HSP入浴法で体温が上がって代謝もアップした!

20181006_bath_2

低体温の人が1週間HSP入浴法を続けると、体温が上がる。その分基礎代謝も向上すると考えられる。基礎代謝が上がれば日常生活活動もアクティブになり、より代謝はアップするはずだ。

ただし、やりすぎは禁物。運動でもHSPは増えるが、アスリートにそうした運動をしてもらった実験では、3週間目まではHSPが増加したが、4週間目で低下したという。

最適の頻度は週2回。このペースでHSP入浴を継続すると、さまざまな効能が期待できる。

紫外線ストレスに強くなり、シミやシワができにくくなる。体内に乳酸が溜まるスピードが遅くなり、スポーツでの疲労予防効果とパフォーマンスアップに繫がる。NK細胞という免疫細胞の活性が上がり、免疫力がアップする。筋肉痛の軽減にも有効という実験報告もある。

HSPはもともとカラダが持っている自然治癒力のひとつと言えるだろう。


ダンディ先輩 ワカゾーくん、最近なんだか元気そうじゃないか。今日は金曜日なのに疲れた様子もないし。

ワカゾーくん そうなんです、ダンディ先輩!あれからHSP入浴法を試してみたら、すっかり疲れにくくなって平均体温が36度7分に上がりました!

ダンディ先輩 それはすごいじゃないか! でもなんでサッカーのユニフォーム姿なんだ?

ワカゾーくん 今日はプレミアムフライデーで、これからフットサルの試合です!

ダンディ先輩 こんな時間から仕事を放り出すとは、いい度胸だな。

ワカゾーくん ハイ! 全然、凹みません!

ダンディ先輩 おお、その打たれ強さ! 今まさにキミのカラダの中でHSPが活発に働いているってことだね!

取材・文/石飛カノ イラストレーション/ホセ・フランキー 取材協力/伊藤要子(HSPプロジェクト研究所所長、医学博士)

(初出『Tarzan』No.727・2017年9月28日発売)

Tarzan 公式アカウントから
最新情報をお届けします。

メンバーシッププログラムSTART! CLUB Tarzan