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「コロナ共生時代」のジム活用術! 自宅トレと組み合わせて全身を鍛える、短時間利用で結果を出す

「短時間で効率的に」が、ジムを利用するうえで最も重要なキーワード。ジムだからこそできるトレーニングを優先して、1時間以内で最高の効果を得るのだ。ジム×自宅の具体的な全身メニューも。

① 滞在時間を最小限にするため、利用は1回1時間以内に留める。

感染を防ぐにはジムの滞在時間を最小限に留めることも重要。これからはなるべく1時間でジムトレが終えられるようにプランニングしよう。実際、ジムのなかには、利用を1時間以内にするように求めているところもあるようだ。

ただし、2時間×週3回のジムトレをしていた人が、同じトレーニングを1回1時間で済ませるために週6回通ってしまったら、感染症をもたらすウイルスに曝露されるリスクはまったく同じ。

ジム以外でも行えるトレーニングは自宅などで行い、ジムでないとできない運動に絞って取り組もう。ジムトレと自宅トレの二刀流が、コロナ共生時代のトレーニングライフの正解なのである。

② 時間がかかる有酸素運動は、できるだけジムでは行わない。

コロナ共生時代は「自宅でできることをジムでするな」が合言葉。自宅トレに回すべきは、有酸素だ。ジムでの有酸素の代表格は、トレッドミルなどのマシントレと、スタジオで行うプログラム

いずれも時間がかかりすぎるから、コロナが収まるまでは時短化するために泣く泣くパス。自宅周辺を走ったり、オンラインでプログラムに参加したりすれば、ジムでの有酸素トレと同等の効果がある。

ハードすぎる有酸素トレは息が上がり、飛沫感染の恐れが高まる。ゆえにジムでのマシントレもスタジオプログラムも、強度を落とすことが求められる。自宅トレならばうつす&うつされる心配はないから、好きな強度でより自由に鍛えられるという利点もある。

③ 筋トレはマシンでもバーベルでも背中と脚をとにかく重視する。

ジムでは有酸素をパスし、筋トレに特化する。なかでも真っ先にやりたいのは、背中と脚の種目。どちらも自宅トレでは鍛えにくく、ジムでこそ効率的に質の高いトレーニングがこなせるからだ。

背中を鍛えるプル動作は、自宅ではやりにくい。ジムのチンニングバーラットプルダウンなどを駆使し、オールアウトさせよう。

脚はタフなので、確実に筋肥大させるには高負荷で鍛えた方がいい。スクワットでも鍛錬できるが、自宅だと重たいダンベルバーベルが揃わない。ジムならレッグプレスなどのマシンを使い、初心者でも安全に高重量で鍛えられる。全身やろうとすると1時間以上かかるから、ジムで鍛えなかった部位は自宅トレでカバーしたい。

ジム×自宅の具体的な全身メニュー。

① ジムで行う30分ルーティン。

自宅よりジムの方が有利な背中と脚の種目を軸に、筋トレのプログラムを考える。通常は下半身⇒上半身の順に行うが、今後は自宅でより鍛えにくい背中を優先。ラットプルダウンベントオーバーロウデッドリフトの3種目で背中を刺激する。次にレッグエクステンションレッグプレスレッグカールの3種目で脚を攻める。

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① ラットプルダウン(広背筋・僧帽筋)

ラットプルダウン(広背筋・僧帽筋)

肩幅よりも広めに両手でバーを握って坐り、膝が浮かないようにパッドで固定する。背すじを伸ばして胸を張る。肘を脇腹に突き刺すようにバーを鎖骨に引き下げ、元に戻す。

② ベントオーバーロウ(広背筋・僧帽筋)

ベントオーバーロウ(広背筋・僧帽筋)

両足を肩幅に開いて立ち、股関節から上体を前に深く倒し、肩幅でバーベルを握る。上体を45度ほど前傾し、背すじを伸ばして胸を張り、バーベルをお腹まで引き寄せ、元に戻す。

③ デッドリフト(脊柱起立筋・広背筋・大臀筋)

デッドリフト(脊柱起立筋・広背筋・大臀筋)

両手でバーベルを握り、ベントオーバーロウと同じ開始姿勢に。踵で床を押し、バーベルを引き上げてまっすぐ立ち、バーベルが膝より低い位置まで戻す。

④ レッグエクステンション(大腿四頭筋)

レッグエクステンション(大腿四頭筋)

回転軸(ピボット)が膝と一致するように調整して坐る。シートにお尻から頭までつけ、フットローラーに両足首をかける。膝をしっかり伸ばしてローラーを押し上げ、元に戻す。

⑤ レッグプレス(大腿四頭筋・大臀筋)

レッグプレス(大腿四頭筋・大臀筋)

プレートに両足を肩幅で置いたときに、両膝が90度曲がるように調整して、シートにお尻から頭までつけて坐る。踵でプレートを押す気持ちで両膝をしっかり伸ばし、元に戻す。

⑥ レッグカール(ハムストリングス)

レッグカール(ハムストリングス)

回転軸(ピボット)が膝と一致するように調整してシートでうつ伏せになる。フットローラーに両足首をかける。膝をしっかり曲げてローラーをお尻に引き寄せたら、元に戻す。

いずれも一度に10回反復するのがやっとという負荷を用い、限界まで10回×3セット行う鉄板プログラムで。1種目約5分×6種目だから、最短30分で終わる計算だ。

② 自宅で行う30分ルーティン。

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① ダンベルプレス:胸(大胸筋)

ダンベルプレス:胸(大胸筋)

両手にダンベルを持ち、お尻から頭までベンチにつけて仰向けに。両足を床に下ろす。前腕を床と垂直に保ち、ダンベルを胸の横で構える。肩の真上にダンベルを押し上げ、戻す。

② サイドレイズ:肩(三角筋)

サイドレイズ:肩(三角筋)

両手にダンベルを持って肩幅で立ち、ダンベルを肩の真下で下げる。膝を軽く曲げ、上体を股関節からわずかに前傾。肘の角度を保ち、肘が肩の高さに来るまで引き上げ、元に戻す。

③ アームカール:上腕前側(上腕二頭筋)

アームカール:上腕前側(上腕二頭筋)

片手にダンベルを持ち、ベンチか椅子に坐る。両足を開き、上体を前傾させてダンベルを肩の真下で下げ、肘を同じ側の太腿内側に直角に当てる。肘を曲げてダンベルを上げ、戻す。

④ トライセプス・エクステンション:上腕後ろ側(上腕三頭筋)

トライセプス・エクステンション:上腕後ろ側(上腕三頭筋)

片手にダンベルを持ち、反対の手と膝をベンチにつき、上体を深く倒す。ダンベル側の上腕を床と平行に上げ、肘を曲げて脇を締める。肘を固定し、ダンベルを後ろに上げ、戻す。

⑤ クランチ:腹部(腹筋群)

クランチ:腹部(腹筋群)

ふくらはぎを椅子の座面かベンチに乗せて仰向けに。膝と股関節を90度曲げる。両手でプレートを持ち、両腕を床と垂直に。プレートを天井へ上げるように上体を起こし、戻る。

筋肥大狙いなら、ジムトレと同じく10回×3セットが王道。ただしジムとは勝手が違い、一度に10回でギブというレベルまでウェイトを無制限に上乗せできる環境ではない。そこで自宅トレは、有り余る時間を味方に付ける。10回でオールアウトできるように、できるだけゆっくり動かすと効果的だ。

取材・文/井上健二 撮影/谷尚樹 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 撮影協力/ゴールドジム原宿東京

初出『Tarzan』No.795・2020年9月10日発売

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