守りたい! スポーツジムの新しいルール&マナー6
これからの新生活様式はジムでも実践すべき。他人を、自分を守るために気をつけておきたい、スポーツジムでのルールとマナー。
取材・文/井上健二 撮影/谷尚樹 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 撮影協力/ゴールドジム原宿東京
初出『Tarzan』No.795・2020年9月10日発売
目次
① 空いている時間帯を見定めて通う。
ジムには平日の夕方など、混雑する時間帯がある。3密に陥るのは避けたいから、空いている時間帯を見極めて通おう。ジムのなかには、混雑率をリアルタイムで知らせるサービスを始めたところもある。
それ以外のジムでも、常駐しているスタッフに「いつ頃が比較的空いてますか?」と聞いたら、店舗ごとに3密が避けられる曜日や時間帯を教えてくれるだろう。
またどういう状況でもソーシャルディスタンスの確保を心掛けて。最低1m以上、可能なら2mの対人距離をキープしよう。空いているはずの時間帯でも、予想外に混んでいてソーシャルディスタンスが保てないと感じたら、思い切ってUターンして出直したい。
② 事前のアルコール消毒+検温を必ず行う。
減量中は毎日体重や体脂肪率を測るべきだが、コロナ共生時代は日々の体温チェックが不可欠だ。新型コロナの症状の一つは発熱だから、万一発熱したら自宅待機。むろんジムには行かない。
発熱以外の風邪の症状、倦怠感、息苦しさ、味覚や嗅覚の異常など、新型コロナ感染が疑われるときも、自宅待機でジムは利用しない。新型コロナ陽性者との濃厚接触が疑われる場合も同様。いずれも、かかりつけ医か保健所に相談しよう。
加えてジム入館の際も、検温を行って発熱がないことを再確認。消毒液で手指を入念に消毒する。新型コロナ陽性者が出たら、その店舗は消毒のために一時的な休業を迫られる。快適なジムライフを守るために万全の体調管理を。
③ マスクかネックゲーターを着用。
外出時のマスク着用は、いまや世界の常識となった。ジム利用の際にも、口と鼻を覆うマスクかネックゲーターを着用し、飛沫感染のブロックに努めたい。
筋トレはマスク着用でもなんとかなるが、トレッドミルなどのマシンやスタジオでの有酸素運動はマスクをしたままだと、しんどいもの。
有酸素は自宅トレに切り替えるのがニューノーマルだが、どうしてもジムでやりたいなら、強度を控えめに。マスクをしていても息苦しくない低強度でトレーニングする。ジム側でも、スタジオプログラムの強度を落とすなどの感染予防策を取っている。自分で強度を設定するトレッドミルやバイクなどはペースを普段よりダウンさせて使おう。
④ シューズは履き替える。
日本の新型コロナの死亡率が、欧米諸国と比べて低い理由は、自宅でシューズを脱いで過ごす習慣にあるという説がある。確かにシューズを脱げば、ソールに付いたウイルスの侵入が水際で防げる。その真偽は不明だが、たとえ土足OKのジムでも、ジムは専用のシューズで利用すれば、自宅への万一のウイルス侵入が避けられる。
また新型コロナは、トイレで感染する可能性が否定できない。感染者が使用後に水を流すと、空気中を漂う目に見えない粒子であるエアロゾルが舞い、ウイルスが床などに付着することも考えられる。ジムでトイレを使ったら、いつも以上に丁寧に手を洗い、シューズのソールも念のためにアルコールなどで消毒しておこう。
⑤ 前後にグリップをアルコール消毒。
コロナ蔓延のずっと以前から、マシンを使ったら、あとで使う人のために、シートについた汗などを拭いてキレイにするのが最低限のマナーとされてきた。これまでは汗拭き用の小さなタオルが準備されていたが、タオルの共有は感染リスクを広げかねない。
そこでアルコールなどの消毒液を吹きかけ、使い捨てのペーパーやウェットティッシュなどで拭くのが、新たなマナーとなった。
シートだけではなく、手で持つマシンのグリップ、バーベルやダンベルのシャフトの消毒もお忘れなく。コロナは接触感染でも広がることが知られているから、使用前には消毒&拭き取りを行い、使った後も次の人のために同様に消毒&拭き取りを実施しよう。
⑥ ロッカールームでの会話を控える。
ジムではマスクをつねに着けるべきだが、ロッカールームでは、シャワーを浴びるためマスクを外す必要がある。そのときに知人と話し込んだりすると、飛沫感染が起こりやすい。事実、厚生労働省に助言する専門家会議は、あるスポーツジムで生じたクラスターでは、ロッカールームがハブとなった可能性を指摘している。
さらにロッカールームは手狭で密になりやすく、換気が不十分なケースもある。感染予防を徹底するなら、ロッカールームには寄らないで、着替えてから出かけて、シャワーも浴びずに自宅に帰るという利用法も考えられる。
ジムエリアでも、仲間同士でトレーニングするときは、たとえマスク越しでも会話は控えたい。