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トレーナーが語るレジェンドの筋肉|筋肉図鑑・番外編(アーノルド・シュワルツェネッガー)

筋肉に迫る本連載。今回も超人的な筋肉を誇る“レジェンド”をトレーナー目線で分析する番外編をお届け。ボディビルダーとしても活躍する岡田隆さんがアーノルド・シュワルツェネッガーの筋肉を解説する。

アーノルド・シュワルツェネッガーの筋肉
1947年生まれ。オーストリア出身、アメリカ在住。元ボディビルダー、映画俳優、元カリフォルニア州知事、実業家など数々の顔を持つ。89年より主催する『アーノルド・スポーツフェスティバル』のボディビル競技『アーノルドクラシック』は全世界のビルダーの憧れ。インスタは@schwarzenegger
岡田隆さんが選んだ推し筋肉TOP3
  • 第一位 上腕二頭筋
  • 第二位 広背筋
  • 第三位 大胸筋

この3つこそ彼の筋肉美を形作る代表的な筋肉と岡田さん。「解剖学的に優れた遺伝的素質とそれを開花させるテクニックを兼ね備えたアーノルドにしか到達できない領域。自分の精神に迫る追い込みももちろん不可欠です」。

ボディビル世界チャンピオンに輝いた70年代から、とにかく全身のバランスが完璧です。今の選手ほど筋肉が大きいわけではありませんが、自然な筋肉美があり、一般の人にもかっこいいと思わせるカラダでした。

まずは上腕二頭筋にご注目。ピーク(二頭筋の頂点)が高い! アーノルドは筋肉を“最大収縮”させる動きが非常に上手です。アームブラスターというアームカールなどで使う器具があり、それを活用して肩を限界まで下げて行っています。二頭筋を最大限収縮させるには、この肩を下げる意識が大事。肘を固定してダンベルを上げ下げするコンセントレーションカールにも応用できます。

アーノルド・シュワルツェネッガーの筋肉

Vシェイプを作る広背筋も、腰の付近から脇の下にかけて広がっています。彼のベントオーバーロウイングは実に特徴的! この種目を教科書的に説明すれば背中を真っ直ぐに保ってバーベルを引く動作ですが、彼は上背部のみを丸めて行うことで広背筋にダイレクトに効かせる。よほど筋トレが上手でないと腰をケガします。まずは懸垂のように上から腕を引く種目で鍛えましょう。懸垂をする場合、手幅を狭めで行う時は逆手、広めの時は順手で行うのが広背筋を満遍なく鍛えるコツです。

そして大胸筋! 面積が広く立体的なフォルムで、摑めそうですよね(笑)。ダンベルフライという定番の種目で彼は十分に胸を伸展させています。これに倣ってディップスを行う時は胸を張ること。それにより大胸筋下部から外側の筋線維がしっかりと刺激されるので、アーノルドのような“大胸筋の輪郭”を作るのにおすすめです。

アーノルド・シュワルツェネッガーの筋肉
映画『ステイ・ハングリー』(1976年)ではビルダー役を務めた。球状に近い上腕二頭筋と正面からも目視できる存在感のある広背筋は圧巻。

詳しく触れられませんでしたが、脚もすごく綺麗でバランスが追求されています。よく「ジムトレの方が効率的」という意見がありますが、筋肥大に関しては確かにその通り。でも『ターザン』読者にはビルダー志望の人は少ないですよね? であるならば、自宅トレで“アーノルドのようにバランスを磨くこと”にもっと可能性を感じていただきたい。そうして作られた筋肉美にも十分な“破壊力”があるものです。

PROFILE
岡田隆(おかだ・たかし)
岡田隆(おかだ・たかし)/日本体育大学体育学部准教授。ボディビルダー、トレーナーとしても活躍。小2の頃に映画『コマンドー』でアーノルドが空港内を走るシーンで大胸筋が揺れているのを見て、筋肉の魅力に取り憑かれる。

取材・文/門上奈央 写真/アフロ

初出『Tarzan』No.790・2020年6月25日発売

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