タンパク質、「ボリューミーな筋肉マッチョになりたい」人はこう摂れ!

おこもり生活だからこそ、食生活改善は可能。タンパク質でカラダを変えよう!

取材・文/井上健二 撮影・取材協力・料理製作/河村玲子 イラストレーション/加納徳博

初出『Tarzan』No.789・2020年6月11日発売


【目指すカラダ別・タンパク質摂取法】

  1. A. メタボ体型から痩せて健康になりたい!
  2. B. 免疫力の高いカラダになりたい!
  3. C. 俊敏な細マッチョになりたい!
  4. D. ボリューミーな筋肉マッチョになりたい! (本記事)

タイプD「筋肉マッチョになりたい!」

糖質&脂質もタンパク質と一緒に摂る。

巣ごもり時間を有意義に使えば、細マッチョからボリューミーな筋肉マッチョに成長するのも夢ではない。筋肉で体重を増やしてバルクアップしよう。

筋肉の礎となるタンパク質はむろん増量するが、タンパク質だけではマッチョは作れないので、糖質も脂質も減らさないできちんと摂る。

自宅で筋肉マッチョになるには、筋トレをかなり頑張らないとダメ。胸、肩、腕、背中、お尻・脚と5部位に分割したスプリット・ルーティンで1日1部位、週5回ペースで鍛える。自宅で高負荷を扱うのはリスキーだから、15〜20回×3〜4セットの中負荷高回数で完全オールアウト。腹筋は週イチでは効かないから、毎回最後に行う。

太っているわけではないので、体脂肪を燃やすランのような有酸素運動は不要。逆に有酸素を熱心にやりすぎると、筋肉が消耗してマッチョに育たない恐れもある(ボディビルダーも減量期以外、有酸素を真剣にはやらない)。その分筋トレに思う存分集中せよ。

タンパク質は「分割して」摂る。抗酸化物質でストレスもケア。

トレーニングによる消費量が多いし、カロリーを減らすとパワーが出ないから筋肉マッチョにはなれない。目標摂取カロリーは、1日2,400kcalとやや多めの水準に設定しよう。脂質由来エネルギー比率は25%なので、食材と献立はわりと自由にチョイスできる。

タンパク質は体重1kg当たり1日2g。体重65kgなら1日130gだ。3食のみで補おうとすると、一度に摂るタンパク量が多くなりすぎてしまい、体内で効率良く筋肉に代謝されにくくなる。タンパク質を無駄にしないために3食+間食+就寝前という1日5回に分割。毎日食事だけでカバーするのは難しいから、追加の2回分はプロテインを利用する。

筋肉マッチョになりたい人のタンパク質摂取の目安

プロテインは2タイプをタイミングに応じて使い分ける。筋トレ直後は素早く吸収されるホエイプロテイン。オフ日は間食の代わりとする。眠る前は睡眠中に少しずつ吸収され、筋肉の分解にブレーキをかけて肥大を助けるカゼインプロテインをセレクトしたい。

筋トレの負荷が高いとストレスになるし、有害な活性酸素も増える。ストレスに抵抗するビタミンCや抗酸化物質を摂り入れたい。疲労の蓄積を避けるためにクエン酸やビタミンB1といった栄養素もお忘れなく。

1日の食事は、例えばこんな感じ。

1/20
朝食の例
【朝食】缶詰やレトルトで タンパク源をストック。/タンパク源はツナと茹で大豆。どちらも缶詰やレトルトパックがあり、ストックしやすく、動物性と植物性のタンパク質が両方摂れる。カロリーを過剰に減らさないため、あえてマヨネーズで和える。ブロッコリーは、ストレスに対抗するビタミンCと抗酸化作用があるβ-カロテンを含む緑黄色野菜。冷凍食品を買っておくと出番が増やせる。味噌汁の具材にしたちくわにもタンパク質が含まれているし、いい風味も出る。
昼食の例
【朝食】缶詰やレトルトで タンパク源をストック。/タンパク源はツナと茹で大豆。どちらも缶詰やレトルトパックがあり、ストックしやすく、動物性と植物性のタンパク質が両方摂れる。カロリーを過剰に減らさないため、あえてマヨネーズで和える。ブロッコリーは、ストレスに対抗するビタミンCと抗酸化作用があるβ-カロテンを含む緑黄色野菜。冷凍食品を買っておくと出番が増やせる。味噌汁の具材にしたちくわにもタンパク質が含まれているし、いい風味も出る。
夕食の例
【夕食】細切れ肉さえあれば、 主菜はアレンジ自在/キムチは野菜が摂れるし、調味料代わりにもなる有能な発酵食品。豚コマ肉と炒めるだけでタンパク質リッチな主菜となる。豚肉は、エネルギー代謝をスムーズにして疲れに効くビタミンB1を含んでいる。朝食が白米だったので、主食は雑穀米にして白米に足りない食物繊維やミネラルなどを補う。モズク酢からは、やはりクエン酸が摂れる。モズク酢に乗せたトマトもオクラも、ビタミンCとβ-カロテンを含む緑黄色野菜。トマトのリコピンは抗酸化作用にも定評がある。
間食の例
【間食】筋トレ直後は糖質アリ、眠る前は糖質ナシのプロテイン/ホエイは生乳の液体部分でヨーグルトの上澄み。これを精製したホエイプロテインは吸収率が高い。筋トレ後は筋合成を助けてくれる糖質入りを選ぶ。カゼインはチーズの原料となる生乳の固形分。眠る前には余分なカロリーは欲しくないので、糖質をあまり含まないプロテインをチョイスする。