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タンパク質、「メタボ体型から痩せて健康になりたい」人はこう摂れ!

おこもり生活だからこそ、食生活改善は可能。タンパク質でカラダを変えよう!

カラダ作りの鍵は何といっても食事。何をどう食べるかを考えるとき、カロリーとその中身に目を向けるのが早道だ。カロリーになる糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素のうち、タンパク質をコントロールすると体型は整いやすい。

今回は目指すカラダをAからDまで4タイプに分類。太った人が筋肉マッチョに大変身するまでをフォローする。各々のタンパク質の摂取法をマニュアル化してある。


【目指すカラダ別・タンパク質摂取法】

  1. A. メタボ体型から痩せて健康になりたい!(本記事)
  2. B. 免疫力の高いカラダになりたい!
  3. C. 俊敏な細マッチョになりたい!
  4. D. ボリューミーな筋肉マッチョになりたい!

タイプA「痩せて健康になりたい!」

目標は、BMI「24.6」を「22」にすること。

日常生活で消費しているカロリーの20〜30%は、通勤などによる生活活動によるもの。テレワーク+外出自粛で活動量が減り、巣ごもり中に間食などが増えると、体重はじわじわ右肩上がりになる。いわゆるコロナ太りだ。

このタイプの想定は、身長と体重から割り出すBMI(体重をメートル換算した身長で2回割ったもの)が、24.6。BMI25以上が肥満だから、まさに瀬戸際。生活習慣病を招くメタボ体型だ。もっとも健康とされるBMI22になる体重(身長171cmなら、体重65kg)までダイエットしたい。

痩せるには、食事からの摂取カロリーを抑えながら、運動して消費カロリーを増やすしかない。とはいえハードな運動は必要ない。散歩気分のウォーキングから始め、途中で気分が乗ったら軽く走る「インターバルジョグ」を週2回ほどやってみよう。走るのが苦手でも、休み休みなら案外楽勝。運動中の筋肉分解と疲労を避けるため、スタート前にBCAAを摂っておこう。

食事は「脂質を減らして、タンパク質を倍増」。

摂取カロリーは、通常よりやや少なめの1日2,000kcal。ざっくり1日600kcalに抑える。

3大栄養素では脂質が1g 9kcalでいちばんハイカロリーだから、余分な脂質を徹底カット。低脂質な食材を選び、調理油をできるだけ使わないような調理法を工夫して、摂取カロリーに占める脂質由来のエネルギーを20%にセーブ。

痩せて健康になりたい人の1日の摂取目安

糖質を減らしすぎると筋肉が減り、代謝が落ちる恐れがある。主食の大盛り、麺類+ご飯などのダブル糖質を避けつつ、適量を食べる。

増やすべきはタンパク質。タンパク質の重要な役割はカラダのパーツを作ること。少々摂りすぎても肥満には直結しない。逆にタンパク質が少ないと大事な筋肉が減りやすい。普通は1日に体重1kg当たり1g要るが、これを倍増して1kg当たり2g。72kgなら1日144gだ。

肉類や魚介類などのタンパク源には脂質もセットで入っており、食事のみでタンパク質を倍増すると脂質由来エネルギー比率も上がるため脂質を含まないタンパク質サプリのプロテインを活用。運動後に吸収の良いタイプ、就寝前にゆっくり長く吸収されるタイプを摂るといい。

1日の食事は、例えばこんな感じ。

1/20
朝食の例
【朝食】高タンパク質のメニューを定番化する/朝食は定番化しやすいから、低カロリーでタンパク質がたくさん摂れるメニューを覚えよう。サンドイッチの茹で卵とサーモンから、タンパク質を摂取。ギリシャヨーグルトは低脂質&高タンパク質でコクがあり、マヨネーズの代わりに食材を和えるとカロリーダウンにもつながる。サーモンに含まれるビタミンDには、筋肉の合成を助けて免疫を調整する働きがある。飲み物は、無糖のストレートティーかブラックコーヒー。

昼食の例
【昼食】コンビニランチはパスタを選ぶ/選び方次第では、コンビニでも高タンパク質な減量食が実践できる。コンビニのミートソースパスタは1食約500kcalで、20gほどのタンパク質が摂れる優れモノ。朝食で余ったギリシャヨーグルトをプラスするとタンパク量が上乗せされるし、クリーミーになって満足度もアゲアゲ。パスタ単品だとどうしても野菜が足りないので、緑黄色野菜が多めのコンビニサラダをピックアップする。そこへ低脂質のカッテージチーズをトッピングしてタンパク量を増やしてやろう。

夕食の例
【夕食】油を使わず低温調理で和風バンバンジーを/鍋に湯を沸かして肉を入れておく低温調理なら、植物油を使わず、脂質ほぼゼロで超高タンパクな鶏胸肉や豚ヒレ肉などが美味しくしっとりできる。まとめて作り冷蔵すると重宝。生のままでも食べられるキュウリやトマトなどの野菜を添えて和風バンバンジーに仕立てると、栄養バランスがアップ。冷や奴から植物性のタンパク質と食物繊維を摂取。主菜と副菜をある程度食べた後、主食を最後に食べるカーボラストを実践すると、血糖値の急上昇が抑えられて肥満が避けられる。

間食の例
【間食】プロテインは使い分けが肝/BCAA(分岐鎖アミノ酸)とは必須アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンの総称。1回5g前後の摂取で運動中の筋肉の分解と疲労が避けられる。運動後は吸収が良いホエイ(乳清)プロテイン。就寝前は、就寝中にじっくり吸収されて筋肉を保つカゼインプロテインを。いずれも牛乳が原料だ。

ポイントは「100kcal以内のマイ間食を用意する」こと。

太っているタイプには、1日2,000kcalだと物足りないかも。そこで口寂しくなったときに食べてもOKなマイ間食を準備しておこう。

100kcal以内のおやつ
100kcal以内のおやつの例。

プリンやチョコやアイスでも1日1回100kcal以内なら太る心配はない。チータラやビーフジャーキーなどからはタンパク質が摂れる。ミネラルや食物繊維などの栄養素を含むミックスナッツは脂質も多めだから一摑みまで。

取材・文/井上健二 撮影・取材協力・料理製作/河村玲子 イラストレーション/加納徳博

初出『Tarzan』No.789・2020年6月11日発売

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