筋肉量を増やし、前からの見栄えを良くしたい! トレーナー白戸拓也さんの「目からウロコ」な指導

取材・文/神津文人 撮影/谷 尚樹 撮影協力/アリススポーツクラブ tel.03-5942-8180

(初出『Tarzan』No.773・2019年9月26日発売)

読者代表が表紙を飾った『ターザン』768号。熟読した読者の方なら覚えているかもしれない。

表紙や中面の撮影の合間に、選考員を務めたトレーナーの白戸拓也さんによる質疑応答とフォームチェックのプチグループレッスンがスタート(完全に予定外で白戸さんによる読者サービス。ありがとうございます!)。その場に居合わせた受賞者たちは大喜び、スタジオの控室はかなり盛り上がった。

今度はマンツーマンで徹底的にやってみようと、白戸さんがファイナリストたちの中から「アドバイスしたら、ぐっと変わりそう」という4名をピックアップ。本人たちの悩みを聞きながら、フォームチェックや新メニューの提案をする本気のパーソナルトレーニングを受けてもらうことになった。

まったく弱点などなさそうな一流のカラダを持つファイナリストたちが「目からウロコ!」と口を揃えた内容とは!?

筋肉量を増やし、前からの見栄えを良くしたい!

読者変身企画 「脱げるカラダ 2019」グランプリ 優秀賞・歌川毅さん
  • 身長:170cm、体重:65kg、体脂肪率:11%、年齢:36歳
  • 自宅トレ:週3回、ジムトレ:週2回、有酸素運動:週3回、ランは1回7〜8km。ジム通いを始めて約1か月

三角筋、大胸筋(特に上部)のボリュームアップ、腹筋の上部・下部の引き締めが課題という歌川さん。現在は、上半身を中心にボリュームアップ中。自宅トレ・週3回、ジムトレ・週2回、有酸素運動・週3回、ランは1回7〜8km。ジム通いを始めて約1か月になる。まずは、普段行っている肩と胸のトレーニングのフォームを白戸さんにチェックしてもらうことに。

正しくできているように見えるが、ターゲットとしている筋肉以外が動員されている割合が大きいと白戸さん。

「スポーツのための筋力アップではなく、ボディメイクが目的の場合、重いウェイトを上げればいいということはなく、ターゲットとしている筋肉にどれだけ刺激を与えられるかが重要です。なるべく他の筋肉を動員しないフォームを身につければ、もっと効果がアップしますよ」

また、カラダの前側の筋肉と比べて背面が弱いのも修正したい点。

「背中の筋力がアップして姿勢が良くなれば、フォームも改善するはず。そうすれば今と同じトレーニングでも、胸により効かせられ、上半身のシルエットも良くなるでしょう」

フォームを改善して、効かせたい筋肉にピンポイント攻撃!

[肩]サイドレイズ

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サイドレイズ
僧帽筋の筋肉量は増えてきたが、三角筋のボリューム不足を感じている。特に中部のボリュームアップを課題としている歌川さん。三角筋中部のための王道トレであるサイドレイズに取り組むことは大正解だが、「フォームを見直した方がよい」と白戸さん。

サイドレイズの注意点
ターゲットとなる三角筋の中部を天井に向けて肘を下げないこと。肘が下がると三角筋中部ではなく前部に働いてしまう。肘を肩の高さまでしっかりと上げ切ることが重要。

サイドレイズの注意点
ダンベルの中央から後ろ側を握ると肘が下がる原因になるので、前側を持ち、小指と薬指だけで握るイメージで上げるといい。鏡で肩を見て、三角筋の中部が天井を向いているかを確認しながら行う。

[胸]ペクトラル

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ペクトラル
チェストプレスと比較すると腕の筋肉の動員が少なく、大胸筋に狙いを定めやすいペクトラル。普段のトレーニングにも取り入れているが、「イマイチ大胸筋に効いている感覚が少ないのが悩みです」と歌川さん。扱いやすいマシンだからこそ常に正しいフォームを意識すべし。

ペクトラル
「最後の絞りが甘いのがもったいない」と白戸さん。「肩の筋肉を使うクセがあるので、ポールなどを肩甲骨の間に挟んで、それを落とさないようにすると胸がもっと使えます」。

[胸]ベンチプレス

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ベンチプレス
バーが目の上に来るのが歌川さんのスタートポジションだが、バーが胸の上にある位置でラックから外すのが理想。左右の足の位置も微妙にズレている。対称に揃えておくべき。

ベンチプレス
「バーを上げたときも肩甲骨は寄せたまま。バーをへし折るつもりで内側に向かって力を入れると胸に効きます。素直に上げると骨で支えて休んでしまうんです」(白戸さん)

[胸]プッシュアップ

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プッシュアップ
足を台の上に乗せて高さを出して負荷を上げ、20回×3〜4セット行っているというプッシュアップ。腰が落ちて、胸や腕への刺激が逃げてしまっている。体幹部分が安定しないと大胸筋に効いてこない。

プッシュアップ
白戸さんのフォームのように、常に頭から踵までが一直線になるのが理想。フォームが崩れてきたら、台を使わないプッシュアップに切り替えてもいい。腕で床を押すイメージ。

PROFILE
白戸拓也(しらと・たくや)
白戸拓也さん/元BODYPUMP/BODYCOMBATマスタートレーナー。大手フィットネスクラブで約30年間プログラム開発や教育担当を務める。トレーナー養成にも積極的。