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山を走る上で、大切なこと。
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重力に逆らって重いウェイトを持ち上げてこそ、筋肉は成長する。そう信じて、今日もせっせと重いウェイトを持ち上げる運動=コンセントリック運動に励むトレーニーのみなさま。実はもっと効率のいいトレーニング方法があります。持ち上げるのではなく、ゆっくり下ろすエキセントリックトレーニング。略して「エキセン」。これを行うだけで、良質な筋肉が短期間で楽々手に入るって知ってましたか?
コンセントリックトレーニング(コンセン)と、エキセントリックトレーニング(エキセン)。効率的な自体重トレーニングのためには、コンセン時の負荷をできるだけ軽減し、エキセンの動きをメインに行うことが肝。
コンセン軽減にはいくつか方法がある。
たとえば、支点から作用点までの距離、モーメントアームを短くする。この距離が短いほど負荷を持ち上げる力が小さくて済む。肘を伸ばしてバケツを持つのと、肘を曲げてバケツを持つのでは後者の方が断然ラク。なので、モーメントアームを短くして負荷を減らす。
あるいは重力や反動を使ってコンセン時に必要とされる筋力を節約する。より多くの筋肉の力を借りて、負荷を分散させるなどなど。いつも以上に写真と解説をよく見て実践してほしい。
クッションの上で両膝立ちになり、肩の高さで両手を前に伸ばす。そのまま3〜5秒かけて上体をまっすぐ保ったまま後傾させる。ここまでがエキセン。
踵にお尻を乗せたら両手を太腿に置き、上体を前傾させる勢いで元の姿勢に戻る。再び手を前に伸ばしてエキセン。
今度はコンセンから。床に仰向けになり両膝を立てる。両足でぐっと床を押した力でお尻を持ち上げる。
ここからエキセン。片脚の膝を伸ばし、3〜5秒かけてゆっくりお尻を床に近づける。1の姿勢に戻って、今度は逆脚で。左右交互に各10回。
両手を肩幅の約1.5倍に開いてプッシュアップの姿勢をとる。指を開いて指先は斜め外側に。カラダをまっすぐ保ったまま胸をゆっくり床に近づけてエキセン。
そのまま太腿を床につけて負荷を軽減させてから腕を伸ばし、お尻を上げて、元の姿勢に戻る。
床に横になり、下側の手で頭を支えて曲げた膝をやや前に出す。上の手は胸の前で床につける。上側の脚を斜め上に伸ばし、爪先を前方に向ける。ゆっくり脚を下ろしてエキセン。
足が床についたら膝を曲げ、モーメントアームを短くして脚を上げる。10回行ったら逆も。
まず、両手で椅子の座面の縁を握り、脚を伸ばして爪先を立てて浅く腰かける。膝を曲げ、お尻を前にずらし宙に浮かせてスタート体勢に。
ここから背中を椅子から離さずに肘をできるだけ曲げていくのがエキセン。あとは片足を手前に引き、脚力でカラダを持ち上げればよし。
床に仰向けになり、両膝を立てて両指先を後頭部にかける。両足は腰幅に開く。一度お尻を持ち上げて床に落とした反動で上体を引き上げる。肩甲骨が床から離れればOK。勢いであまり持ち上げすぎないように。そこからゆっくり上体を床に近づけてエキセン。
床に仰向けになり、掌をカラダの横で床につける。両膝を立て、片側の脚をまっすぐ伸ばす。膝の高さは左右で揃える。伸ばした脚をゆっくり床に下ろしてエキセン。再び両膝を立て、モーメントアームを短くした状態で逆の脚を上げる。左右交互に繰り返す。
床にうつ伏せになり、重ねた両手の上に顎を乗せる。爪先は床に立てる。腕で床をぐいっと押し、お腹を床につけたまま上体を反らす。両手を顎の下に置いてゆっくりと上体を床に下ろし、腰の力だけを使ってエキセン。
取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央、中島慶子(野坂先生) スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修・取材協力/野坂和則(オーストラリア・エディスコーワン大学教授)、トレーニング監修・指導/坂詰真二(スポーツ&サイエンス代表)
(初出『Tarzan』No.760・2019年3月7日発売)