ヨガと気づき|vol.35

メルボルン出身・東京在住の人気イラストレーター、エイドリアン・ホーガンさんは、数年前にヨガを始めて以来、ライフスタイルが少しずつ変わってきたそう。ヨガが与えてくれるささやかな日々の気づきを、毎週コミックエッセイ形式で紹介します。

イラスト・文/エイドリアン・ホーガン

ヨガを始めたばかりの頃は、こういうことがよくありました。先生がまずポーズを見せてくれて、それを見ながら生徒が真似するスタイルなのですが、時々、わかりやすいように鏡合わせで動いてくれるのです。でも、これがちょっとややこしいんですよね。

自分が先生の立場になったつもりで考えてしまって、「右に動いてください」と言われると、つい先生の“右”のつもりで動いちゃう。しかも、たまに先生が言い間違えたり、動きと指示が逆になっていたりすることもあって、さらに混乱します。

気づけば自分だけがみんなと逆の方向を向いていて、「え、聞き間違えた? 先生が間違えた? それとも私が深読みしすぎ? 」なんて思ったり。その瞬間、周りの生徒たちが一斉にこっちを見ているような気がして…。まあ、それって単なる自意識過剰かもしれませんけどね。

先生のコメント

私の場合、生徒たちの前に立ってミラー風に動くデモンストレーションは、ややこしくなるため最初からやらないのですが、たとえ一対一で、真横に立ちながら「右手をあげて」と言っても、左手をあげる生徒さんはいます!笑
それが何度もあると、教えている私まで混乱したり…。

もちろん、誰しもたまには間違いをしてしまうことがありますよね。それはそんなに気にすることでも、恥ずかしいことでもなく、気づいたら、変更すればいいだけです。

しかしグループレッスンであれば、他の人の視野にも自然と入りますし、毎回間違えるとなると、少し集中力が足りていないのかも。まずは自分の動きによく意識を向けてみてください。

レッスン中、あちらこちらに意識が飛ぶ人や、集中力が欠ける人は、私の経験上比較的多くいます。努力は、人と争うためでも比べるためでもなく、自分の授かった能力を惜しみなく発揮するためにするもの! まずは自分の動きに集中するところから、始めてみましょう。