
教えてくれた人
白戸拓也(しらと・たくや)/1963年、青森県生まれ。フージャース ウェルネス&スポーツ。元BODYPUMP/BODYCOMBATマスタートレーナー。法政大学卒業。大学卒業後、大手フィットネスクラブに入社。約30年在籍し、クラブマネージャーや教育担当などを歴任する一方、フィットネスの新たなトレンドを作るようなエクササイズプログラムを数多く開発。日本におけるレジェンドトレーナーの一人として一目置かれる存在。
立ち時間を増やす&ながら運動で活動量をアップ。
オーストラリアのシドニー大学の研究によれば、日本人は世界一座っている時間が長いという。世界平均が1日約5時間なのに対して日本人の座り時間は約7時間(!)。単なる怠け者か、あるいはデスクワークを真面目にやりすぎか。
ともあれ、立っている時間を少しでも増やすことが皮下脂肪対策のベースとなる。なぜなら立位は座位に比べ、1分間当たり0.15キロカロリー多くエネルギーを消費するからだ(アメリカ・メイヨークリニックの研究より)。
1日2時間立ち時間を増やせば18キロカロリーが稼げて、これを1年間続ければ1kg弱の皮下脂肪減となる。ついでにカラダを動かせば、脂肪減効果はさらにアップ!
レンジ待ち。
電子レンジで何かを加熱している最中、ぼーっと立っている待ち時間を利用。片脚立ちになり、軸足の踵を床からゆっくり引き上げ、ゆっくり下げる。片脚で行ったら反対側も。
物を取る時。
書棚から本を抜き出すとき、または冷蔵庫から食品を取り出すとき、片脚立ちになって上体を斜め前方に倒し、床から浮かせた脚を後方に上げてみよう。大臀筋の筋トレになる。
メールチェック。
メールをチェックするときは壁に近づき、ぴたっと背中を壁につける。胸を張って背すじを伸ばし、後頭部、肩、お尻、踵の4点が壁にくっつくように姿勢を正す。
信号待ち。
信号を待つ時間、太腿、膝、ふくらはぎ、くるぶしの4点をぴったりくっつけ、この姿勢をひたすらキープ。両脚を閉じることで太腿内側の内転筋に刺激が入る。
歯磨き。
片手でヘソの上を押さえ、口から息を吐きながらお腹を凹ませる。そのまま鼻から息を吸い、口から吐く呼吸を10秒続ける。一旦お腹を緩めたら再びお腹を凹ませて10秒呼吸。
読書。
椅子に座って読書に熱中。それはそれで素晴らしい時間だが、立ち時間を少しでも増やすために1章読み終わったら椅子から立とう。脚を組んだ4の字姿勢で片脚で立ち上がってみる。
洗い物。
食事の後の洗い物は率先して引き受ける。さらにこのとき両足を大きく開き、太腿が床と平行になるまで深く腰を落とすとなおよし。そう、ご存じスクワットの姿勢。
階段。
階段を上るときは1段抜かしで。前に出した脚の膝を深く曲げ、軸脚のお尻と脚の力でカラダを引き上げる。次は逆脚を前に出し、同様の動作でのしのし上っていこう。
段階的にスクワットを習慣化しよう。
有酸素運動に比べると筋トレで見込めるエネルギー消費量はほんのわずか。しかし、皮下脂肪を確実に落としたいなら大筋群のトレーニングは必須。というのも、大きな筋肉を鍛えれば何もしていないときも勝手に筋肉がエネルギーを消費し、その分皮下脂肪も確実に減っていくからだ。
そこで取り入れたいのが下半身の大きな筋肉を同時に鍛えられるスクワット。段階を踏みつつ強度を上げる方式で進めていこう。週2〜3日、8〜12回を3セット。楽に行えるようになったら、次のステップへ。スタンディングトレとの2軸で皮下脂肪を撃退だ。
チェック|ハンズフリーフロントスクワット
両手を前方に伸ばし、肩の上に棒(フローリングワイパーの柄など)を乗せてスクワット。腰を落としたときに棒が落ちたら正しい姿勢が保てていない。棒が落ちなくなるまで練習を。
ステップ1|スクワット
両足を肩幅に開いて立ち、両腕を胸の前で組む。胸を張ってお尻を引きながら太腿が床と平行になるまで腰を落とす。このとき膝が爪先より前に出ないように。
ステップ2|スプリット・スクワット
両足を大きく前後に開いて立ち、両腕を肩の高さで組む。後ろ足の踵は床から浮かせる。後ろ脚の膝を床に突き刺すつもりで腰を落とし、膝を90度曲げる。1セット行ったら逆脚で。
ステップ3|ランジ
両手を頭の後ろに添える。片足を1歩後ろに引いて踵を浮かせ、膝を床に突き刺すつもりで腰を落とす。両膝を90度曲げたら後ろ足で床を蹴って元の姿勢に。1セット行ったら逆も。
ステップ4|スケーター・スクワット
椅子の背もたれを両手で持つ。片足を1歩引いて床から浮かせ、軸脚の膝を軽く曲げる。そのまま腰を落として浮かせた脚の膝を床ギリギリに近づける。1セット行ったら逆も。