胃弱・腸弱さんいらっしゃーい!胃腸と末長く付き合うための9の掟。
全国の胃弱さん・腸弱さん、いらっしゃーい!胃腸をいたわり、末長く良いお付き合いを続けていくために、普段から心がけたい生活習慣を覚えておいてほしい。日頃のちょっとしたルーティンが、体質の改善につながる。
取材・文/石飛カノ 漫画/沼田光太郎
初出『Tarzan』No.886・2024年8月22日発売
目次
1.食事は30回嚙むつもりで。
脂っこいものを大量に食べると胃と食道の繫ぎ目にある下部食道括約筋が緩んで胃酸が逆流することが分かっている。過食を防ぐためにひと口につき30回嚙むつもりで食事をしてみよう。咀嚼の刺激によって少量でも満腹感を感じるはず。
2.寝る時は上半身を高くする。
猫背や前屈みの姿勢で胃が圧迫されると胃酸が逆流しやすくなり、逆流性食道炎や胸やけの原因に。寝るときの姿勢も背中が丸まらないよう上半身を高くして仰向けで寝る。タオルや枕を利用してお腹から頭に向かって勾配をつける。高さにして10〜20cm程度が理想。
3.胃が圧迫されないよう楽な服装で。
歯磨き粉のチューブを外から押すと中身が飛び出してくるように、ウェストがキツい服装や内臓脂肪で胃が圧迫されると胃酸が逆流しやすくなる。過食や姿勢だけでなく体格や服装などによっても逆流性食道炎や胸やけが起こるのだ。服装はなるべくウェストを締め付けすぎず、出腹は即、ダイエット。
4.過剰なストレスは「幽体離脱」で解消。
過剰なストレスが蓄積されることで機能性ディスペプシアのような胃の不調が起こる場合は、セルフ認知行動療法を取り入れてみる。そのひとつが自分自身を客観視する「幽体離脱」。
カラダから意識を抜け出させて天井に飛ばすイメージを持つ。そして上から自分自身を俯瞰する。すると今の自分の悩みをちっぽけに感じたり、自分より辛い人が世の中にはいるかもしれないと感じられるだろう。そうした考え方がストレス自体を減らす助けになる。
5.ヨーグルトは食後のデザートで。
ヨーグルトに使われている菌は自らも酸を出すので酸性の環境には比較的強い。とはいえ、空腹時で胃酸が過剰に分泌されている状況ではさすがに生きて腸まで辿り着くのは困難。なので、ヨーグルトを食べるタイミングは食後、胃酸が中和されている状態で食べるのが正解だ。
6.開封したてのヨーグルトをローテーション。
腸内細菌には乳酸菌のように酸素がある環境で生きていける菌と、ビフィズス菌のように酸素がない環境を好む菌がある。食べ方に気をつけたいのは後者のビフィズス菌入りヨーグルト。空気に触れても問題ないよう加工がされていると考えられるが、封を開けたら基本すぐ食べること。
また「ヨーグルトはこれと決めたブランドひと筋」だと、腸内細菌の多様性を保てない。できれば異なる種類のヨーグルトをどんどん試していこう。週ごとに特売ヨーグルトを買う習慣をつけるのもひとつの手。
7.朝の白湯で胃腸に号令を。
白湯は今から食べ物が入るといういい合図。消化酵素を働かせるためにも冷たい水より温かい白湯がベター。
8.コンビニではバランス食をチョイス。
食物繊維が豊富なもち麦入りおにぎり、納豆菌が摂れる納豆のり巻き、デザートとしてのヨーグルト。これがコンビニバランス食だ。
9.トイレで腸内細菌をチェック。
最後に未来の話を。腸内に変な菌がいたらトイレットペーパーや洗浄液の色が変わる。それをきっかけに本格的な検査を受ける…なんて日が訪れるかも。