【簡単・安い】心臓ドック・肺ドックは「自宅で完了」の時代が到来。
病院で検査を受けるのが全てじゃない! 昨今、自宅でできる心臓ドックや肺ドックの簡易検査やウェブ外来が充実している。検査費用を極力抑えるためのコツも要チェックだ。
取材・編集・文/門上奈央 撮影/鈴木大喜 監修/本多遼太朗
初出『Tarzan』No.886・2024年8月22日発売
目次
検査費用を1円でも抑えるヒント。
検査費用は必要経費だが、少しでも抑えられるなら御の字だ。FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)1級の資格を持つ本多遼太朗さんに、検査費を抑えるためにできることを学ぼう。
教えてくれた人
本多遼太朗(ほんだ・りょうたろう)/〈スクエアワークス〉代表。1994年生まれ。最短でFP合格を目指す受験者のためのオンラインFP資格スクール『FPキャンプ』を運営。YouTubeは『ほんださん/東大式FPチャンネル』。
「大前提として予防医療は大半が保険適用外ですが、なかには社会保険から補助が出る検査も。会社員は健康保険組合や協会けんぽ、個人事業主は国民健康保険などに入っているはずです。ネットで加入している社会保険と“肺ドック”などの単語をセットにして検索を。民間保険に加入済みの人はその補助の有無も調べましょう。あとは昨今、ふるさと納税の返礼品に心臓ドックなどを揃えている自治体もあるので、それを活用するのも一案です」(本多さん)
急増中の《Apple Watch》外来。
医療機器でもある《Apple Watch》で取得した心電図などに不安要素が。そんな人の受け皿となるApple Watch外来が近年増えている。Apple Watch外来を受け付けている〈ニューハート・ワタナベ国際病院〉大塚俊哉先生は語る。
「《Apple Watch》の心電図PDFを当院HPの専用フォームから送ってもらうと、それを判定しその日のうちに極力返信します。最も捉えやすいのが心房細動の有無ですが、有害な不整脈を見つけたことも。過去に心房細動が見つかった例は全体の3%程度ですが、仮に放置すれば悪化したり重大疾患のリスクも上がるので、少しでも異変を感じたらご相談を」(大塚先生)
ニューハート・ワタナベ国際病院
Apple Watch外来はHPの「無料メール相談」から。主に心房細動や脳梗塞の治療を行う大塚先生の評価を受けられる。現在《Apple Watch》以外の機器のデータは対応不可。WEBサイト
病院へ行かずに心臓ドックができる《ホーム心臓ドックPro》。
医療機関でも使われる心電計を用いた、〈ココロミル〉の《ホーム心臓ドックPro》も画期的だ。
小型の心電計を胸部に装着して心電図データを取得。専門医が心房細動をはじめとする不整脈の兆候から心疾患のリスクを解析してくれる。一般的な健康診断では心電図取得にかける時間が10〜15秒だが、本検査では最低9時間かけて心電図を取る分、より高精度な判定が可能に。
検査もシンプルで、ウェブで注文すると検査キットが郵送で届き、受検した数日後に専門医による検査結果のレポートが届くという流れ。心臓の検査のファーストステップとして最適だ。
採尿して送るだけ。肺がんリスクを精査する《マイシグナル・スキャン》。
やはり気になる肺がんのリスク。大学病院やがん研究センターとの共同研究をもとに実用化した《マイシグナル・スキャン》は、肺がんを含む7種類のがんのリスクを調べられる。
検査方法は採尿して郵送するだけ。尿中に流れ出た、がんの活動を早期から知らせるマイクロRNAをAIが解析してがん種別にステージ1から判定。
肺がんの評価ではがん罹患リスクを示すスコアから、BMIや喫煙習慣などの生活習慣や体質から推測される肺がんのリスクまで詳しく分かる。リスクが高いと判定されたがん種に応じて、どの病院でどんな追加検査を受けるべきかの提案も受けられるのが心強い。