肺の負担を減らす!「呼吸筋トレ」「骨盤底筋群トレ」でラクな腹式呼吸へ。
「腹式呼吸」がまさか肺への負担を減らしてくれるとは思わなかった。しかし、いざ意識しないとつい口を使った浅い呼吸になってしまう。ラクに腹式呼吸を行うために、まずは「呼吸筋トレ」と「骨盤底筋群トレ」で呼吸するための筋肉を鍛えよう。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 エクササイズ監修/寺田健太郎
初出『Tarzan』No.886・2024年8月22日発売
「呼吸筋トレ」と「骨盤底筋群トレ」の組み合わせで自然な腹式呼吸へ。
肺による呼吸機能の負担を減らして維持するには、口を使う浅い呼吸ではなく、鼻を使ったゆったりした腹式呼吸にスイッチしたいもの。
そのために有効なのは、胸郭につく横隔膜と肋間筋を活性化する「呼吸筋トレ」。横隔膜と肋間筋が滑らかに動くと腹式呼吸は行いやすい。
それにプラスしたいのが、「骨盤底筋群トレ」。骨盤の底をハンモック状に支えており、横隔膜と連携する骨盤底筋群を鍛える。両者がともに強化されると腹圧が高まり、腹式呼吸がラクにできるようになる。
横隔膜と肋間筋の動きを引き出す「呼吸筋トレ」。
オールフォー(5〜10回)
1:四つん這いになり、手を肩の真下、膝を股関節の真下につく。
2:背中を丸めて頭を両腕の間に入れながら、背中に空気を入れるように鼻から息を4秒(4カウント)で吸う。
3:4秒(4カウント)息を止めたら、背中を丸めたまま口から4秒(4カウント)で息を吐く。
プレッツェル(左右各5〜10回)
1:右向きで横になる。
2:右膝は背骨の延長線上で曲げて爪先を左手で持ち、左膝は股関節の前方で曲げて床につけ、右手で左太腿外側を押さえる。
3:頭は背骨の延長線上で楽な姿勢を取る。
4:鼻から息を4秒で吸い、4秒間息を止める。
5:口から4秒で息を吐きながら、左肩を床につけるように胸を天井に向かって広げる。
6:左右を変えて同様に行う。
ハーフニーリング・アラウンドヘッド(左右各1〜2セット)
1:右膝を床について膝立ちになり、左膝を前に出し、両膝を90度曲げる。
2:両手でタオルを肩幅より広めに持ち、両腕を伸ばして高く掲げる。
3:へそから下を固定し、両手でタオルを左右に引っ張りつつ、できるだけ大きな円を描くように回す。時計回りで5回、半時計回りで5回。
4:左右を変えて同様に行う。
横隔膜ほぐし(5〜10回)
1:椅子に浅く坐り、肋骨のいちばん下(横隔膜の位置)に親指以外の4指を深く食い込ませながら、鼻から息を4秒(4カウント)で吸う(指が横隔膜に触れた感じがあればOK)。
2:4秒(4カウント)息を止める。
3:口から4秒(4カウント)で息を吐きながら、背中を丸めて上体を前傾させていく。
横隔膜と骨盤底筋群の連携で腹圧アップする「骨盤底筋群トレ」。
サイドライイング・レッグサークル(左右各1〜2セット)
1:左向きで横になり、両脚を揃えて伸ばす。
2:左腕を畳み、頭を乗せて背骨の延長線上に保つ。
3:右手を胸の前に置いて姿勢を支える。
4:右脚を伸ばしたまま45度ほど上げ、できるだけ大きな円を描くように時計回りで5回、反時計回りで5回動かす。骨盤を固定して股関節から動かすこと。
5:左右を変えて同様に行う。
ペルビックカール(10回×1〜2セット)
1:仰向けになり、両膝を腰幅で90度曲げて立てる。
2:両腕を体側で伸ばし、手のひらを床に向ける。
3:肛門を天井に向けるように骨盤を後傾させながら、膝、太腿、お尻、胸、肩が一直線になるまでお尻を持ち上げ、肛門を床に向けるように骨盤を前傾させながら戻る。
コークスクリュー(左右各10回×1〜2セット)
1:両手を床について腕立て伏せのスタート姿勢を取る。
2:両手を肩の真下につき、両足を肩幅に開く。
3:左腕を胸に添えて右腕だけでカラダを支えたら、胸郭と骨盤を左側に向けるように体幹を捻り、両足の爪先も同様に左側に向け、右腕の延長線上で左腕を天井へ伸ばし、戻る。
4:左右を変えて同様に行う。