カラダに嬉しい! 基本のスパイスカレーとアレンジレシピ4つ
夏は無性にカレー気分。ハフハフ頰張り汗をかけば、食べた後は爽快。スパイスによる滋養強壮効果も期待できるから、カラダが自ずと欲しているのかもしれない。スパイスは漢方でいうところの生薬。複数のスパイスを組み合わせて作るカレーは、内臓を元気にしてくれる養生食だ。そこで、今回は基本のスパイスカレーとそれをベースにしたアレンジレシピをご紹介。気分に合わせてカレーを作ろう。
取材・文/間宮寧子 撮影/伊藤徹也 スタイリスト/中里真理子 監修・レシピ・料理製作/井澤由美子 撮影協力/UTUWA
初出『Tarzan』No.884・2024年7月18日発売
井澤由美子さん
教えてくれた人
いざわ・ゆみこ/料理家。素材の味と効能を生かしたシンプルな料理が人気。中医薬膳や発酵食に造詣が深く、根本からカラダを整える食養生を提案。8月に『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』(家の光協会)が発売。
基本の本格スパイスチキンカレー
フライパンひとつ、スパイス3種で作れる入門レシピ。辛くしたい場合はカイエンペッパーを追加して調整しよう。
「玉ネギがペースト状になるまで炒め、甘みを引き出すのがポイント。スパイスは硬いものから入れるのが基本。熱することで香りを引き立たせますが、焦がさないように注意。ターメリックは脂溶性なので、粉っぽさや苦みを飛ばすため、油に馴染ませながら炒めて」(井澤さん)。
材料(2〜3人分)
- 玉ネギ…大1個
- クミンシード…小さじ1
- コリアンダーパウダー…小さじ2
- ターメリック…小さじ1
- 生姜(すりおろし)…大さじ1
- ニンニク(すりおろし)…小さじ2
- オイル(サラダ油など)…大さじ2と1/2~3
- 水…1.5~2カップ
- ホールトマト…100g
- 鶏もも肉(唐揚げ用)…300g
- 塩・胡椒…各適量
肉の下味
- 塩…小さじ1
- 胡椒…少々
ターメリックライス
- 米…2合
- ターメリック…小さじ2〜3
- クローブ・カルダモン…各3個
- ローリエ…1枚
- 塩…2つまみ
米を研いだ後30分水に浸してからザルに上げ、目盛りよりやや少なめの水を入れる。残りの材料を入れ、全体を混ぜてから炊く。
作り方
ベースを活用したアレンジレシピ4つ
ゴロゴロ野菜の薬膳スープカレー
香り高いスパイスと、野菜のおいしさをまるごと味わう
スパイスが溶けたスープが、バテ気味のカラダに染みる。
材料(2〜3人分)
- カレーベース
- 手羽先…4本
- ジャガイモ…大1個
- ニンジン…1/3本
- ピーマン…2個
- レモン…1/2個
- ターメリック…小さじ1
- シナモン…1本
- クローブ…2個
- 黒胡椒…10粒
- 油…大さじ1
- 水…500〜600mL
作り方
- 手羽先に塩(分量外)を馴染ませ、ジャガイモとニンジンは塩茹で、ピーマンはソテーする。
- フライパンに油を入れ、弱火でスパイスを炒めたら手羽先を両面焼く。
- カレーベースと水を加え、蓋をして15分ほど煮込む。
- ジャガイモとニンジンを加えてさらに5分煮込む。器に盛りピーマンを添え、レモンをライスに搾る。玉ネギのアチャールのレシピは記事下部を参照。
ナスとトウモロコシのキーマカレー
肉と卵、スパイスでスタミナ満点のひと皿に
挽き肉料理の定番スパイス、ナツメグを使用。肉の旨味がしっかり引き出され、奥行きのある味に。コーンの甘みや食感もおいしさを後押しする。お好みで仕上げに卵黄や青唐辛子の薬味(レシピは記事下部を参照)を加えても。
材料(2〜3人分)
- カレーベース
- 合い挽き肉…300g
- コーン…70g
- ナス…1本
- チリパウダー…小さじ1
- ナツメグ…小さじ1/2
- 塩…小さじ1/2
- 油…小さじ2
- 水…100mL
- トッピングの卵黄(お好みで)
作り方
- ナスは2cmの角切りにする。
- フライパンに油とスパイスを入れて炒め、合い挽き肉を加えて塩を振って炒める。ポロポロとしてきたら、ナスを加えて全体に油を馴染ませる。
- カレーベースを加えて炒め、コーンと水を加えて水分が飛ぶまで炒め煮する。
カシューナッツと豆のダールカレー
豆の旨味とナッツの甘さが溶け合う優しい味わい
ひよこ豆とカシューナッツで、植物由来のタンパク質をたっぷり摂れるベジタリアンカレー。スターアニスのほのかな甘さが香り、ほっとするマイルドな仕上がりに。スパイシーな味が苦手な人にもおすすめ。ライスはもちろんパンにも合うので、おもてなし料理にも。
材料(2〜3人分)
- カレーベース
- ひよこ豆(水煮を煮汁ごと使用)…380〜400g
- カシューナッツ…30g
- ローリエ…1枚
- スターアニス…1個
- 水…200mL
作り方
- フライパンにカレーベースと水、ひよこ豆とカシューナッツを入れる。
- ローリエとスターアニスを加えて中火にかけて、半量くらいになるまで10分ほど煮詰める。
- 豆をところどころ潰して火を消す。添えたキャベツのサブジのレシピは記事下部を参照。
サバ缶とコリアンダーのトマトカレー
酸味が効いた、夏にぴったりのフィッシュカレー
さっぱりした味わいが魅力のフィッシュカレーは、サバ缶を使えばぐっとハードルが下がる。ミニトマトの酸味も相性抜群。コリアンダーが爽快なアクセントになって、バランスのいいひと皿に。
材料(2〜3人分)
- カレーベース
- サバ缶…1缶
- ミニトマト…15個
- ホールトマト…100g
- パプリカパウダー…小さじ1
- 塩…1つまみ
- 酒…大さじ2
- コリアンダー(パクチー)…適量
作り方
- ミニトマトのヘタを取り、半分に切る。
- フライパンを中火にかけ、カレーベースとミニトマト、ホールトマトを炒める。
- サバ缶を汁ごと入れ、酒とパプリカパウダー、塩を加えて煮る
- 器に盛り、ターメリックライス(レシピは記事上部参照)と刻んだコリアンダーを添える。
付け合わせがあれば、もっとおいしくなる
箸休めにしたり、カレーとごちゃ混ぜにして食べたり。副菜を添えれば、ひと皿の楽しみがさらに広がる。
インドでカレーの付け合わせとして一般的なのが、サブジとアチャール。サブジは野菜の蒸し炒めのこと。スパイスを効かせることで慣れ親しんだ野菜が新鮮な味わいに生まれ変わる。
アチャールはインドの漬物的存在。といっても長時間何かに漬ける必要はなく、塩やレモンを馴染ませるだけで手軽に作れてしまう。
ここでは、インドの定番サブジとアチャールを簡単にアレンジ。簡単なステップで完成するので、普段のおかずとしても作りたい。スパイスとは違った角度からカレーにアクセントを加える、薬味も紹介。全部作っても30分で収まる!
キャベツのサブジ
スパイスの爽やかさとキャベツの甘みがマッチ
爽やかな香りで包まれたキャベツは、おつまみにもぴったり。お好みで辛味のあるスパイスを加えても。
材料(2人分)
- キャベツ…1/4個
- ニンニク(すりおろし)…小さじ1/2
- クミンシード…小さじ1〜1と1/2
- ターメリック…小さじ1〜1と1/2
- 塩…小さじ1/2
- レモン…少々
- 油…大さじ1と1/2
作り方
- キャベツを1cm幅に切り、塩で揉む。
- フライパンに油とスパイスを入れ、パチパチと弾け始めるまで炒める。
- [1]とニンニクをざっと合わせ、レモンを搾ったら火を止めて完成。
玉ネギのアチャール
切って揉み込むだけの超お手軽レシピ
シャキッとした食感はカレーに添えればアクセントになり、少し置いてしんなりさせた状態で食べてもおいしい。辛くしたい場合はカイエンペッパーの量を増やして調整を。
材料(2人分)
- 玉ネギor紫玉ネギ…1個
- レモン(搾りたての果汁)…大さじ1
- 塩…小さじ1/2
- コリアンダーパウダー、カイエンペッパー…各小さじ1
作り方
- 玉ネギを1cm幅の串切りにする。
- 切った玉ネギをポリ袋に入れ、塩、スパイス、レモン汁を投入。全体を揉んでなじませる。
青唐辛子の薬味
ナンプラーの旨味で刺激的な味変を
青唐辛子の爽やかな辛さとナンプラーの旨味の掛け合わせが絶妙。カレーにちょい足しすると印象の変化を楽しめる。作り置きして、冷や奴や炒め物などにも活用したい。ナンプラーは砂糖入りのマイルドなものを選ぼう。
材料(2人分)
- 青唐辛子…3〜4本
- ピーナッツ(粗みじん切り)…大さじ1
- ナンプラー…ひたひたにかぶる程度
作り方
- 青唐辛子を小口切りにする。
- 深さのある小さめの器に切った青唐辛子とピーナッツを入れ、ナンプラーをかぶるくらい入れて混ぜ合わせる。