ウチサカさんのトレイル案内。東京都[奥多摩湖]

トレイルランニングのシーンを黎明期から取材してきたレジェンドエディター・内坂庸夫さんが、さまざまなトレイルをランナーの視点で紹介。コースのGPSデータも公開中!

取材・文/内坂庸夫 撮影/石原敦志 トレイルランナー/山下晃和

ウチサカさんってこんな人

麦山浮橋と湖畔トレイル

東京の西のはずれに日本最大規模の水道専用の人造湖があります、それが小河内貯水池、別名が奥多摩湖。

でね、奥多摩湖といえばドラム缶橋、昭和の山雑誌「奥多摩特集」やハイキング本「奥多摩編」の表紙はたいていこれ。

小河内神社バス停と山のふるさと村をつなぐ麦山浮橋。そこそこ揺れるけど、左右にしっかり手すりもあるし、安全です。

ドラム缶を左右にずらり並べて浮きにして、そこに板を渡すという危なっかしくもおもしろい橋でした。奥多摩名物でした。

いまこの時季。山の奥の奥、湖を渡るひんやり風に吹かれて木陰を走るなんて、いかがですか? 物理の法則で海水でも真水でも水面は平ら、海岸や湖畔も水際ぎりぎりなら平ら、そこを巡る道も平らってことです。

すなわち奥多摩湖のそのドラム缶橋の先に、上り下りなし、どフラットな湖畔トレイルが待ちかまえているんです、繰り返すけど涼風つき。

さて浮橋、さすがに令和のいまはドラム缶ではなくプラスティックの浮きになっていて正しい名称は麦山浮橋、西東京バスの小河内神社バス停の横から下っていけます。 浮橋で奥多摩湖を渡ると、そこから「山のふるさと村遊歩道」という湖畔トレイルが始まっていて、都立奥多摩湖畔公園・山のふるさと村に続いています。

そしてそこから「奥多摩いこいの路」と名を変えて、湖の東の端、小河内ダム堰堤にまで続いてます。小河内神社バス停/浮橋からなんと15kmです。でも湖畔沿いなのでアップダウンなし、ラクに行けちゃいます。これがAコースです。

ただし、注意ひとつ目。麦山浮橋は奥多摩湖の水位によっては通行できないことがあります。東京都水道局のサイトでご確認ください。

麦山浮橋は6月1日から通行可能になっているけど、水道局のコンテンツによっては「通行止め」表記のまま更新されていません。事前に東京都水道局小河内貯水池管理事務所に電話確認すれば間違いなし。

麦山浮橋と湖畔トレイル

湖畔トレイル、涼しいです。麦山浮橋の通行に関しては東京都水道局の「トピックス」を。 また電話は小河内貯水池管理事務所TEL:0428-86-2211。

注意ふたつ目。なんと残念、「いこいの路」はその先の「いこいの広場~東屋(4.6km)」が工事のため通行止め。いこいの広場で折り返しましょう。

それでも小河内神社バス停/浮橋から往復すると16km以上になります。仲間の体調や戻りのバス時刻など考慮して、適当なところでUターンです。

おまけ。麦山浮橋が通行止めでも、それでも湖畔トレイルを走りたいのならBコースです。バスで小河内神社バス停から5つ目の深山橋バス停まで行きましょう。深山橋と三頭橋を渡り、途中の遊歩道入り口から湖畔トレイルに入ります。そこまでは奥多摩周遊道路を2.7kmほど走ります、クルマにご注意ください。

コースマップ

奥多摩湖トレイルのマップ

マップにはA小河内神社バス停からいこいの広場まで片道8.1km、B深山橋バス停からいこいの広場まで片道10.2km、を表記しています。どちらのバス停もJR青梅線奥多摩駅から西東京バス留浦(とずら)行き。またGPSデータはAB共通です。

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GPSデータは「.gpx」形式です。GPS時計各ブランドのアプリで読み込めます。GPS時計がなくてもスマートフォンの地図アプリを使ってダウンロードできるし、「グーグルマップ」を開いて「マイマップ」に取り込むこともできます。また、「.gpx」形式はMacアプリの「トレイルノート」で開いて編集することができます。

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