ウチサカさんのトレイル案内。 山梨県[御坂山地]
トレイルランニングのシーンを黎明期から取材してきたレジェンドエディター・内坂庸夫さんが、さまざまなトレイルをランナーの視点で紹介。コースのGPSデータも公開中!
取材・文/内坂庸夫 撮影/石原敦志 トレイルランナー/山下晃和
ウチサカさんってこんな人
富士山展望台トレイル
「富士山は眺める山、登る山じゃない」という声があります。それくらい富士山は美しい。独立峰でどこから見ても同じ形、裾野は広くゆるやかで山容を際立たせてくれます。 見るに美しい。
だもの、地元・静岡や山梨に限らず「富士見」の名のついた峠や坂、丘の多いこと、実は遠く離れた東京の「富士見」の地名は、地元両県のそれより多いそうな。離れれば離れるほど恋い憧れるものかしらん。
今回は間近にどどんの富士山を眺め放題の、つまりは富士山展望台がそのままトレイルになった稜線に出かけましょう。霊峰の北に河口湖をはさんで御坂(みさか)山地という山々が連なります、それです。東の御坂山から西の大石峠まで、ちらり&どどんと河口湖越しの富士山を楽しめます。
さあ行くよ。まずは富士急の河口湖駅、高速バスでもクルマでもここを起点にしましょう。 稜線一本道、迷うコースではないけれど、念のため下のGPSデータをDLしておいてください。
さ、河口湖駅から路線バスで太宰治の長逗留で知られる〈天下茶屋〉に進みます。天下茶屋は御坂峠の真下、いきなりの急坂です、のんびり行きましょう。
そして30分もかからず、最初の御坂山に到着します。ここまでで、すでに木々の間から大きな大きな富士山が望めているはずです。 そして(昔の登山道の)御坂峠、黒岳へ。黒岳にはコースをはずれて展望台があります、なるほど、眼下に河口湖が広がり富士山がお見事。ここまで天下茶屋から2時間くらい。
トレイルはまだまだ続きます、すずらん峠、破風(はふう)山の先、新道峠にあまりに人工的な展望広場「FUJIYAMAツインテラス」があって、笛吹市内からシャトルバスが運行しています。このバスはエスケープに使えるかも。
テラスはその名の通り(離れて)ふたつ、どちらも富士山どどんです。 さあさあ、まだ展望台トレイルは続きます、中藤(なかっとう)山、不逢(あわず)山を越えて、大石峠へ、新道峠からここまで1時間ちょっとです。富士山に飽きた頃に大石峠到着、ここもまた富士山が見事です、もう満腹です。
ここから河口湖湖畔までずっと下ります、残念ながら途中から舗装路になってしまいますけど。湖畔の河口湖自然生活館には河口湖周回のバス停。途中下車もよし、このまま河口湖駅に戻ってもよしです。全部で16.3㎞、富士山を満喫しすぎ、お腹いっぱいの御坂山地でした。
コースマップ
河口湖駅発の富士急バスで天下茶屋バス停へ、ここにトイレとドリンク自販機があります。全行程16㎞ちょっと、なかなかの距離です、補給食や水、ウェアなど装備は十分に備えましょう。戻りの周回バスは湖畔を巡ります、途中下車して温泉、もありですね。
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GPSデータは「.gpx」形式です。GPS時計各ブランドのアプリで読み込めます。GPS時計がなくてもスマートフォンの地図アプリを使ってダウンロードできるし、「グーグルマップ」を開いて「マイマップ」に取り込むこともできます。また、「.gpx」形式はMacアプリの「トレイルノート」で開いて編集することができます。
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