ウチサカさんのトレイル案内。埼玉県[蟹穴山から顔振峠]
本誌『ターザン』の連載『Tarzan Trails』では、毎号トレイルラニングの楽しさを紹介しています。899号は埼玉県[蟹穴山から顔振峠]のトレイルガイド。こちらのページでは、コースのGPSデータを公開中!
取材・文/内坂庸夫 撮影/石原敦志 トレイルランナー/山下晃和

ウチサカさんってこんな人。

蟹穴山から顔振峠。
西武池袋線&秩父線は奥武蔵の山塊をずんずんと突っ切っていきます。線路に沿って南北にたくさんの山が連なり、数え切れないほどのトレイルはそれぞれその奥の山々にもつながっています。
ですから、途中のどの駅からでも、南北どちらに走り出しても、なかなかのトレイルを楽しめるし、同じ駅にはもちろん、異なる駅にも帰り着くことができます。奥武蔵、すごいと思うな。
今回はこの駅前トレイルの中から、「蟹穴山」という名前に惹かれてコースを作りました。奥武蔵に海があるわけはないのに、いったいどんな山? 山頂に蟹穴があるの? 興味津々で走り出しましょう。さあ、行くよ、GPSデータのダウンロードをお忘れなく。
スタートは東吾野駅、目の前の高麗川と国道299(あじさい街道)を渡って右に。吾那神社をまわり込むとトレイルが始まります。なかなかの急斜面、橋本山321mの先でいきなり道が広くなって分岐、ユガテの入り口です、ユガテ方面に。

途中まで奥武蔵ならではのシダと杉のコラボトレイルです。
すぐにちょっとした集落と農作地のユガテ、トイレがあります。一段高みに上がってエビガ坂を目ざしましょう。 15分ほどでエビガ坂、10分プラスで山頂サインがわかりにくい茶之岳山450mです。
舗装路に出ても驚かずにそのまま、すぐにトレイルになって謎の蟹穴山460mです。 ピークに可愛らしい山頂サインがあるだけで、なんてことのない山、蟹穴はありません。展望もよくないし、うーむ、名前に負けたか。

蟹穴山の由来はこの山の下の沢に蟹のような形の穴があるから、とか。どうりで山頂にはなにもないわけだ。
この先はたいした上りのない、走りやすい杉林トレイルが続きます。超素晴らしいビューが待っている顔振(かあぶり)峠を目ざしましょう。 途中に分岐がいくつもあって間違えると毛呂駅、越生駅に行っちゃうかも、ご注意を。分岐ではGPSを確かめましょう。
蟹穴山から30分くらい、トレイルが広くなって諏訪神社に到着です。手前に越上山山頂に上がる分岐があるけど今回はパス。で、諏訪神社の先はますます走りやすくなりますが、週末はハイカーさんも多いのでご注意を。すれ違いや追い越しのときには「歩いて」です。
舗装路にポンと飛び出たら右折、5分もかからずお茶屋さんが並ぶ顔振峠。茶店手前の階段を下りるとトレイルが始まります。目の前に広がる小さな谷あいと、その奥に幾重にも連なる山なみ、いやあ見事です。

なんと素晴らしい顔振峠。実は2年前に逆方向で吾野駅からここに上って来ています、865号「吾野越生トレイル」です。
大絶景を楽しんだら、ここから吾野駅までえんえん下りっぱなし。顔振峠入口から先は舗装路です、車両に気をつけて。吾野駅まではクルマの少ない旧街道を行きましょう。
コースマップ
東吾野駅から吾野駅へ、反時計まわりの12.4km。標高グラフの通り蟹穴山あたりまでが上り、そのあと顔振峠までフラット、そして下り(3kmもあります)というコース。終盤の下りを楽しむためにも、前半の上りはゆっくり、平ら区間も飛ばしすぎないように。
GPSダウンロードはこちら!
GPSデータは「.gpx」形式です。GPS時計各ブランドのアプリで読み込めます。GPS時計がなくてもスマートフォンの地図アプリを使ってダウンロードできるし、「Googleマップ」を開いて「マイマップ」に取り込むこともできます。また、「.gpx」形式はMacアプリの「トレイルノート」で開いて編集することができます。