ウチサカさんのトレイル案内。埼玉県[日和田山〜愛宕山]
トレイルランニングのシーンを黎明期から取材してきたレジェンドエディター・内坂庸夫さんが、さまざまなトレイルをランナーの視点で紹介。コースのGPSデータも公開中!
取材・文/内坂庸夫 撮影/石原敦志 トレイルランナー/山下晃和
初出『Tarzan』No.891・2024年11月7日発売
ウチサカさんってこんな人
日和田山から愛宕山へ。
西武池袋線飯能駅のふたつ先に高麗という駅があります。「こうらい」と読めば朝鮮半島のかつての古代王朝の名称、大韓民国の英名「コリア」はこの高麗に由来します。
でも駅名の読みは「こま」。南口広場に彼の地の厄災防除、家内安全を祈願する「天下大将軍」と「地下女将軍」の大きな柱が建っていて、それぞれてっぺんにこわいけどユーモラスな顔が描いてあります。日本が「倭」のころ、多くの人が海を渡り来て、このあたりに移り住んだそうです。
駅から15分ほどで日和田山登山口に到着。手前の駐車場に女性として世界初のエベレスト登頂に成功した田部井淳子さんの碑「日和田山からエベレストまで」があります。と、今日は奥武蔵の入り口の山域を走りましょう。
高麗駅から日和田山、物見山とまわり、ハイカーさんの少ないマイナールートで武蔵横手駅に戻ります、全部で10kmちょい。標高グラフの通り、前半はゆったり鼻唄、北向地蔵からは、ああ忙し、アップダウンが次々にあらわれます。
日和田山登山口からすぐに男坂(岩場で急峻)と女坂(ゆるゆる)の分岐があります、先のことを考えて女坂を進みます。10分ほどでこのドドーンの岩場、金刀比羅神社に到着です。
足元に高麗駅周辺の町並みが広がっています。神社のちょい先が日和田山。そして次は物見山、このルートは実は奥武蔵自然歩道、いったん舗装路になっちゃいます。途中で物見山への道標があるのでそちらに、すぐに広場に到着。「物見山」のサインがあって山頂っぽいけど、ほんとの山頂はその奥です。
Uターンしてコースに戻って次は北向地蔵、いかにも奥武蔵という杉林を走りまくって到着です。お地蔵さんに挨拶したら、裏の舗装路を横断、GPS通りに進みましょう。ここから後半です、小さなアップダウンを繰り返しながら少しずつ高度を下げてゆきます。
途中でローカルが作ったとおぼしきお人形?が登場してきます、トレイルは狭く、ときどき岩場もあらわれます、楽しませてもらいましょう。
西大峰、深沢山、水晶山、そして最後の愛宕山へと下ります。ここには愛宕権現があって、ちょっとした眺望も望めます。その先で急坂下り、足元にご注意ください。大きな広場に出たらその先は長念寺、ゆるーい下りが素敵です。
コースは長念寺の境内を通るので失礼のないように。お寺を出たら国道を渡って武蔵横手駅を目ざします。はい、10.3km。
コースマップ
高麗駅から北に進んで北向地蔵まで、そこから南に下って武蔵横手駅へ、というコース。前半はメジャーコースなので多くのハイカーさんに会うけど、後半のお地蔵さんからはまず人に会うことはないでしょう。分岐がたくさんあります、GPSを忘れずに。
GPSダウンロードはこちら!
GPSデータは「.gpx」形式です。GPS時計各ブランドのアプリで読み込めます。GPS時計がなくてもスマートフォンの地図アプリを使ってダウンロードできるし、「Googleマップ」を開いて「マイマップ」に取り込むこともできます。また、「.gpx」形式はMacアプリの「トレイルノート」で開いて編集することができます。