コンディショニングのひみつ:ウェアラブル端末のすすめ
連載「コンディショニングのひみつ」。今回は「ウェアラブル端末」について。
取材・文/オカモトノブコ 漫画/コルシカ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)
初出『Tarzan』No.875・2024年3月7日発売
心身の調子を可視化して仕事も運動も便利に楽しく
ここ数年、ますます進化して選択肢も広がってきたウェアラブル端末。気になってはいるけど、実際のところどう使って、どんなメリットがあるの?と考える人も多いだろう。
そこで今回は、身に着けるだけでカラダはもちろん、心のコンディショニングにも役立つウェアラブル端末の活用術について紹介していく。
まずウェアラブル端末の大きな利点のひとつは、日々の活動や体調を“見える化”できるということ。データを記録として残し、パフォーマンスの向上に役立てるという意味では、前回の本連載でテーマとして解説した「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」からなる「PDCAサイクル」の実践においても、力強い味方になってくれるツールなのだ。
端末の種類にはスマートウォッチタイプや活動量計タイプなどが数あれど、選ぶ際はまず、心拍数を計測する機能はマストとして考えたい。運動時のみならず、休息時も寝ているときも、心臓の拍動からカラダのさまざまな状態が見えてくる。
健康な成人であれば、安静時の心拍数は1分間で約50~100回程度。一般的には低めが理想といわれ、普段から運動している人は低めに、運動不足の場合は高めになりやすい。つまり安静時と活動時の心拍数を比較した“静と動”のバランスに、いまの生活状況が反映されるのだ。
心拍数チェックはマスト
心拍数で分かる健康状態はさまざま。ストレス状況なども数値化される。いまの自分を客観的に判断する手段として活用しよう。
さらに心拍数が分かると、そこから付随して呼吸の回数や体表面の温度、血中酸素濃度など、カラダのさまざまな状態が推察される。データが可視化されるから、日々の健康管理が誰でも簡単にできるように。
またビジネスシーンなどでもぜひ活用したいのが、ストレスのチェック機能。そもそもカラダがストレスを受けているかどうかは、心拍数が高く、かつデータの推移からその変動が少ない場合で判断される。
このときウェアラブル端末にGPS機能があれば、加速度センサーがカラダの移動状況を感知。動きが少ないのに心拍数が増えていれば心理的なストレス状況下にあると判断され、数値化して示してくれるのだ。年齢とともに無理が利かなくなるからこそ、客観的なデータを基に意識して休息を取り入れていきたい。
トレーニング内容の記録を残そう
自分に合った運動強度を判断したり、GPSでルートを確認したり。これらの記録を残すことが、モチベUPや成長にもつながる。
現在では多くの機種に搭載されてはいるが、前段で触れたGPSもマストな機能のひとつ。活動中の自分が地図上のどこにいるかがリアルタイムで分かり、アプリと連動すれば頼もしい道案内のナビゲーターに。走った後の記録も地図上に残せるので、達成感も得られるはずだ。
加えてGPSの加速度センサーを使えば1km当たりのラップタイムが分かったり、アップダウンがある場所では高低差も可視化できたり。単位時間当たりの活動量や歩数からは消費カロリーが換算されるなど、ダイエット中にはこうした記録が間違いなくモチベーションになる。
最近ではランニングなどの間にスマホなしで音楽を聴けるスマートウォッチもあり、本体に音楽を保存したり、配信サービスにも対応していたりと楽しみ方はさまざまだ。
さらにタッチ決済ができる機種もあり、屋外での活動をもっと身軽に楽しめる時代に。日々の生活やトレーニングを強力にバックアップしてくれるウェアラブル端末、もう使わない手はない。
復習クイズ
答え:血圧