乱れたルーティンは早めにリカバリーする
規則正しい食事を心がけていても、急な出張や飲み会が入り、ルーティンが崩れることもある。
そういうときは、できるだけ早期に正常化を心がける。
出張で野菜が摂れなかったり、飲み会で食べ過ぎ&飲み過ぎの自覚があったりするなら、いち早く翌日の食事をチューニング。朝食から普段より野菜多めのメニューを選んだり、昼食や夕食のカロリーを減らしたりしてリカバリーに努めてほしい。
「焦らなくても1週間単位で帳尻を合わせればいい」などとのんびり構えるのはNG。そうこうするうち、予期せぬ出張や飲み会がまたまた入らないとも限らない。1回くらいの乱れは速攻でチャラにできるけれど、それが2回、3回と続くとリカバリーが難しくなり、それを契機にせっかくのヘルシールーティンが完全崩壊する恐れだってある。
ルーティンが乱れてから慌てて対処するのではなく、事前に対応する方法もある。出張前日の夕飯を野菜中心で軽めにしたり、飲み会のある日の昼食はカロリーもボリュームも抑えた食事にしたりするのだ。
油を使わずに肉類を調理する方法を知る
タンパク質と糖質は1g4キロカロリーだが、脂質は9キロカロリーと2倍以上も高カロリー。ゆえに、運動を始めるとタンパク質ばかり重視し、脂質を敵視しすぎる傾向がある。挙げ句、サラダチキン、鶏胸肉、牛ヒレ肉といった高タンパク&低脂質のタンパク源を選びがちになる。
確かにサラダチキンは、プロテイン並みに優れたタンパク源だが、毎日のように食べていると飽きる。牛ヒレ肉は問答無用にウマいけれど、高価なので頻繁には食べられない。
身につけたいのは、余計な油を使わず肉類を調理するコツ。揚げ物は避けたいし、バラ肉や挽き肉はさすがに脂質が多すぎるが、それ以外は蒸したり茹でたりすれば、オイルフリーでおいしく調理できる。
減量中は鶏肉の皮や豚肉の脂身のように目に見える脂質はカットするように指導されるが、脂質は旨み。皮や脂身を取り除くと食事の満足感が下がる。グリルで皮や脂身を炙り、余計な脂質を落とすと、旨みを残しつつカロリー摂取もセーブできる。
お酒と良い関係を保つ
かつて「百薬の長」と称されたお酒も最近はかなり分が悪い。少量なら健康にいいという言い訳も危うくなり、できればお酒はまったく飲まないに越したことはないというエビデンスが揃ってきたのだ。運動でも筋トレに関しては、アルコール摂取により筋肥大にブレーキがかかるという証拠が集まりつつある。
とはいえ、禁酒しないとトレーニーになれないわけではない。
左党にはお酒は食生活を豊かにしてくれる相棒。お酒を飲んでも太らないために、せっせとトレーニングを続ける人もいる。さすがにトレーニング前に飲む人はいないはずだが、運動後にお酒を飲んでも筋トレが完全に無駄になるわけではない。午前中にトレーニングを終えておいて、晩酌まで半日ほど空けられたら、アルコールによるネガティブな反応はかなり抑えられる。
生活習慣に合わせて食事をパターン化する
私たちは日々スケジュールに基づいて分刻みで動いている。同じようにカラダにも体内時計が備わり、一日の時間割に沿って内臓や代謝のコンディションを調整する。それが狂うと、カラダ作りに悪影響が及ぶ。
体内時計を左右するのは光と食事。朝起きて日光を浴び、朝食を食べることにより、体内時計は「今日も一日が始まった」と認識し、規則正しいリズムを刻み始める。
大事なのは、毎朝決まった時刻に起きること。そこで糖質とタンパク質を含む食事を摂ると、体内時計がリセットされやすい。ご飯+納豆、パン+ハムエッグといった昔ながらの朝食の定番は、実は理に適っていたのだ。朝食から5時間後に昼食、それから5時間後に夕食を摂ると、体内環境はより整いやすくなる。
寝坊が許される休日も、タイムスケジュールを平日と大きく変えないことが肝要。2時間以内の寝坊は許容範囲だが、それ以上遅く起きて朝食を抜くと体内時計が狂い、週明け戻すのに難儀するに違いない。
間食は栄養補給のチャンス
間食にはネガティブなイメージを持つ人が大半だろうが、何を食べるかでポジティブ転換することは可能。食事回数が増えるほど、多彩な食材が摂れるようになり、栄養の偏りを修正するチャンスは増える。
間食=甘いものは、エンプティカロリー。カロリーがエンプティ(ゼロ)ではなく、カロリーはあるのに栄養がエンプティという意味だ。
でも、甘くない間食なら、サプリのように栄養補給に使える。低脂肪でタンパク質がリッチなギリシャヨーグルト、食物繊維やミネラルが豊富なナッツ類などだ。タンパク質、ビタミン、ミネラルなどがまとめて摂れるプロテインバーもいい。
旬の野菜を1日5皿以上食べる
野菜は低カロリー&低糖質&低脂質であり、不足が心配されるビタミン、ミネラル、食物繊維の宝庫。
運動で呼吸数が増えると有害な活性酸素も増えるが、野菜にはその悪行を帳消しにする力もある。色の濃い緑黄色野菜のβ―カロテン、トマトのリコピン、ブロッコリーのイソチオシアネートのようなフィトケミカル(植物が作り出す有用成分)が、活性酸素による酸化を防ぐのだ。
厚生労働省では1日350g以上の野菜を摂ることを推奨している。均等割りで1食120g。一方、現在の日本人の野菜摂取量は、1日280gほどと低水準に留まっている。
野菜摂取を増やすコツは加熱して食べること。生野菜120gは両手のひら1杯分。毎食それだけ完食するのはひと苦労だが、煮物、おひたし、炒め物、具だくさん味噌汁のように加熱した野菜なら1皿(1品)で約70gの野菜が摂れる。5皿でちょうど350gだ。トレーニーなら、1食で副菜2皿(約140g)×3食=約420gの野菜摂取を狙おう。
また、野菜は旬ほどビタミンなどの栄養価が高い。たとえば、冬野菜のホウレンソウのビタミンCは、夏採りの3倍も多く含まれるのだ。旬ほど値段も安くなるから、野菜の旬を知ってモリモリ食べたい。