【棚橋弘至・連載】第34回:現在棚橋かなり増量優。絞るので…猶予をください!
新日本プロレス「100年に一人の逸材」棚橋弘至が綴る、大胸筋のように厚く、起立筋の溝のように深い筋肉コラム。第34回のテーマは「2024年のカラダ作り」について。
現在棚橋、ガッチリ食って増量中
プロレスラー生活24年目。
こうしてキャリアを重ねてくると、1年の流れというのは、すっかりカラダに染み付いている。年始に東京ドーム大会があって、春に九州に行って、6月に大阪城ホール、夏は北海道からG1が始まって、あっという間に、また東京ドーム。
このスケジュールと僕の体型には、深い関係性がある。
理想を言えば、年間を通して常にグッドシェイプを維持できているのがよい。…よいのですが、より大きく!より強く!という目標(大義名分?)を掲げて、ややオーバーカロリーの食事を取りながら「バルクアップ期」と称して、過食に走る。それが何を隠そう…今、なのです。
東京ドーム大会をベストコンディションで迎えるため、2018年からスタートした「新日本プロレスコンクルソ(※新日本プロレスの選手達によるボディビルコンテスト)」。早い選手だと、2か月くらいの準備期間を設けて、しっかりと仕上げてくる。
僕自身も食事制限と有酸素運動でいくらか絞るので、その反動がくるのが東京ドーム大会後〜2月で、今年もご多分に漏れず、ガッチリ飯を食って、かなりの増量に成功してしまっています。この1月〜2月を制することができれば、春からそんなに苦労しなくてもよいものを…(泣)。
カラダ作りはオフ期の増量が鍵を握る?
しかしながら、僕が積み重ねてきたボディビル知識によると、オフ期にどれだけの筋肉量を増やせるかがとても大事で、さらなる高みを目指すには、パワーアップも必須科目なのです。
筋肉量を増やすには、まず、摂取カロリーが消費カロリーを上回る必要があります。さらに、タンパク質も多めに摂って、ハードなウエイトトレーニング。そして、たくさん眠る。
この【破壊→回復】の繰り返しで、筋肉が大きくなっていくのですが、そこには栄養が必要以上に必要だと…。
「足りないくらいだったら、多めに摂ってしまえ!」という考えの持ち主です。ビタミンに関しても、メガビタミン主義みたいな言い方があって、「多めに摂っても、吸収されない分は尿に出るから」みたいな考え方のことです。
この考えにまんまと乗っかった僕は、ビタミン剤を常用していた時期があって(今は摂ってない)、その頃、練習後などにオレンジ色の尿が出ていたものでした(汗)。
爆食生活を経て、今年は絞る一年に!?
このように、カラダ作りに関しては経験値と知識がとても重要になります。…が、知識があるからといって、必ずしも成功するとは言い切れない難しさがあります。
そう、それは煩悩との闘いですね。特に気をつけないといけない、東京ドーム大会後のこの時期。今年はというと…佐賀県唐津市に来て、過去にないくらいのオーバーカロリー! 爆食生活をしています。
まぁ、いくら仕事とはいえ、現在、目も当てられないお腹になっております。「太るのは一瞬」という言葉がありますが、とりあえず、東京に帰ったら体重計に乗ってみようと思います。
増えるだろうな…という予感がしたので、出発前にも体重計に乗ってきたので、どれだけ増えたか分かります。5キロの範囲内で、いけたら…。いや、10キロいってたらどうしよう。
しかしながら、たくさん食べられるというのは、カラダ作りでは大きなアドバンテージでもあります。僕は体重も筋肉も増えやすい、おそらく「イージーゲイナー」になると思います。
それだったら、年間で増やす時期、絞る時期をしっかり分けて生活すれば…。ふふふ。「オレはすでに勝利を掴んでいる」とも言えなくはないですが、ここ数年、このやり方で「勝利を掴んでいない」という現状は、いかんせん否定できない。
うむ。決断のときが来たようです。筋肥大か? グッドコンディションか? 今年は年間通して絞ってみましょうか? 年間ひとりコンクルソ!
どうぞ、期待してください! ただ…今は、佐賀県唐津市で食べ過ぎた後なので、ちょっと猶予をください。
棚橋弘至
たなはし・ひろし/1976年生まれ。新日本プロレス所属。立命館大学法学部卒業後、1999年デビュー。低迷期にあった同団体をV字回復に導き、昨今のプロレスブームをリング内外の活動で支える。