血中アルコール濃度を急激に上げてしまうと早々に酔いが回ってその後セーブが利かなくなる。アルコールの吸収をできるだけ緩やかにするためには、つまみを厳選することが重要だ。家飲みならば、それこそつまみは自由自在。今日のお酒とのマリアージュを楽しみながら、美味しく健康的に飲める最強つまみの作り方をマスターしよう。
白ビール×キャベツのレモンカレーマリネ
キャベツに含まれるビタミンU=キャベジンは胃の粘膜を修復する作用があることが知られている。熱に弱いので生でいただくのがおすすめだ。ピリ辛の後味は白ビールとよく合う。カレー粉の代わりに粒マスタードを使ってもよし。
材料(2人分)
- キャベツ葉っぱ3枚…(100g)
- オリーブオイル、レモン汁…各小さじ2
- カレー粉…小さじ1
- 塩・砂糖…各ひとつまみ 
作り方
キャベツは5mm幅の細切りにして、全材料を和える。
黒ビール×サバ缶と春菊のゴママヨつまみサラダ
サバ缶は黒ビールに負けないガッツリテイストの味噌煮をチョイス。サバとマヨネーズに含まれる脂質は胃の滞留時間が長いので、黒ビールのアルコールも一緒に胃に留まり、カラダへの吸収が穏やかになる。サンマ缶、イワシ缶でも。
材料(2人分)
- サバ缶(味噌煮)…1缶(200g)
- 春菊(3〜4cm長さに切る)…2束(80g)
- [A]
- マヨネーズ…大さじ2
- すりゴマ(白)…大さじ1
- 醬油…小さじ1
作り方
- サバ缶は身を食べやすくほぐし、汁は[A]と一緒に混ぜる。
- ボウルに[1]、春菊を和える。
白ワイン×ツナアボカドとナッツのブルスケッタ
アボカドの脂質はアルコールの吸収を緩やかにし、強力な抗酸化作用のあるビタミンEが豊富なナッツは活性酸素から肝臓を守ってくれる。ツナマヨとキリッとした白ワインの相性も抜群。ツナはエビやタコなどの魚介類で代替もOK。
材料(2人分)
- バゲット(1cm幅に切る)…8枚
- ツナ缶(オイル・汁気を切る)1缶…(70g)
- アボカド(1cm角)1個…(100g)
- ミックスナッツ…20g
- ケチャップ、マヨネーズ…各小さじ2
作り方
- アボカドは滑らかになるまで潰して、ツナ、ナッツ、マヨネーズ、ケチャップと和える。
- 焼いたバゲットの上に乗せる。
赤ワイン×豚肉とちくわのしそチーズ肉巻き〜ガリポン味〜
アルコール分解に不可欠なビタミンB1の代表的な補給源といえば豚肉。豚バラ肉でチーズちくわをくるくる巻き、ガーリックポン酢で仕上げたパンチのある味わいが赤ワインに合う。豚バラ肉は薄切りロースやもも肉に替えても可。
材料(2人分)
- 豚バラ肉(薄切り)…4枚
- ちくわ…4本
- スライスチーズ(半分に切る)…2枚
- 大葉…4枚
- サラダ油…小さじ2
- [A]
- すりおろしニンニク…小さじ1/2
- ポン酢醬油…大さじ2
作り方
- ちくわは縦に切り込みを入れて、大葉とスライスチーズを詰める。
- ちくわの全体を豚バラ肉で包む。
- フライパンにサラダ油をひき、[2]の巻き終わりを下にして中火で焼いて、巻き終わりが結着したら全体を転がしながら炒めて、余計な油はキッチンペーパーで拭く。
- [3]に[A]で味付けをしたら完成。
レモンサワー×ささみとかいわれ大根の梅オイスター
タンパク質を構成するアミノ酸は肝臓に運ばれてアルコール代謝をサポート。高タンパク低脂質の鶏ささみは飲みの中盤にぴったりの食材。梅風味で焼酎との相性もばっちり。サラダチキンやスモークターキーを利用する手もありだ。
材料(2人分)
- 鶏ささみ…3本
- 塩、砂糖…各ひとつまみ
- 酒…大さじ2
- かいわれ大根…1パック
- 梅干し(種を取り叩き切る)…1個
- オイスターソース…小さじ2
作り方
- ささみは塩、砂糖で揉み込み、耐熱皿に酒を振りかけてラップをし、電子レンジ(600W)で3分温めて、粗熱を取り、手で裂く。
- かいわれ大根は軸を切り、3等分切り。全材料を和える。
ハイボール×しらすの豆腐グラタン
脂質が豊富なチーズはスターターのおつまみとしては最もおすすめな食材のひとつ。グラタンをひと口食べてからハイボールを味わうとチーズの濃厚な風味が一旦切れるので、もうひと口が食べたくなる。明太子やたらこでも。
材料(2人分)
- しらす干し…40g
- 絹豆腐…1/2丁(150g)
- マヨネーズ…大さじ2
- 味噌…小さじ2
- ピザ用チーズ…50g
作り方
- 絹豆腐はなめらかになるまで混ぜて、キメ細かくなったら、マヨネーズ、味噌、しらすの半量を混ぜる。
- 耐熱皿に[1]→ピザ用チーズ→残りのしらすを乗せて、オーブントースターでこんがり焼く。
日本酒×マグロユッケ風
韓国料理店で出てくるユッケは牛の生肉。でもこちらはマグロを細切りにしたもの。いわゆるマグロの“漬け”なので日本酒に合わないわけがない。しかも良質なタンパク質が肝臓の機能を助けてくれる。タイやサーモンでもOK。
材料(2人分)
- マグロ(刺し身用・細切り)…130g
- 卵黄… 1個分
- いりゴマ(白)…お好み
- [A]
- コチュジャン・醬油・ゴマ油…各小さじ1
- すりおろしニンニク…小さじ1/2
作り方
- ボウルにマグロ、[A]を混ぜて、器に盛り付けて上にくぼみをつけて、卵黄を乗せて、いりゴマを散らす。
紹興酒×砂肝とピーマンの黒胡椒炒め
低脂質高タンパクの砂肝が肝臓をサポートし、消化されにくいピーマンの食物繊維がアルコール吸収のスピードを穏やかに。たっぷり利かせた黒胡椒テイストは紹興酒に負けない存在感。ピーマンの代わりにパプリカ、ズッキーニでも。
材料(2人分)
- 砂肝…200g
- ピーマン(種を取り、薄切り)…3個
- オイスターソース…小さじ2
- 醬油・黒胡椒…各小さじ1
- 酒…大さじ1
- サラダ油…小さじ2
作り方
- 砂肝は銀皮を削ぎ、3か所ほど縦に切り込みを入れる。
- フライパンにサラダ油をひき、中火で砂肝を転がしながら炒める。全体的に焼き色がついたら、酒を振り、蓋をして、弱めの中火で2分ほど蒸し焼きにする。
- 蓋を開けて、再び中火にして、ピーマン、オイスターソース、醬油、黒胡椒を振り、炒める。
取材・文/石飛カノ 撮影/吉松伸太郎 監修/エダジュン(管理栄養士)、葉石かおり(酒ジャーナリスト=酒NEWS) 撮影協力/UTUWA
初出『Tarzan』No.870・2023年12月14日発売
- Share
-