1分縄跳びで内臓脂肪を即効撃退。
良い悪いってどういうこと?「代謝の正体」を学ぶQ&A。
背中を広く厚くするなら、ロウイングがおすすめ。
「ハンドツイスト」でくびれを作ろう!
冷えや便秘、不眠まで。ありがち不調に効く7つのツボ。
雨で走れない日は「インドア有酸素運動」。
ランが続く人、続かない人は一体何が違うのか。
「肩甲骨と背骨」を整えて、上半身トレを効率的に!
  • 公開:

血流を促す“循環系ストレッチ”で腎機能を活性化!

腎臓のための循環系ストレッチ

大切な臓器、腎臓を守るためには、日頃の食事はもちろん、運動もプラスしたい。そこでポイントとなるのが血流を効率的に促すこと。血流がアップすれば、硬く弱くなった血管はしなやかに蘇り、運動で血圧も血糖値も下がれば、腎臓は大助かりである。自宅で手軽にできる“循環系ストレッチ”を日々のルーティンに!

腎臓を守るための循環系ストレッチ

頼れる腎臓を守るには、塩分や糖質の摂りすぎを控えるなど食生活の節制が求められる。プラスして有効なのは、自宅で道具なしに行える手軽な「循環系ストレッチ」。

「これはその名の通り、血液を循環させるストレッチ。肩甲骨、脊柱、股関節といった大きな骨と関節を動かす動的ストレッチであり、血液の幹線道路ともいえる体幹の血流を改善して、血管を強くすることが期待できます」(フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さん

血液のおよそ80%は、静脈や毛細血管に留まり、筋肉のポンプ作用でしか心臓へ還流させるのが難しい。循環系ストレッチはこれらの血液を心臓に押し戻して血流をアップ。血流が良くなれば、硬く弱くなった血管はしなやかに蘇る。循環系ストレッチで血圧も血糖値も下がるから、腎臓は大助かりである。

大事なのは、小さな動きを徐々に大きくしながら一連の動作を何度も繰り返すこと。せっかく勢いづいた血流を止めないための工夫だ。

ここでは「脱ぎストレッチ」と「伸びストレッチ」を紹介する。隙間時間にできるから、できれば両方とも毎日続けてほしい。坐り仕事のブレイクタイムに気分転換を兼ねて行うと、滞った血液が一気に流れて心身がリフレッシュできるだろう。

脱ぎストレッチ

Tシャツを脱ぐように上半身を大きく回す動作と、スクワットのように下半身を駆使する動きを組み合わせたもの。上半身のターゲットは、背中の僧帽筋、肩の三角筋、インナーマッスルのローテーターカフの筋肉だ。下半身では膝を少しずつダイナミックに屈伸させながら、太腿の大腿四頭筋ハムストリングス、股関節の腸腰筋といった大筋群を活性化する。4ステップを休みなく続けて、下から上へ、上から下へと血液を巡らせて。

ステップ① 5〜10回×3セット

腎臓のための循環系ストレッチ

❶ 両足を肩幅程度に開いて立ち、背すじを伸ばして胸を張る。両腕を軽く曲げ、Tシャツの裾あたりの位置で手首をクロスさせて手のひらを開く。❷ 手首をクロスさせたまま、両腕を頭上まで引き上げる。❸ 胸を突き出すように張り、両肘を斜め後ろに引きながら左右の肩甲骨をしっかり寄せる。脇を締め、戻る。

ステップ② 5〜10回×3セット

腎臓のための循環系ストレッチ

スタートポジションを変える。

❶ 背すじを伸ばしたまま、ハーフスクワットをするようにお尻を後ろに引いて膝を曲げてしゃがみ、両手を反対の膝にタッチ。❷ 股関節と膝を伸ばして立ち上がりながら、❸ クロスさせた手首を頭上へ上げ、❹ 両肘を斜め後ろに引きながら左右の肩甲骨をしっかり寄せる。脇を締め、戻る。

ステップ③ 5〜10回×3セット

腎臓のための循環系ストレッチ

スタートポジションをさらに深くする。❶ 背すじを伸ばしたまま、フルスクワットをするようにお尻を後ろに引いて膝を曲げてしゃがみ、両手をクロスさせて床にタッチ。❷ 股関節と膝を伸ばして立ち上がりながら、❸ クロスさせた手首を頭上へ上げ、❹ 両肘を斜め後ろに引きながら肩甲骨を寄せる。脇を締め、戻る。

ステップ④ 5〜10回×3セット

腎臓のための循環系ストレッチ

両手に500mL入りのペットボトルを持つ。❶ フルスクワットをするようにお尻を後ろに引いて膝を曲げてしゃがみ、両手をクロスさせてボトルを床にタッチ。❷ 股関節と膝を伸ばして立ち上がり、❸ クロスさせた手首を頭上へ上げ、❹ 爪先立ちになり、両肘を斜め後ろに引きながら肩甲骨を寄せる。脇を締め、戻る。

伸びストレッチ

カラダは本来360度自在に動けるように設計されているが、運動から遠ざかるとカラダを動かす範囲は限定される。それが血流不全を招き、腎機能低下にも結びつく。ここで行うのは、普段めったにやらない側屈&ツイスト動作。両者のハイブリッドで、肩甲骨と股関節という大きな関節を稼働。それぞれの関節に付く大小さまざまな筋肉の伸縮を促しながら血流を促進し、腎機能を活性化する。こちらも4ステップを休みなく続けよう。

ステップ① 左右各5回

腎臓のための循環系ストレッチ

両足を肩幅よりもやや広めに開いてまっすぐ立つ。爪先を軽く外側へ向ける。❶ 左肘を曲げ、左肘を肩の高さあたりに上げる。背すじを伸ばし、胸を張る。❷ 背すじを伸ばしたまま、左腕を伸ばし、左手を右肩の真上に上げる

ステップ② 左右各5回

腎臓のための循環系ストレッチ

両足を肩幅よりもやや広めに開いて立つ。爪先を軽く外側へ向ける。❶ 左膝を軽く曲げ、左足に体重をかける。左肘を曲げ、左手を肩の高さあたりに上げる。背すじを伸ばし胸を張る。❷ 左膝を伸ばしながら左腕を伸ばし、❸ 右膝を曲げて体重を乗せ、左手を右肩の真上に上げる

ステップ③ 左右各5回

腎臓のための循環系ストレッチ

左手に500mLのペットボトルを持ち、左肘を曲げ、左手を肩の高さあたりに上げる。❶ 左膝を軽く曲げて左足に体重をかけながら、後ろを見るように上体を左側へ捻る。❷ 背すじを伸ばしたまま、左膝を伸ばしながら左腕を伸ばして、❸ 右膝を曲げて体重を乗せながら、左手を右肩の真上に上げる

ステップ④ 左右各5回

腎臓のための循環系ストレッチ

❶ 両手で500mLのペットボトルを横に持ち、左膝を軽く曲げて左足に体重をかけながら、後ろを見るように上体を左側へ捻り、両肘を軽く曲げてボトルをヘソの高さで構える。❷ 背すじを伸ばしたまま、左膝を伸ばしながら両腕を伸ばして❸ 右膝を曲げて体重を乗せ、両腕を右肩の真上に上げる

取材・文/井上健二 撮影/安田光優 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/坂西透 取材協力/中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション最高技術責任者)

初出『Tarzan』No.870・2023年12月14日発売

Share

関連記事:

Share