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平均の入院費は?3大疾病にかかったら? 病気の値段を学ぶ

病気の値段、保険の正解

病気になったときにかかる費用、すぐに答えられますか? 「保険に入っているから大丈夫」、そんなあなたは、その保険の具体的な内容を理解できていますか? 今さら聞けない入院治療費と医療保険のこと、勉強し直しましょう。

突然の入院にも慌てない、お金の知識を身につけよう

病院のお世話になるのは年に1、2度かかる風邪くらい。健康であることが当たり前の若い頃は生涯医療費と言われてもピンとこないかもしれない。

ところが40歳を過ぎると徐々に病院を訪れる機会が増えてくる。高血糖に高血圧治療、腰痛治療に歯周病治療、まさにさまざまな病気や不調に見舞われ始めるお年頃と言ってもいい。

ところが、病気の治療費に一体いくらかかるのか? もし入院したらその費用は? 保険はそもそも必要なのか? 多くの人はこれらの情報に関してあまりにも無頓着。

今後50代、60代と年齢を経るごとに病気との付き合いが深まっていく可能性は高い。だとしたら、病気にかかるお金のこと、病気になったとき助けになる保険のことを知っておきたい。最低限の基礎知識を身につけるのは、今だ。

もし病気になったら、これだけのお金がかかります

すわ入院!ということになっても慌てないよう今のうちからシミュレーションをしておこう。

もし、病気で入院するとなったとき、1日に必要な金額はざっくり下の通り。

何かの病気で入院したら…

何かの病気で入院したら… 病気の値段、保険の正解

1日当たりの平均入院費用:1万4578円

※自己負担3割の場合

病気によって金額はピンキリだが、平均的な医療費の自己負担額は3割負担の場合5000円強。これとは別に1日3度の食事代がかかる。食事代は全国一律で1食につき640円だが、2018年からその一部を健保組合が負担するようになり1食460円、×3で1380円だ。

一番大きいのは差額ベッド代。1病室4床以下の少人数部屋を希望する際は、大部屋との差額を自腹で支払う必要がある。平均的な1人部屋の差額は1日8000円以上、4人部屋で約2600円平均で6527円

さらに、自身や見舞いに来る家族の交通費などを合わせると1万4578円也。これ以外にも雑費がかかると想定しておいた方がいい。基本的に医療費以外の費用や先進医療費は公的医療保険の対象外だ。

3大疾病&脳の病気にかかったら…

病気の値段、保険の正解

日本人の死因のトップ4はがん心疾患老衰脳血管疾患。老衰は病気と見なされていないので、トップ3疾患はがん、心疾患、脳血管疾患となる。これがいわゆる「3大疾病」と呼ばれる病気。

がんは生涯を通して男女ともに2人に1人が罹患するといわれるほど誰がなってもおかしくない病気。他のふたつの病気も他人事ではなく、実に入院患者の5人に1人が3大疾病患者だという。

それぞれの医療費は高額で、脳卒中に関しては入院期間が長引く傾向がある。下の治療費の数値は厚生労働省の令和3年度医療給付実態調査によるもの。3大疾病以外の脳の病気の治療費も参考までに。

胃がんを例にとると、1回の入院にかかる治療費は6万6762円。これに入院日数分の食事代や差額ベッド代を足すと合計21万669円

入院後の通院1回にかかる費用は4377円となる。最も入院医療費が高額な白血病は軽くこの倍以上かかる計算だ。

病気別の治療費(1入院・通院1回当たり)

※自己負担3割の場合

入院

通院

胃がん

66,762円

4,377円

結腸がん

67,379円

4,543円

直腸がん

78,429円

6,173円

膵臓がん

65,769円

10,085円

肝臓がん

73,062円

11,102円

乳がん

60,285円

5,886円

子宮がん

64,619円

3,334円

悪性リンパ腫

107,234円

7,634円

白血病

176,568円

9,630円

高血圧性疾患

43,455円

1,058円

虚血性心疾患

81,666円

1,701円

くも膜下出血

97,166円

1,833円

脳内出血

73,410円

2,055円

脳梗塞

69,949円

1,554円

動脈硬化

90,370円

1,555円

低血圧症

35,741円

917円

統合失調症

39,878円

1,730円

気分障害

42,603円

915円

神経性障害

40,957円

807円

アルツハイマー病

42,223円

1,856円

胃がんの場合

入院治療費66,762円+(食事代1,380円+差額ベッド代の6,527円)×がん患者の平均入院日数18.2=210,669円

病気になったとき頼りになるのは…

病気の値段、保険の正解

突然の病気による数十万円の出費。とても痛いがこの金額で済んでいるのはある意味ラッキー。というのも日本にはすべての国民が何らかの保険に加入し、その保険を利用できる「国民皆保険制度」というありがたいシステムがあるからだ。

このシステムによる公的医療保険の種類は以下の3種類。

医療保険の種類
被用者保険(職域保険) 国民健康保険(地域保険) 後期高齢者医療制度
加入者 会社員、その家族 自営業者、農業従事者など 75歳以上の者など
加入者比 約60% 約30% 約10%

企業に所属している会社員とその家族は被用者保険で、国民の約6割が加入している。企業に所属していない自営業者や農業や漁業従事者は国民健康保険、75歳以上になると後期高齢者医療制度の公的保険が適用される。

医療費に関しては後期高齢者を除いて7割を負担してくれるので自己負担は基本3割。公的医療保険以外に民間の医療保険と契約していれば、自己負担はさらに抑えられる。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/コルシカ 取材協力/小宮崇之(ファイナンシャルプランナー、〈コミヤ保険サービス〉代表)

初出『Tarzan』No.869・2023年11月22日発売

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