脳の健康状態=BHQを「顔画像」でチェックする計測機器
BHQとは脳の健康状態を示す指標。通常はMRIで撮影した脳の画像データを解析して算出するが、今回開発された計測機器では顔画像から推定できるようになったという。製品化が待ち遠しい!
取材・文/神津文人
初出『Tarzan』No.868・2023年11月2日発売
脳の健康は顔画像でチェック
〈パナソニック ホールディングス〉のプロダクト解析センターが顔画像から脳の健康状態を示すBHQ(Brain Healthcare Quotient)を推定する計測器を開発。
体脂肪率や血圧のように、手軽に脳の健康状態を計測できる日が間もなくやってきそうだ。
BHQとはMRIで撮影した脳の画像データを解析して算出される指標で、国際標準化もされている。一般的には年齢に応じて低下し、認知症とも関連があるとされている。このBHQを、MRIを使うことなく顔画像から推定できるというのだ。
モニターに映し出される4種類の表情(喜・怒・哀・驚)の真似をしたものをカメラで撮影。その一致度を計測し、独自のアルゴリズムで解析。BHQ値が推定される。
血圧を計測する程度の手軽さで、脳の健康状態を知ることができる。高齢化社会には必須かも!?
推定BHQ計測
〈パナソニック ホールディングス〉のプロダクト解析センターが、BHQの研究を行っている〈ブレインインパクト〉の監修のもと、顔画像から脳の健康状態を計測する機器を開発。
短時間(計測は1分程度)で、簡易に推定BHQが計測できる。BHQを知ることは認知症予防にも繫がるはず。
「認知症患者の表情は乏しくなる傾向があるといわれています。そこで、表情に着目して、実証データを収集。MRI計測によって導き出された数値と独自のアルゴリズムで解析した結果に一定の相関関係を確認でき、BHQ計測機器の開発に至りました」
と、〈パナソニック ホールディングス〉プロダクト解析センターの阿部圭子さん。
BHQは運動や生活習慣の改善で向上させることが可能なのだが、〈セントラルウェルネスクラブ24葛西〉で実施されたテストでは、脳の健康状態の可視化が運動へのモチベーションアップにも繫がったという。
製品化が待ち遠しい!