公園で楽しむパークエクササイズ:ターザン的オアフ島ガイド
【ターザン的オアフ島ガイド】ではハワイ・オアフ島のフィットネスな魅力を紹介。ハワイといえば公園だ。公園に行けばトレーニングをしたくなるのが我々の性。ここではトレーナー・井谷武さんにご指導願おう。旅がもっと心地よくなる公園トレのススメ。
取材・文/編集部 撮影/安田光優 コーディネイト/工藤まや トレーニング指導・実演/井谷武、中川マイケル
初出『Tarzan』No.868・2023年11月2日発売
今回トレーニングした場所
マノア・ヴァレー・ディストリクト・パーク(Manoa Valley District Park):高級住宅街・マノア地区の小学校に隣接した公園。広大な敷地に野球場やバスケ、バレー、テニスコートなどを備える。鉄棒、雲梯などの器具がある。トレーニングのやり方を明記した看板も。2721 Kaaipu Ave., Honolulu。
井谷武さん
教えてくれた人
いたに・たけし/1987年、大阪府生まれ。フィジカルトレーナー・武道家。神戸大学卒業。プロ格闘家の道を怪我で断念した後、2012年から石井直方氏に師事し、トレーニング理論を学ぶ。著書に『知性を鍛える究極の筋トレ』(小社刊)がある。
中川マイケルさん
教えてくれた人
1990年、東京都生まれ。格闘家。10歳の時にハワイに移住。カリフォルニア大学卒業。元プロの総合格闘家で軽量級の世界王者にも輝いた経歴を持つ。現在〈Itani Athletic Club〉代表で井谷とともにトレーナーを務める。
旅先でのコンディショニングにもおすすめのトレーニング
大きな公園には鉄棒やベンチなど何かしらトレーニング器具が備えてあって、だいたい上裸のマッチョがトレーニングに励むのがオアフ・日常の風景。ターザンマンならばTシャツを脱ぎ捨て、日頃の成果を見せつけるべくハードな筋トレに励みたくなるだろうが、焦りは禁物だ。
「長時間のフライトでガチガチに固まったカラダでいきなりハードなトレーニングをしたら、確実に怪我をします」(中川マイケルさん)
そこでオススメするのが、井谷さん考案の「Work In, Live Out」プログラム。普段のトレーニング指導のコンセプトを、公園ならではのメニューにアレンジしてくれた。
「ワークインはカラダに正常な状態を覚えさせるトレーニング。動きの中でカラダの現状を自覚し、歪みなどの異常を少しでもニュートラルな状態に戻すのが狙いです。これでカラダを調整したら、次はリブアウト、いわゆるストレングスのトレーニングです。ただし、闇雲に筋肉を鍛えるのではなく、同時にカラダの機能性をアップさせられる動きを取り入れています」(井谷武さん)
今回用意した種目はワークイン4種→リブアウト5種の全9種類。順番通りに行うとより効果が高まる。毎日だってできる内容だから、滞在中のルーティンにしてもよさそうだ。
Work In|関節と筋肉が目覚め、ニュートラルな状態に
Work In① 膝ふくらはぎ
膝を立てて座り、両手を地面につく。胸を開き上体は起こす。右脚のアキレス腱付近を左膝に当てながら時計回りに5回、反対に5回回す。ふくらはぎ中部→上部まで同様に行う。左脚も同様に。10段階で7くらいの痛みの感覚で。
Work In② アラウンドザワールド
左向きに寝る。右脚を90度に曲げ前方に倒し、左手で膝を押さえる。胸の前に右手を伸ばし、大きく息を吐きながら、地面に沿って手を一周回す。時計回りに5回、反対回しに5回。逆側も同様に。肋骨、肩甲骨、股関節を動かす。
Work In③ 90/90
腕立て伏せの姿勢から、右脚を胸の前で倒す。右脚と左脚の膝を90度に曲げ、左手で右足首を摑み大きく息を吐きながらカラダの重みで地面に埋めるように上体を時計回りに5回回し、反対回しを5回。逆側も同様に。お尻を狙う。
Work In④ デスクワーカーズ・ストレッチ
仰向けに寝る。右足のくるぶしを左脚の膝に乗せる。両脚の膝を90度に曲げ、右足の重みで左足を地面に埋めるように押す。大きく息を吐く呼吸5回分くらいの時間が目安。逆側も同様に。梨状筋のストレッチ。
Live Out|大きな筋肉を鍛えつつ使えるカラダを作る
Live Out① グッドモーニング
肩幅より少し広く足を開いてベンチに腰掛ける。膝と爪先の方向を合わせる。手を開いて肩の高さに上げる。そのままお辞儀をするように骨盤から上体をゆっくり地面と平行になるまで倒して元に戻る。10回×3セット。股関節の可動性アップと背中の筋肉の強化を狙う。
Live Out② 四股アクティベート&スクワット
肩幅よりやや広めに足を開き、しゃがむ。膝と爪先は同じ方向に向ける。手を胸の前で組み、背骨を立たせる。そこから股関節と膝を伸ばし切らない程度に真上にスッと立ち上がる。10回×3セット。股関節の可動性アップと、お尻の筋肉強化を狙う。
Live Out③ すり上げ
肩幅に手を開き、腕立て伏せの姿勢をとる。手の指は正面に向ける。脚を大きく開き後ろに下げ、頭を両手の間に入れる。これがスタートポジション。そこから腕を曲げ、地面をするように上体を起こし、元の姿勢に戻る。力を抜いて100回を目標に。全身の筋肉強化。
Live Out④ 斜けんすい
肩幅より少し広めで鉄棒のバーを持つ。合った負荷を探しながら、揃えた脚を鉄棒の前に出す。腕を伸ばし背すじを伸ばしたら腕を曲げ、肩甲骨を寄せるようにバーを胸に近づけ、戻る。20回×3セット。脚を前に出せば負荷が高まり、足幅を広げると弱まる。
Live Out⑤ モンキーバー
雲梯の一番端のバーと1本飛ばしたバーを握りぶら下がる。1本飛ばしでバーを摑み、端まで移動したら、折り返してスタートまで戻る。1往復×2セット。勢いを使ってリズムよく行うのがコツ。全身、特に腹筋、前腕の筋力強化と肩まわりのストレッチ効果大。
その他のおすすめ公園
Kapiolani Community College(アラモアナ・リージョナル・パーク)
アラモアナビーチ沿いに聳える公園は、フィットネス/スポーツの聖地。ダンス、筋トレ、ランにサーフィン…と皆思い思いにカラダを動かす。マジックアイランドから見る夕陽は圧巻。住所:1201 Ala Moana Blvd., Honolulu。
カピオラニ・パーク(Kapiolani Park)
ワイキキ水族館やカイマナビーチの目と鼻の距離に位置するカピオラニ公園。夕方にはサッカーキッズで溢れるが、筋トレ派ならビーチ寄りの器具エリアへ。ダイヤモンドヘッドを眼前にトレーニングができる。住所:3840 Paki Ave., Honolulu。
カピオラニ・コミュニティ・カレッジ(Ala Moana Regional Park)
こちらは番外編。朝市が行われるKCCの道路沿いに、名もなきトレーニング器具のスペースがある。KCCの駐車場はマーケットの時以外は開放されないので、ワイキキからならランかサイクリングのついでにどうぞ。住所:4303 Diamond Head Rd., Honolulu。