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カラダ作りに関する知識を深める「ストレングス学園」。今回からは、トレーニング効果を向上させる「プログラム」の作成技術についてシリーズで解説する。
「継続は力なり」はトレーニングの極意だが、漫然と続けるだけでは正しい効果が得られない。
カラダはトレーニングによるストレスを受けると、筋肉痛や筋肉の硬化、パフォーマンスの一時的な低下といった「警告段階」と呼ばれる反応を引き起こす。
だが続く「抵抗段階」ではカラダが刺激に適応し、ストレスへの耐性とともに通常の機能を回復。さらに筋組織ではパフォーマンスアップにつながる生理的・物理的な適応も期待できる(=超回復段階)。
注意したいのは、長期間同様のストレスが続くことで「疲憊段階」に陥り、警告段階で発生する症状のほか、気力の低下、慢性疲労が続くオーバートレーニング症候群やケガなどを招く可能性があること。さらに仕事や食事、睡眠といった生活上のストレスも影響を与える場合がある。
トレーニングのストレスでパフォーマンスは一時的に低下するが、やがて適応が生じる(超回復段階)。続く長期的なストレスで発生しがちな疲憊段階を防ぐことが成功のカギに。
こうした問題を回避するため、1960年代のロシアで開発され、その後アメリカで発展したプログラムデザインの戦略が「ピリオダイゼーション」だ。
プログラム全体を特定の期間に区分し、目的に応じたトレーニング(=特異性)、強度、量といった要素を計画的・系統的に変化させるシステマチックなトレーニングの概念だ。つまり、問いの答えは①②③。
ピリオダイゼーションは、全体のプログラムを特定の期間に区分して行うのが基本。最も長いのが答え①のマクロサイクルで、数か月~1年のトレーニング期間全体を指すことが多いが、オリンピック選手などはこれが4年間にわたる場合もある。
さらにマクロサイクルの中には2つ以上のメゾサイクル(数週間~数か月程度)があり、これがさらに最も短い2つ以上のミクロサイクルに分かれるといった具合だ。
通常は1週間、全体のプログラムによっては4週間まで延長されるミクロサイクルにおいては、1日または1週間ごとにトレーニングを変化させる(その要素は問1で述べた通り)。
また全体のピリオダイゼーションおよびサイクル、各期間を通した移行の過程では、単純なものから複雑なものへと進むのが基本となる。
各サイクルの数は、自分自身の目標、競技大会の数などによって決められる。ターゲットを設定したうえでトレーニングメニューを組み立てよう。
一方で特定の競技においては、試合や大会の日程によって時間をかけつつトレーニング量を減少させ、反対に競技に特化した活動強度は高めていく。
トレーニングの優先事項をシフトさせ、オーバートレーニングの予防とパフォーマンスの最適化を図るのがその狙いだ。
取材・文/オカモトノブコ イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)
初出『Tarzan』No.867・2023年10月19日発売